どうせ、明日こそ時間を戻されるんだし

 結愛さんが居ない平和な学校が終わった私は、家に帰ってきた。

 先生には、昨日は何も言わずに学校を休んだことと、今日、何も言わずに遅刻してきたことを怒られたけど、仕方ない。……私が悪い訳では無いけど、結愛さんのことを話したって、信じて貰えないし。


「あ、明日の朝ごはん、買ってかないと」


 明日からは、本当にまたしばらく、時間を進めて貰えないだろうし、何日食べても飽きないような、私の好きな物を買っておかないと。

 独り言が癖になってる私は、そう呟きながら、そう思って、コンビニに向かった。

 

 



 んー、どうせ、明日こそ時間を戻されるし、休むんだから、アラームなんてセットせずに、お昼くらいまで寝て、普通にガッツリしたお弁当でも買ってこうかな。

 ……あ、でもそうしたら、今日みたいに、結愛さんが勝手に……は入ってこないのか。

 もう、合鍵は返してもらったもんね。

 そっか。じゃあ、今考えた案でもいいな。……強いて問題点をあげるとしたら、時間を進めて貰えるってなった時も起きられなさそうな事だけど、それは……頑張ろう。

 よし、そうと決まれば、この、唐揚げ弁当でも買っていうかな。

 女の子としては、可愛くないのかもしれないけど、私は別にそういうのなんて気にしないし。

 そもそも、最近こういうの、食べてなかったし、単純に美味しいと思うし。

 そう思って、私はレジにそれを持っていって、袋に入れてもらった。


「帰ろ」


 そして、お弁当が入った袋をお持ちながら、コンビニを出た私は、そう言って、家に向かって歩き出した。

 

 そして、しばらく歩いたところで、思い出した。

 あ……夜ご飯、買うの忘れてた。

 ……どうしよう。もう、結構歩いたし、戻ってまた買うのも、めんどくさいな。

 このお弁当、今日、食べようかな。……いや、でも、そうしたら、今度は明日の食べるものが無くなっちゃう。

 普段だったら、外に出て、買いに行くっていう選択肢があるんだけど、今日みたいに、もう合鍵は持ってないけど、結愛さんが家の前まで来る可能性もあるし、やっぱり、これは明日食べたい。


 ……明日の夜ご飯もないけど、夜だったら、結愛さんもさすがにいないと思うし、明日の夜ご飯は買いに行けばいいしね。


 あ、そういえば、あそこにカップラーメンを仕舞ってたはず。……あれはまだ、食べてないし、あれでいっか。

 よし、夜ご飯の問題も解決したし、さっさと帰ろ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る