第2話 気持ち新たに

ママとの朝のお散歩。楽しくて、嬉しくて。でも最近ママは寂しそう。

何でだろう。ママがカッターっていうもので手を切ることも多くなってきた。

僕、一生懸命治すから。舐めるから。

ママが悲しい顔していると僕も悲しいんだ。

お願い。ママ、また笑って。ママは最近怒るんだ。でも、それは僕が悪いからだよね?僕は怒られたらちゃんと直すから。

ママにはたくさんお友達がいて、お家にきたらみんなヨシヨシしてくれる。

ママのお友達だけれど、僕にとってもお友達だと思ってるよ。もちろんママが一番大好きだけど。


ママは最近ヨシヨシをあんまりしてくれなくなった。

少し寂しいな。またヨシヨシして抱きしめてほしいよ。

僕はママに笑っていてほしいんだ。もちろん僕がお空に昇った時も。

ママの幸せは僕の幸せだから。


ママとお散歩に行った日、ママはしゃがみこんだ。

具合いが悪そうで心配。ママの大好きな人は昨日ママを殴ったんだ。

そこが痛いのかな。ママが傷つくなんて許さないよ。

僕はあいつを許さない。今度会ったら噛みついてやるんだ。

-その後そいつは家に来ることがなかった-


ママは、カッターで手を切ることが多くなってる気がする。

そのたびに、ママを舐めるけど「近くに寄らないで」って言われる。

僕は、ママのために何ができるんだろう。考えてもわかんないや。

ママのためなら僕はお空に昇ってもいい。ずっと見てるから。


ある日ママが男の人を連れてきた。ママはまた元の優しいママになった。

男の人は可愛がってくれる。この人なら、ママも安心。

ママは手を切ることが無くなった。僕は嬉しいし、その男の人が来るのが楽しみ。

来ない日は少し寂しいくらい、ママも僕もその人が好き。

お散歩も長くしてくれるようになったし、オヤツもくれる。

僕は幸せ。大好きなママ、優しい男の人。

ずっとこのままがいいな。寝るまで尻尾が止まらないよ。

たまには喧嘩してるみたいだけど、すぐに仲直り。

僕にもいつかそんなのあるのかなあ。でも、ママのそばから離れたくないよ。

ママ、大好き。大好きだから、僕にもいっぱいヨシヨシしてね。

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