53.目指せ一攫千金

エロジジイによるハイエルフ講座によると、俺はハイエルフ同士の子で、性別はナシ。そして未成人らしい。


ハイエルフは成人すると『変体』というスキルを得て、性別や姿形を変えることが出来るようになる。明確に何歳とは決まっておらず、魔力値と身体の成長具合で決まるそうだ。


俺が創造魔法を使えるのは、ハイエルフだからだろうというのがラウジャジーンの見解だ。創造魔法は、創造神の力でもあるので使う時は慎重にと言われた。


「そうじゃ、お主にひとつ頼みたいことがある」

「女性の紹介はお断りだぞ」

「なんと殺生な…って、そうではない!世界樹の事じゃ」


ラウジャジーンはノリツッコミを覚えた!


…は、置いといて。世界樹の事?


「お主は、エルフの里の世界樹を治したそうじゃな?」


あぁ、そういえばそうだったな。アケイアの森にある世界樹。穢されて大変なことになってたんだよなぁ。


「常世には、世界樹から枝分けされた樹がいくつか植わっておる。それは世界を正常に保つ役割を担っておるのじゃが、最近異変が起きておるのじゃ」


どうやら、アケイアと同じように穢れた世界樹があるらしい。ラウジャジーンは各地を飛び回ってその調査をしているのだとか。


「穢れた世界樹の力を取り戻したお前さんにしか頼めん。どうか、世界樹の穢れを取り払ってはくれんか?」

「うーん。探して回るのは厳しいが、あちこち旅はするつもりだったし、見つけ次第どうにかする感じで良いか?」

「うむ、それで十分じゃ。もし急ぎがあればワシから連絡をしよう」

「おっけー。んじゃ、それで」


そこまで話すと、ラウジャジーンはシェレグのもとへ行くと言って出ていった。


結構話し込んじゃったな。

のぼせる事はないが、そろそろ出るか。精霊たちも気になるし!


「ハイエルフ、設定盛りすぎじゃないッスか?」

「そうなるよねぇ」


あれから、精霊達を探しつつ館内をウロウロしているとカゲがやってきた。どうやら俺の身体の様子を見にいってたらしい。いつも悪いなぁ。起きたら何でもしてやるぞー。


「…楽しみにしてるッス」


何だか意味ありげな顔をしてるが、あんま無茶は言うなよ…?


精霊達は精霊樹で遊んでいたようだ。


『ここの精霊樹は、しっかり育ってて気持ちいいだすー』


とムートが言っていた。精霊好みの魔力で溢れているらしい。温泉にも魔力が溶け込んで居るらしく、人が居ない時間帯には様々な精霊が浸かりに行っているんだとか。


「そういえば、ここの近くに鉱山があるらしいッスよ」

「へぇ、そうなのか?」

「冒険者も入れるから、お宝ゲットできるかもしれないッスよ」


なん…だと…?


なんでも、希少な鉱石類が採れるスポットらしい。

そんな事聞いたら行くしかないじゃないか!!ネクター達も行きたいと言うので、温泉地の出口へ集合することになった。


「そういや、採掘ってしたこと無いんだがどうやるんだ?」

「えっと、道具屋でツルハシが買えるから何本か買っておくと良いみたい。何回か使うと壊れるらしいのよね。私も初めてだから楽しみだわー」

「採掘ポイントがあるので、そこに向かってツルハシを振るみたいですね」

「お宝ザクザクにゃー!」


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