第二章 北の国の章:前編2

 グロリアは自分の立場がよくわからない。わざわざさらってきた王女を、殺さないで一体何に使うのか。そして王はこのことを知っているのか。まったくわからない。今は公爵の息子に保護されている。

 彼も王族だし若くても一応爵位はあるらしく、王に与えられた領地を持っている。自分の配下もおり、彼らと行動を共にすることが多いので、いつも館にいるわけではない。テルーのような真面目な人と違って、昼間から悪い仲間と酒場に入り浸っているし、堂々と娼婦を何人も連れ歩いていることもある。酔っぱらって馬に乗って仲間と暴走するような悪行をし、それで衝突事故も起こす。様子を見、噂を聞くにつけ、彼のいいかげんさにはグロリアもほとほと呆れている。それでも、屋敷の敷地内で仲間と大勢でフットボールなんかをして駆け回っているのを見ると、若くて健康そうな従兄の明るい顔にほっとする。多分、馬鹿かもしれないがそこまで悪い人ではない。多分、そこまで不幸な人でもない。そうであってほしい、と思う。


 テルーの事を思い出しながら一人で外を歩いていると、茂みに人の気配がして、誰か飛び出してきた。グロリアは頭を切り換えられずに、のろのろそちらを振り返ろうとすると、その人物は突然剣を手に飛びかかってきた。グロリアは何があったのかわからないまま、避けた。女戦士だ! 鋭い目つきの、長身で、派手な美貌の女、男装しベルトにたくさん宝石を付けているが多分、女の人だ。その人が、長剣をこちらへ向けているではないか。

「おまえがレーテルアルね」

 やや低い澄んだ声で彼女は言った。

「子供じゃないの。馬鹿なことを考えずにとっととお帰り! おまえのような者が、お呼びでないのよ!」

 訳が分からずぼんやりしていると、また誰かが飛び出して来た。

「グラゼリアってば」

 またしてもきれいな少女が現れた。

「やめなさいよ。あんた、あんまりにもえらそうじゃないの?」

 すらりとして、この恐い女性ほどではないが背が高く、おもしろいことに見たことも無い程短い丈のスカートと、短いマントを身につけていた。黒髪は肩の下でぷっつりと切っていて、むき出しの腕は切り傷だらけだった。だが腕には革製の編み込みブレスレット。対照的な二人だが、勇ましさ、はつらつとした存在感、そして美意識……二人ともそれぞれに美しく身を飾り、堂々として、おそらく自分に自信がある。そういう点では似た雰囲気を持っていた。

「黙りなさい! 野生児。ここを我が物顔にうろちょろするんじゃないわよ」

「私はマーセントリウス様に許可を貰ってるからいいのよ。あんたこそ勝手に入ってきて」

「私はメルセグランデの娘よ!」

「だから? 権力があるのはあんたじゃなくて成金のお父様でしょ?」

「黙りなさい、このインチキまじない師! おお気味が悪い」

「断然生まれが高貴ですので、下々の下賤な悪口は理解できませんの。ごめんあそばせ」

 野生児の子が面白がって煽り立てるので二人の言い争いは過熱し、とうとう武器を使ったやりあいになる。どうしたものだろうと、グロリアは見物するしかない。


「ちょっと」

 野生児の方がグロリアに顔を向ける。

「のん気に見てないで止めなさいよ。あんたが原因よ」

 このチャンバラを止めろと言われても、グロリアは困る。しかし確かに、この子がグロリアを庇ったから二人は喧嘩になってしまったのだ。わけがわからないものの、グロリアのせいだと言われると責任を感じずにはいられない。

 先程の二人のやりとりの中でマーセントリウスの名前が出てきたので、辺りを見回し、屋敷に向かい、部屋の目星をつけると、大声で彼を呼んでみた。マーセントリウス! マーセントリウス! 早く来て! 大変なの。


 不思議なことに、途端に辺りは静かになった。

 この女達の争いが止まっただけでなく、先程遠く聞こえていたはずの周辺の森林を伐採する音、薪を割る音、犬の吠える声、荷車の音、それどころか、家畜の鳴き声も、大地を這う虫の擦り音さえ一瞬聞こえなくなった気がした。全てが息を潜めてしまった!

