80.火竜の試練・現地集合

「南へ向かう馬車ですね。それなら旅券をご購入頂いて、馬車のりばの5番線になります。」


商人に言われた通り、南行きの馬車について受付で聞いてみた。なるほど、旅券とやらが必要なんだな。それじゃ、アクローザまで頼む。


「アクローザへ向かわれるんですか?そうですね…実はアクローザ方面で少し問題が起きていまして、調査が終わるまで馬車の運行を取りやめることになったんです。シオンさんはシルバーランクですし、よければ調査に参加して頂けませんか?実績にもなりますし報酬もお支払いします」


そうなのか。アクローザへ行けないと困るし、その調査に参加しようかな。


「ありがとうございます!それではこちらの依頼書にサインをお願いしますね。それと、これが『特別通行許可書』です。コレがないと封鎖された場所から先に進めませんのでご注意下さい。無くされた場合は再発行が可能ですが、手数料がかかります」


なるほど、無くさないよう気をつけるよ。


「現場までは馬車でお送りしますので、準備が出来ましたら南馬車のりばへお越しくださいね」


よし、これで準備は出来たかな。あとはメンバーが集まるのを待って向かうだけだ。まだ時間はありそうだし、アクローザで役に立ちそうな物でも作って待ってよう。


その後、他のメンバーも特別通行許可書を手に入れて準備は整った。

メンバーは俺達六人にヤスナガさんとそのお姉さん。そして、なんとムラサキさん達四人も参加するという。


「ムラサキって呼び捨てで良いよ。ウチらもクエスト受けててさ、ネクターちゃん誘ったらシオン君達も行くって聞いたから、来ちゃった」


なるほど。エリアボスって話だし人数多いほうが楽だからな、こちらは大歓迎だぞ。


「シオンさん、よろしくお願いします。あ、俺の事も呼び捨てにして下さい」

「わかったよ。そんじゃ、改めてよろしくな!ところでお姉さんはどこに…?」

「姉は一足先に向かってて、現地で合流する事になってます。たぶん、仲間でも集めてるんじゃないですかね?」


なるほど、それじゃ出発するかー。


南行きの馬車に乗り込む。一度に全員乗れなかったので、男女に分かれて乗車した。道中ではサバゲの話で盛り上がったり、職場の愚痴大会になったりもした。


馬車が目的地に到着する。森の中だが、木の種類が違うように見えるな。そして、のどかな森に似つかわしくない木で出来たバリケードが道を塞いでいた。


「さてと…ヤスナガ、お姉さんはどこだ?」

「えぇと…あっ、居ました。あそこです」


ヤスナガが指し示した方を見ると、黒髪ロングストレートの女性と、兎獣人の女性が立っていた。あれ?あの兎はもしや…


「ラビリアか?」

「えっ?あれー!シオンさん!」


情報クランのラビリアだ。以前ネクターの紹介で忍者の情報を売ってから、たまに俺が作った魔道具を購入していくお得意さんだ。


「ラビリアがヤスナガのお姉さんなのか?」「あぁ!ヤスナガくんと知り合いだったんですね。お姉さんはこっちの雪華せつかさんです。ちなみに、私は二人と幼い頃からの付き合いなんですよ〜」


おぉ、そうなのか!世間は狭いんだなぁ。


「ウチの弟がお世話になってます」

「いえいえ、こちらこそ」


丁寧に礼をされて、慌ててしまった。ヤスナガのお姉さんは、背が高く切れ長の目に真っ黒なロングストレートヘアの超絶美人だった。なんか、立ち振舞いも上品だなぁ。 


さて、人も集まったしいよいよ突入か?


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ここまで作品を読んでいただきありがとうございます!


ヤスナガ君は部長のサバゲ仲間ですが、取引先企業の社員さんでもあります。

元々サバゲに興味はありましたが、飲み会で部長と意気投合しサバゲ仲間となりました。


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