第7話 太陽

急に顔を出した太陽に、

「くそ、天気予報なんて当たらないな。」

と呟いたわたしは


ゴミ処理場に向かった。


ゴミ処理場につくと

そこはすでに渋滞。


ふと彼からもらった封筒が気になって

開けてみた。


「金ならありがたい。」

そう思うと一通の便箋があった。


「ゆきへ」

彼の風貌に似合わない綺麗な字だった。


「何度お前に伝えようと思ったか。

お前は今日、笑えているのか、

そればかり考えている。

お前が呼ぶ、空っていう俺の名前が、

大好きだった。


お前に言えなかった本当の事を

俺は伝えたい気持ちが抑えられず、

でも、もう一緒には居られないなら

無責任に言うべきじゃない。


ただ、お前を愛している。」


わたしは笑った。

こんなくさい文章を書く男に見えなかったからだ。


手紙を半分にたたみ、

折り返すと

そこには


「どうか届けてほしい。」


という言葉が書いてあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る