 不思議に思って二人を見ると、グラゼリアは青い顔をしてあたふたとして、野生児の方は予想外のことにぽかんとした顔、一応振り返って見ると、屋敷の方の思っていた窓には誰も顔を出していないが、あたふたと召使いの男が走ってきて、グロリアに伝言だと言う。

「用が有ったら来るように、と、ご主人様が」

 よかった、喧嘩を仲裁してくれるのだったら皆で行こうと思い、グラゼリア達の方を見ると、誰も動く様子は無い。

「見られてたんだわ、私がこの子を襲ったところ」

 グラゼリアは青くなっていたが、悔しそうにグロリアを睨む。

「でも、マーセントリウス様に泣きついても無駄よ。私はあの方にとって無くてはならない存在なの。憶えてらっしゃい!」

 もう一人の少女がそれを聞いてこらえきれず、明るい声を立てて笑い出した。

「最高! まるで一昔前のロマンスの台詞だわ!」


***

「私はアローゼルフィルダ。よろしくね」

 野生児と言われていた少女は、グロリアと二人になると、草の上に寝ころびながら言う。あの女性は野生児と言っていたけれど、彼女は素顔も美しく、あか抜けたところのある印象の子だ。グロリアは思わず近くに座って、彼女をのぞき込んだ。少し大人っぽいが、多分グロリアとそう変わらない年頃だろう。大きな黒い瞳はきらきらして、気持ちよく笑っていた。

「それにしてもびっくりした。あんたがああいう女にいじめられてめそめそするような子じゃないのはよくわかったわ」

「私はマーセントリウスを呼んだだけよ。あなたが止めろっていったんじゃない」

「マーセントリウス様を呼べという意味じゃなかったんだけど」

「私は最初殺されそうになったじゃない。自分でどうにかしようとしたら殺されたでしょう?」

 ふうん、とアローゼルフィルダはうつぶせの体勢になって顔を上げる。

「何にもわかってないようね。忠告しとくわ。ふたつばかり。ひとつ。泣く子も黙るマーセントリウス様の名前は印籠になるわ。領内の皆がその名に怯えてる。だけど、それだけ、その名前を利用するあんたのような子は妬まれるわよ」

 ややぎょっとする。あの場合でも自分で何とかしないといけなかったのか。

「ふたつ。グラゼリア、さっきの女には気を付けなさい。本人は見たとおり大した女じゃないけど、彼女はメルセグランデの娘よ。あんたを消す力くらいあるわ。」

「メルセグランデって?」

「知らないの? あんたのお母さんもその一族なのに」

「知らないわ」

「もっとも、王妃様は、メルセグランデを裏切って王に嫁いだんだもの、一族を敵に回してしまったんだけど」

 グロリアはよくわからなくてどきまぎする。

「メルセグランデはゼドルズ公爵と昵懇の成り上がり貴族よ。でも、田舎に金鉱を持っていて、莫大な財産を持ってるわ。沢山の兵力もね。メルセグランデ有ってのゼドルズ公よ。二人はマーセントリウス様とグラゼリアを結婚させて同盟を強めようとしているの。だけどマーセントリウス様が断固拒否してる。そのうちあんたをお嫁さんにしたいのかもしれないわね。つまりあんたはどこをどう取ったってメルセグランデの敵」

