結愛の独白

 ずっと、美月の事が好きだった。

 でも、私と美月の関係はだった。幼い頃からの親友。……だから、我慢した。女の子同士なんだから、付き合えるはずがないと、諦めて、我慢した。

 それで良かった。私は美月のそばにいられるだけで幸せだったから。

 もし、美月が彼氏を作ったとしても、本当は嫌だけど、私は、祝福するつもりだった。


 なのに、なのに、美月は私に彼女を連れてきて、私に紹介してきた。

 意味がわからなかった。女の子だから、私が女の子だから、諦めたのに、なんで、女の子の恋人を作ったの? なんで、その子なの? 女の子でいいなら、私がいたじゃん。

 なんで? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで? ……なんで?

 

 どれだけ考えても、分からなかった。

 だから、頭がクラクラするのを我慢して、私は美月に向かって下手な笑顔を浮かべながら、おめでとうと言った。

 それからは美月の彼女も話しかけてきてたはずなんだけど、もう、それからの記憶はあまり覚えていなかった。

 頭が真っ白な状態で、家に帰った。


 そして、玄関に足を踏み入れた瞬間、さっきの出来事が事実なんだと頭が追いついて、倒れそうになって、目から涙がこぼれ落ちた。

 祝わなきゃだめだ。何度も何度もそう頭に言い聞かせてるのに、その度に、美月が彼女と一緒にベッドの上で交わる想像をしてしまい、更に涙を零した。

 そして、泣いて泣いて、涙が出なくなってきた頃、一つの考えが頭に浮かんだ。浮かんでしまった。

 美月を殺して、私も死ねば、ずっと一緒になれる。


 そんな考えが。

 でも、そんな考えが浮かんだ瞬間、私は頭を振って、馬鹿な考えを捨てた。

 そんなことしても、なんの意味もない。私は、死後の世界なんかじゃなくて、生きて、この世界で美月と一緒になりたかったんだから。

 でも、それはもう叶わない。

 だから、私が一人で死ぬことにした。

 美月が、他の女の子と付き合ってるなんて、私には耐えられなかったから。

 そして直ぐに、私はロープを買ってきて、自ら命を絶った。

 最後に思ったことは「美月、お墓参り、来てくれるかなぁ」だった。


 命を絶った。

 そのはずだったのに、私は目を覚ました。

 最初は命を絶つことに失敗したのだと思った。

 でも、違った。

 だって、私の体が縮んでいて、子供になっていたから。

 

 最初は死ぬ間際に見る夢か何かだと思った。

 でも、全然そんなことはなくて、すぐに気がついた。

 理由は分からない。分からないけど、時間が巻き戻っているということに。

 

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