75.廃城お宝探し

「いやー、また来たいな!」

「パイセン、素材好きッスね…」


そりゃそうだ、素材というものは持ってれば持ってる分だけ色々作れるんだぞ?!こんな心躍るアイテムはないだろ!


「さて、分配も終わったし外に出ようか」

「あ、ボクはもう少し残ります。城の中ってなかなか見れないし…」

「ワタシ達はこの後仕事があるから、ムラサキちゃん達と外に出るわ」

「俺は飲み会だ〜」

「部長またッスか?飲みすぎッスよ」

「ウチもそろそろログアウトにゃー」


なんと、俺以外は帰るらしい。まぁ、仕方ないな。淋しいからシルバ達でも呼ぼうかな。


「ねー、シオン君。もしワールドクエストやるなら連絡ちょーだい」

「お、おう。それは構わないけど…キャラ変わってない?」

「はっはっはー。こっちが素なんだぁ〜。さっきまではトリONの配信用!そうそう、シオン君達はなるべく映らないよう編集するし、安心してて〜」

「今回はワタシとコラボって事になってるからね。これから戦闘動画見返して、編集してからコメンタリー撮ってアップするつもりなの」

「お、視聴予約しとくッス」

「ありがと!楽しみにしてて〜」


最初会った時と雰囲気違う気がしていたが、ロールプレイだったとは…


「あら、結構そういう人居るわよ?シオン君も『ボク』って使うじゃない。見た目に合わせて口調を変えるのもロールプレイの一つよ」

「あー、言われてみれば。この姿で『俺』って話すの違和感あったから変えるようにしたんだった」

「ロールプレイは難しいのにゃ。ついつい素が出てしまうのにゃ」

「カリンちゃんはどこが素だったんですか…?」

「カゲと部長はそのままだな」

「あー、そういうの出来る気がしないッスもん」

「俺もだなぁ」

「さて、それじゃ帰るね〜。まったねー!」


こうしてムラサキさんが帰り、他のメンバーも帰っていった。


「廃城に一人は…淋しい通り越して怖い!!助けて、シルバ!ナヴィー!」


つい叫んでしまった。ほら、お化け屋敷みたいだから怖いんだよ…ここ…


『主、お呼びですか?』

『やっほー!来たよ〜!』


よし、これからこの城を隅々まで見て回るぞー!攻略時には一通り回ってるが、じっくり観察したいからな。決してお宝残ってないか調べたいワケじゃないぞ!ほんとだぞ!


「さーて、まずはこの部屋からだな」


俺が居るのは「王の間」さっきまでボス戦をやっていた部屋だ。見たところ、この部屋しか無いように見えるが…


「あれ、なんだこれ?」


壁に掛けられたタペストリーを捲っていたら、なにやら不自然な壁を発見した。そっと触れると…


ゴゴゴゴゴ…


うぉ、隠し扉か!こういうのって玉座の後ろとかにあるんじゃないの?何で左の壁に?まぁ、いいか。とりあえず部屋中のタペストリーを捲って、他に扉が無いか確認する。


どうやら、ここしかないようなので扉の奥へ進んでみる。細い通路を抜けると、上と下へ向かう階段があった。まずは上から攻める事にする。階段を登った先には扉があり、開けてはいると豪華なベッドのある寝室に出た。これは王様の部屋かな?キングサイズって言うのかな。大きなベッドに豪華な天蓋がついている。


机の上には書きかけの手紙らしきものが置いてあったが、何が書いてあるかは読めなかった。机に張り付いているので持ち出せないアイテムのようだ。ベットの下を覗くと、小箱が置いてあるのを見つけた。手を伸ばしてみると、箱は簡単に取ることができた。つまり、持っていって良い品って事だ。中身が気になるが先に色々見ておこう。


王様の部屋には他にも宝箱が置いてあり、ホクホクと回収した。他にも階段があったが、こちらは廃城のてっぺんの塔への階段だった。見晴らしは良いのだろうが、森ばかりなのでとっとと下へ降りることにした。


下へ向かう階段は、使用人の部屋や食堂に倉庫。そして宝物庫へ続いていた。ここにもいくつか持ち出せるものがあったのですべて回収。


ナヴィに他にも無いか聞いたが、特になさそうだったので廃城探検はこれにて終了とした。


いやー、残り物にはなんとやらだな!


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ここまで作品を読んでいただきありがとうございます!


無事に王様も倒し、お宝探しに夢中です。

この世界では持ち出し不可の品は壁や床等にくっついて離れない仕様になっています。重要なアイテムは入手出来ますが、無限に沸くので一人しか入手出来ないなんて事は基本的にありません。


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