 彼女は足をばたばたさせながら、ひじを突いて髪の先の枝毛を探している。まるで政治抗争には興味がないといった様子で。

 そのまま鼻歌を歌っている。いくらグロリアが田舎育ちとはいえ、こんながさつな少女は見たことがなかった。


 話しかけるタイミングがわからずにしばらくグロリアは彼女を見つめていたが、ようやく、あの、と話しかける。

「助けてくれてありがとう」

 アローゼルフィルダはようやくグロリアの方に視線を向ける。いじくっているさらさらした髪の間から、どきりとするほど大きな目がグロリアを見つめた。

 ふふん、と彼女は笑うと、

「お礼を言っている場合じゃないかもよ。私はあなたのライバルなんだから」

と、不思議な事を言った。聞き返そうとすると、彼女はさっと立ち上がって、行ってしまいそうになった。慌てて引き留める。とっさに、いろんなことを、彼女なら教えてくれるかもしれないと思った。

「聞きたいことがあるの」

「なに?」

「マーセントリウスと東の王子のこと」

 ちょっとアローゼルフィルダの表情が曇った。

「アンナリーズンのことかしら」

 アンナリーズン、というのはグロリアにはわからなかった。アローゼルフィルダはまたそこへ座った。

「あんた、東の王子にかくまわれてたんですってね。彼の恋人だったんでしょ? 誰も教えてくれてないのね?」

 恋人ではない、とグロリアは強く否定した。

 アローゼルフィルダはしばらく考え込んでいた。

「なんやらよくわからないけど、東の王子がアンナリーズンっていう、マーセントリウス様の恋人を寝取ったって話よ」

 彼女がそう言っても、グロリアがぼんやりしているので、こんな子供に意味が通じなかったのだろうかとアローゼルフィルダは言葉を選び直そうとした。

「マーセントリウスの恋人をテルーが取ったの?」

「って噂ね」

「じゃあ、テルーはそのアンナリーズンと結婚するの?」

 まさか、とアローゼルフィルダは笑いかけたが、グロリアが傷ついたのかと思い、笑うのをやめた。

「えっとね、アバンチュールって感じ? 生涯愛を誓うってんじゃなくて、欲望による一時的なもの、みたいな? わかるかなあ」

 グロリアはどきりとする。

「でも常識的に考えて、結婚て、ほら家の都合とか、経済的な事情とか、相手の家柄とか総合的に考えて家同士が決めるもので、本人たちが好きだからするものじゃないでしょ普通。え、知らないの? 家柄がいいほどそれが普通じゃない? マーセントリウス様はちょっと執着心が強い人だし、結婚を考えてたのかどうか知らないけど、いずれにしても意外と執念深いのよ。いまだに苦しんでるところはあるみたい」

 グロリアは話を聞いていてずきずきと胸が痛んだ。自分でもどういう気持ちなのか理解できなかったが、とても嫌な気がした。吐き気がする。

 アローゼルフィルダはそろそろこの話題を止めたい雰囲気を見せたが、グロリアは何故かまだこだわってしまう。

「じゃあ、アンナリーズンは今どうしているの」

「気になるの? どうして?」

 反対に聞かれてどきっとした。しかしアローゼルフィルダはあっさり答えをくれた。

「とっくに死んだわ。東の王子の子を流産して、ね。あくまで噂だけど」

 グロリアは何も言わず立ち上がり、逃げるようにその場を離れた。


***

 もしメルセグランデの娘がグロリアがここにいるのを親に知らせてしまったら、グロリアは暗殺されるだろうか。マーセントリウスはグラゼリアとの結婚を拒否しているし、マーセントリウスが館に住まわせているグロリアの存在が、メルセグランデにとって邪魔になるに違いない。実際はマーセントリウスと顔を合わせることはあまりなく、彼と結婚する訳はないのだが、多分、疑われる。それは不安だ。

