第8話 眩しいと思った
「なんだよ、これ。
無責任なやつだな。」
そう呟いて
先輩に電話をした。
軽く挨拶とゴミ処理場が混んでいる事を伝え、
「今日の依頼主って、どこに引っ越すんですか?」
と聞くと先輩は意外な返答をした。
「俺のツレなんだ。
どこだっていいだろう」
いつも無責任に明るい先輩に
似つかわしく無いぶっきらぼうな言葉に
一瞬戸惑ったが
「忘れ物あって。」
と伝えると
「俺が返しておく」
と言った。
「言えない場所?
刑務所じゃ無いだろうし。」
とわたしがいうと
先輩は無言になった。
「......。
お前、言っていい事とそうじゃ無い事の
違いも分からねぇのか
あいつは....」
そう言う声が
いつの間にか嗚咽に変わっていた。
「すいません。」
そう言って電話を切るしかなかった。
今日は空が眩しいな。
曇ってた雲はどこだよ。
やがて順番が来て搬出しようと
荷台を開けると
捨てると彼が言ったダンボールの中身が無性に気になった。
一つだけ色の違うダンボールを開けると
そこには
宛名もない同じ白い封筒と
写真が数えきれないほどあった。
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