No.2 優勝を狙う(1)
翌日の公式練習には
実は不調は世界選手権へのプレッシャーが原因かもしれないと言っていたらしい。
それもそうだよね。
あの後に世界選手権が発表されたとき、清華ちゃんへの風当たりが強い。
表彰式のときも拍手が少なかったりして、アンチ的な人が多いのかもしれないと感じたし。
そこは心配なんだけど……いまは試合に集中していこうと思う。
それからわたしはプログラムの構成についてブラシュアップしたバージョンで行こうと決めた。
すべて後半にコンビネーションジャンプを入れ込むんだけど、これでもだいぶ体力が持たないかもしれないくらいにしんどくなるけど仕方がない。
「この曲……清華ちゃんじゃないよね」
高らかな金管楽器が流れてきて一緒に練習をしているときに
それからこの曲を聞こえながらイーグルをしてトリプルサルコウを跳んだりしている。
今年のインカレの優勝候補の一人だけど、エンジン全開で滑っているのが見えた。
トリプルルッツを降りているのが見えて余裕を持たせているのがわかる。
「これ、アニメのオープニングじゃない?」
「
「父さんが好きなの。このアニメ」
「そうなんだ」
そのまま友香ちゃんは曲かけを始めてプログラムを通し始めているのが見えた。
余裕を持たせてからは楽しそうに話しているのが見えて、丁寧に滑っていくことができている。
清華ちゃんはバレエ音楽のまま滑っているけど、ふらついているのが見えたりしている。
大丈夫かなと思ってしまうかもしれないと考えてしまうけどね。
勢いに乗っていることが大きいと考えているのが見えている。
わたしはそれからいつものように練習をして、女子フリーまで待つことにしたんだ。
その間に男子のフリーが行われて、表彰式が始まろうとしているのがわかる。
拍手が会場内に響いている中で呆然と表彰台の一番高い位置に立っているのが見えた。
それを同じ大学のみんなで見つめていたんだけど、その表情に若干おかしくて笑いそうになっている。
「ヤバ。ガチガチじゃない」
「ほんとにノーミスでかつ、自己ベスト叩き出すのすごかった」
「四回転を全部決めてきたあたり、すごいね」
初優勝したのは
それで上位三名は影響があったのか、氷に弾かれたりしてミスが相次いでいたんだ。
それ
二位になっているのはすごいなと思ったりしているところだけど、千裕くんが悔しそうに表彰台に登っているのが見えた。
「これで
「そうだなぁ」
「お互いに自己ベストをしようかな」
「うん」
それから子どもの頃には笑顔で滑ってきているのが見えたりしているのがわかる。
そして、女子フリーが始まろうとしているのが見えて、最初に練習しようと考えて滑ることにした。
そのときにさらちゃんがギリギリまで攻めてきた構成を見事に滑りきっているのが見えた。
それから最終グループの一つ前のグループが残り二人になっている。
そろそろ時間かなとスマホで気にしながら練習をしているときだった。
わたしはストレッチをしながら六分間練習を待っているんだ。
「
「大丈夫だよ。得点だって逆転できるから……ん?」
「どうしたの?」
「清華ちゃん⁉ 大丈夫?」
そのときに陽太くんと一緒に清華ちゃんが座り込んでいるのが見えて、わたしも駆け寄ろうとしたときだった。
そっと陽太くんはわたしが駆け寄るのを止めていたんだ。
「伶菜ちゃん、試合に集中して。あとで行くから」
「わかった」
それからスケート靴を履いてリンクに走り出した。
ジャージを羽織ってリンクサイドでエッジケースを取って、すぐにリンクに入れるように考えているところだ。
それから清華ちゃんは大きく深呼吸をしてすぐにリンクサイドに戻ってきた。
その表情は子どもの頃には話してきているかもしれないと考えている。
そのときに実鶴ちゃんがトリプルループ+トリプルループを見事に成功させてきている。
しかも、きれいにトリプルサルコウ+ダブルアクセル+ダブルアクセルの三連続ジャンプを降りているのが見えている。
楽しそうな顔で滑っているのが見えて、わたしも同じかもしれない。
リンクの空いているスペースを利用してトリプルルッツ+シングルオイラー+トリプルフリップを成功させる。
そのときだった。
清華ちゃんがトリプルアクセル+シングルオイラー+トリプルサルコウを成功させたのだ。
「うそ、ここで組み込んでくる?」
「ヤバい」
その姿を考えているのが見えるのがわかって、深緑の衣装を着ている彼女を見つめていた
観客席の方からざわめきとかが話しているのが聞こえてくるのがわかった。
それからしばらく話しているのが見えてからは楽しそうなことをしているのが見えた。
「やってきたね……」
それを見て思わず驚いてしまったけど、すぐにトリプルループの単独ジャンプを跳ぶ。
でも、タイミングが合わなくてすっぽ抜けてしまうことが多くなっている。
友香ちゃんはトリプルループ+ダブルアクセルを降りているのを見て、難易度を上げていくことにしている。
わたしはそれを負けずに苦手なトリプルサルコウを跳ぶことにしていく。
「伶菜ちゃん」
「清華ちゃん、あれ」
「うん。それよりループの踏み切りで、力みすぎてかがんでたから……上半身を意識して」
「わかった」
ざわつくなかで清華ちゃんが再びトリプルアクセルからの三連続ジャンプを跳んでいる。
わたしはトリプルループの踏み切りについて意識をしながら滑っていく。
ショートでは四位になっているけど……まだ表彰台に入れるかもしれない。
優勝したいし、インカレでの優勝は目指したいと考えている。
大学卒業までスケートを続けることは決めているから、余計に頑張りたいと思っているんだよね。
『練習時間終了です。リンクにお上がりください』
アナウンスが聞こえてきてから、すぐに練習をしているときに楽しそうに話している。
すぐに楽しそうに話しているのが見えているけど、勢いに乗せて話しているみたい。
ショート六位にいるのは九州の子だった気がする。
『十九番、
そのアナウンスが聞こえてきてから楽しそうなことをしているのが見えた。
流れてきたのはミュージカルの曲でお客さんの歓声と拍手が聞こえてきた。
わたしはすぐにリンクに近い場所でイヤホンで音楽を聞きながら滑っていくことにした。
音楽は自由に聞いていた方が気が解れていくんだ。
最近は推しのグループでテンションというか、試合まで気持ちを高ぶらせたいときに聞いたりしている。
ドーム公演で見たときにメンバーのリミッターが外れた瞬間を見ていたので、その曲を聞くとその気持ちと熱気がすごいのを思い出す。
それから一人前の演技が終わろうとしているときに陽太くんが来て、靴を履き替えてから軽くジャンプしたりしていくことは多かった。
音楽はギリギリまで聞きながら待っているときに口ずさみながら待つ。
そして、ラストのスピンになってからイヤホンを外して演技に集中することにした。
ジャージを脱いで冷気に肌が露出しているところに触れると、少しだけ寒く感じるけどそれを気にせずにエッジのケースを外してすぐに陽太くんに手渡したのだ。
緊張でドキドキしてきたけどそれ以上にワクワクしてきているんだよね。
「よし、行こう」
「陽太くん。わたしができるだけのことをしていきます」
「うん。コンボのところは……」
「三連続、トリプルトウループとダブルトウループがセカンドですね」
「そう」
「それじゃあ、行こう」
『二十一番、
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