 彼に言ってみると、グラゼリアはそんなことはしない、と断言する。絶対ということはありえないということは知っているだろうに、彼はいい加減に適当なことを言う。

 ここにいる人達は皆いい加減で適当だ! グロリアは最近とても不愉快だった。男という男が目障りで、見るのも嫌になってしまった。

 家に帰りたい。彼女は思った。バール家はあれで温かかった。アリシアは優しかった。バール夫人、一度甘えてみたかった。もう帰れないんだと思うと涙が出た。あんな田舎でも、こんなに嫌な世界に出てくるよりは。どうしてしまったのか、グロリアは自分がここのところおかしいと思う。


 時々マーセントリウスは気まぐれにグロリアを呼びつけたり自分で彼女の部屋までやってきたりして、だらだらと無為な時間を過ごした。彼はグロリアを子供だと思っているらしく、女としての関心は無さそうで、彼の好きな武器コレクションの手入れだとか、彼の大好きな酒を飲んだりとか、そんなことばかりしている。酔っぱらうと、今日の試合のことだとか、ちょっと先の村の美味しいと評判のエールハウスで仲間と酒を飲んできたことだとか、狩りそのものより集団で馬で暴走する方が好きだとか、嬉しそうにいろんなことを喋るが、グロリアはアローゼルフィルダの話していたことを彼に聞くことができなかった。

 こうしていると普通の人に見えるが、マーセントリウスも男なのだ。あれ以来何となく彼に対して壁ができてしまった。

 そうしてまた、彼女を愛していると言った彼のことを思い出すのだ。


 マーセントリウスと二人でいると、彼が、むこうからやってきた人物に向いてやあ、おまえかと言うので見ると、アローゼルフィルダがやってきた。驚いていると、彼女はマーセントリウスに耳打ちをして、それからしばらくひそひそ話をしていたが、やがて彼は立ち上がって行ってしまった。

 二人が親密そうなのが意外だった。アローゼルフィルダは用が済んで出ていくのかと思ったら、グロリアの側まで来て、隣に座ってしまった。

「マーセントリウス様は一日留守よ」

 彼女は悪戯っぽく笑う。

「出掛けたの?」

「ううん。朝・か・ら、いなかったの」

 居留守か。どうしたのだろう?

「メルセグランデ様がご機嫌伺いに来たのよ。あなたも隠した方がいいかしらねえ。愛人も朝から出掛けてると言っておきましょうか?」

くすくすと笑う。

「楽しそうね」

 グロリアはちょっと不機嫌に言う。

「そりゃあ、ライバルがうろたえてる所なんて、見てみたいわ」

「ライバルって?」

「ええ? 恋敵に決まってるじゃない」

 そう言ってケラケラ笑ってるので驚いた。彼女はマーセントリウスが好きなのか。それにしてもこの自信! 一体彼女は何者なんだろう? アローゼルフィルダは足を組み、テーブルの上のお菓子をつまんでぱくぱく食べている。今日もこの間と同じような、短いスカートのちょっと変わった女戦士の格好をしている。マーセントリウス様はこんな女が好きなのよ、とでも言うかのように。その大胆さとさばさばした明るさには確かに魅了された。だけれども、グロリアはこの子の敵になるような魅力的な女性でもなく、マーセントリウスにかわいがられているようにも思えなかった。それが、何故自分をライバル視するのだろうか? それが不思議でならなかった。

 彼女にあなたはどこの誰なのかと聞くと、ただただ含み笑いをするだけで、何も教えてくれない。誰でも、自分の素性を隠していたい時があるのよ、自由になりたくて、と言った。


***

「いい加減に、あんな女に構うのはおやめになったらどうですか。本気じゃないですわよね? あの子と結婚しようだなんて」

 グラゼリアが言うのを、うんざりしながらマーセントリウスは聞いている。夜中だった。彼女は一人、夜の闇に紛れてやってきた。ランプの光の中で、ぼんやりと照らし出される彼女の白い手はとても優しげだったが、目つきはまるで漆黒の空に光る火星のようだった。しかし、魅惑的だと思う。彼は確かに気の強い女が好きだった。

