No.3 気持ちの変化《友香》(1)
でも、明らかにコメントとかもひどいし、限界になることはあり得るよなと考えていた。
お父さんと話をするために部屋にいって、朝まで戻ってくることはなかった。
もともと責任感が強くて愚痴とかは言うけれど、相談が少しだけ苦手かもしれない。
あふれ出したものがとんでもないくらいことになっていたんだよね。
「伶菜ちゃん。清華ちゃんってどうするのかな」
「公式練習のことは明日になるんだしね」
そう言いながら眠そうにスマホをいじっている。
わたしはアニメを見ながら一緒に寝落ちまで頑張ろうと思っていた。
清華ちゃんは朝起きて公式練習に行くときにとても明るい表情をしているのが見えた。
子どもの頃にとても懐かしそうなことを話しているような感じをしているみたいだ。
「ごめんね。昨日はショートの後に」
「良いんだよ。というか辛さがあったんだろうね」
「心配してたけど、気にしないで良いからね」
「ありがとう」
思い出してみると清華ちゃんの目元にクマがあったし、かなり寝不足だったんだと感じている。
公式練習ではトリプルルッツ+トリプルトウループにチャレンジしてみると、意外と足の痛みもないままきれいに降りていた。
わたしはすぐに勢いに乗ってトリプルサルコウ+トリプルトウループを降りてから、次にトリプルループ+ダブルアクセルを丁寧に降りることになっていた。
足首の練習をしているのが感じているようなことを知っているようなことを知られているんだ。
そのときにトリプルフリップもきれいに降りてみると、足の痛みの話しているのが話しているみたいだ。
「よし」
「友香ちゃん。今日は軽く流そう」
「はい」
すると新しい衣装で練習をしている
わたしの『ジゼル』の衣装はグレーと白を基調としたもので、ウィリーのシーンが多いのでこちらを優先にしている。
曲のイメージを考えながら丁寧にステップを踏んでいくことができる。
「伶菜ちゃん、ジャンプ構成は普通に良い感じだね」
「うん」
そのときに清華ちゃんの曲の一つ『スケーターズワルツ』が流れて、四回転ループをいきなり跳んでみせたんだ。
それとトリプルアクセル+トリプルトウループというジャンプを降りていて、絶好調な感じがしているみたいだ。
最終グループの二宮椿ちゃんが四回転を跳ぼうとしているのが見えた。
四回転サルコウというジャンプを跳んでいて、すごい勢いで滑っていくんだよね。
ジュニアとはいえ、椿ちゃんは次のオリンピックは年齢制限で行くことができない世代だ。 同世代のライバルと言えば黒木美愛ちゃんで彼女は一つ上なのでオリンピックへ行くことができるんだ。
公式練習のときに清華ちゃんはずっとジャンプについて練習をしていた。
「あ、清華ちゃん」
「ペア見にいく?」
「行きたい」
「ペアがフリーだよね」
「うん」
「まだ時間があるから善光寺行ってくるよ。道も知っているし」
清華ちゃんは一人で観光しに行くことにしたみたいで、伶菜ちゃんは部屋に戻って大学のレポートをするみたいだ。
わたしは暇になったときにいきなりのLINE電話がかかってきて、アイコンを見て驚いてしまった
それは春に現役を引退している
仙台にいると思いきや石巻にいるお姉ちゃんの家から通っているくらいなんだって。
「もしもし、桔花ちゃん⁉」
『久しぶり~、友香ちゃん。全日本始まったね。忘れてて』
「良いんだよ。専門学校忙しいんだから」
『うん。めちゃくちゃ大変だよ。本当にバイトもできないし、月に数回スケートできればいいんだもん』
「それってかなりハードじゃない?」
『うん。夏休みに合宿で免許取って、仙台と家の往復を自力でできるようにしてる』
「そっかぁ。忙しいね」
桔花ちゃんとの電話してからわたしは冬休み明けのレポート課題を見たりして、頭がパンクしそうになりながら競技の時間まで待つことにした。
ペアのフリーが始まろうとしていて、今日は最後の勝負になるんだ。
「アイスダンスも見たかったなぁ」
「それ、配信で見てたでしょ」
アイスダンスは競技の直前にあるのであまり見れていないことが悲しいけど、結果はもう出ているのでそれをチェックしている。
今回のアイスダンスはベテランである
一位が
四位に
それで順位関係なく好きだったのは後半グループだったんだよね。
今年のリズムダンスは80年代の音楽がテーマだったこともあって、多種多様な音楽や映画が出てきて楽しそうだった。
そのなかで
アリスちゃんとあさひくんは『シティハンター』の劇伴に、主題歌が流れてきたときの歓声がすごかった。
佳澄ちゃんとノアくんは『ジャネット・ジャクソンメドレー』でとてもノリノリな姿で踊っていた。
話は戻すけど、ペアは順位ごとに割り振られている。
六分間練習が終ってからは
それから次の
編曲がちょっとずつ違うけど、だいたい同じものを使っているような気がする。
最初のジゼルとアルブレヒトを演じているはずなのに、すごい演じ方が自然でとてもすごい。
最初のサイド・バイ・サイドのトリプルサルコウ+トリプルトウループ+ダブルアクセルを成功させていたんだ。
幸せそうで楽しそうな演技をしていくのが見えて、ミスもなく文花ちゃんが嬉しそうに滑っていく。
でも、後半はジゼルがアルブレヒトが貴族で婚約者がいることを知ってショックのあまり死んでしまう。
二人でニースライドをしてからは立ち上がったときにはジゼルがすでに幽霊になった状態になるときに衣装が変わっていた。
フワッとしたツイストリフトやスロージャンプは文花ちゃんの重力が全くない状態に見えてゾワッとした。
「すごいね」
「うん」
得点は大きく伸びていて、自己ベストまであと少しだった。
最後に出てきたのは世界王者の
それを見て気持ちが徐々に勝てるんじゃないかって考えていたときだった。
その後に行わていた男子シングルは橘千裕くんがノーミス以上の演技をして上位に踊り出て盛り上がってしまう。
最近決めていなかった四回転フリップを降りて、とてもすごい点数が出ているんだ。
それからダークホースと言われているショート三位にいる
四回転はループとトウループ、サルコウの三種類を入れ込んできたくらい。
得点はシニアでの構成だけど、これを上回るにはフリーで180後半を出さないとヤバいかもしれない。
それを乗り越えたのは
ショートと点差があまりなかったこともあって、フリーの点数で蒼生くんが三位に。
佑李くんは基礎点が高いので、わずかな差をすり抜けて三連覇して世界選手権の内定をもらった。
アイスダンスのフリーはショートプログラムのまま順位が確定していた。
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