「それより、例の件はどうなったんですか。ゼドルズ様もそろそろいらだってらっしゃいますわ」

「私は父の陰謀に加担する気はない」

「お父上が王になればあなたにも王位継承は回ってきますのよ?」

 彼はグラゼリアを皮肉げな顔で眺める。

「そしてお前は王妃になりたいのか」

 ぱっと、彼女は顔を赤らめた。それはもちろん、なりたくないはずがない。そして自分にはメルセグランデという武器が有り、逆に枷が有った。メルセグランデの娘である自分は王妃にならねばならないのだ。それ以外のことは考えたことも無かった。

「もしゼドルズ様が望んだとしても、メルセグランデはあなたと王女の結婚を許しません。あなたの企んでいることくらいわかります。王女と結婚すればお父上から離れられるし、それだけ確実に権利が回ってきますものね。でも、彼女には血の権利が有ったとしても、何の力も有りません。あなたが欲しい物は、全て私が握っています。お忘れにならないで」

 彼女はきっぱりと言って、その手を取ろうとする彼を拒否し、去っていった。


***

 マーセントリウスが、なにやらおかしかった。いつもと違ってちょっと優しい。顔には出さなかったが不審に思い、グロリアはじっと彼を見る。何をたくらんでいるのだろう?

 いつも彼は一定以上の距離を置いて、グロリアに近寄ろうとしない。乱暴そうな仲間も近付けない。それは彼女が強そうな男を怖がるので気を遣っているのかもしれなかった。だが、彼がグロリアに気を遣うなんてそんなことがあり得るだろうか? 本当はグロリアには彼のことがよくわからない。

 しかし、そんな彼をどこか信頼してもいたのは確かだった。考えてみたら血のつながりの有る人間だし、そういう意味での安心感だったのかもしれない。好きにはなれなかったけれど。

 もともとの子供らしい無防備さから、彼女はとても油断していた。自分の部屋だったとはいえ、マーセントリウスがそこにいるのに、そのまま寝台でうたた寝をしていた。彼は彼女を起こさないように用心深く部屋をうろつき、やがて彼女の側に寄った。しばらくそうやって見ていたが、やがて首元に光る細い紐に気付く。そっと彼はペンダントを引っ張り出す。そして、見つけてしまったのだ。王家の百合の紋章の入ったペンダント。王女のために特別にデザインされたのか、頭文字さえ入っている。それは彼女が8年前に行方不明になった王女だという動かぬ証拠だった。その紋章の持つ侵しがたい威厳に、さすがの彼も思わず手が震えた。

 しばらく見ていたが、何故かどうしてもそれを奪い取ることができなかった。これさえ父に渡してしまえば、グロリアはお払い箱だ。そしてグロリアは王女じゃなかったと、前王から遺言で王位継承を指名されたレーテルアル王女はとっくに死んで、これだけが形見として残っていたという話をでっちあげれば、全てが収まる。グロリアはどこか辺境の地へ追いやられ、用心のために暗殺される……。

 だが、そんな陳腐なたくらみをする自分達が実に愚かしく思えるほど、この紋章は彼に重かった。不覚にも涙が出そうになった。確かに、彼の敬愛する現王の娘なのだ、この少女は。ただこんな時代に生まれてきたばっかりに……。


 この苦しさは何なのだろうと、彼は自分の胸に手を当てる。そして自らの心臓の鼓動の激しさに驚く。

 彼女への同情なのか、純粋性への回帰欲求なのか、もしくは、誰にも知られない、両親のいないまま育った心の傷、母を捨てた父への憎しみと、その父に踏みにじられ人知れずもがき苦しんだ自らの過去の日々を悼み、泣きたいような気持ちのままに、いつもそのような時にそうしていたように、彼はこの女を抱き寄せた。彼女が目を覚まして抵抗するのも意に介さず。まるで自分の心に開いている穴を彼女全てで埋めようとするかのように。いつまでもそうしていた。

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