第2話『俺の顔殴れたら合格ゲーム その1』
─────『違法寄生虫取締部隊』、通称『カクテル』……様々な人種、生物、国、能力者が集う事でその名がついた組織……その日本支部に入隊する事が出来た
A班は見るからに個性の強い人間の集まり。それは一目瞭然である。
現在、特別講師含めA班7人の紹介を終え、次は
それを先に言い出したのは、メガネをかけたいかにもインテリ風の彼、『
少し、イヤミに聞こえる話し方である。
「私たちの初歩的な素性、能力は名前だけですが紹介されたワケです。もちろん、
椅子に浅く座る
それは『能力』について……自分が『
実際のところ、
だがその能力は父の遺産とも言える試作品の寄生虫『エヴォルチオ』であり、
「……『
使えるようになったのは8年も前だが、使った回数は片手で数えられるくらいで、使えないと言えば使えない。
しかし、
その人物は、白髪混じりの髪を整えると一つ提案をした。
『
「
「いいですねぇ冠さん。この班の中で1試合で殴れたのが私だけですからね。
ポケットに手を入れる
「そうだったっけな。まぁ、簡単に説明すれば、5試合、そのうちに俺の顔をぶん殴れたら
不合格すれば大変な目にあうゲームの説明を受けた
前線に立てなければ、自由に戦闘もできず操作すら出来ないからだ。
しかし、
そう心を決める
部屋を出ようとする
───場所は変わり、『カクテル』高層ビル70階のうちの42階。ここは道場となっている。
畳の床、和風な壁や装飾がされており、入口からすぐ見える達筆な掛け軸には、『
さらに、この武道場だけ天井が高く、低く見積っても5mはある。
その招きに応じるように
よく見てみれば、
「よぉ〜し。早速初めようか。能力を持ってたら能力も使ってよし、身につけてるモノ、武器の使用も可とする。1試合は10分。ルールはこれだけ……OKか?」
「はい。いつでも構いません。」
「いつでも構わねぇって俺のセリフだろ……サァ来い。」
相手が接近しているというのに構えをせず逃げもしない
当然、そのジャブは顔を右に傾けることで避けられる。
(だと思ったよ……これはほんのお遊び。)
またも、このジャブは、
脚のステップがホコリを煙のように舞わせると、
このブローは仁王立ちの
(入った!! ……これは立てなくなるハズ!!)
メキメキと筋肉をエグるようなダメージ、そんな激痛を与えられた……はずだった。
攻撃を受けた
その軌道は
しかし次の瞬間、その攻撃は
そして掴んだ腕を
宙に浮き、無防備な
その装備はさながらメリケンサック、ナックルダスターである。
そんな凶器を完成させた
ドジュッと文字盤の装飾が身体にめり込み、衝撃だけでも身体を突き抜けんばかり威力。
この時、本当に痛い時ほど声が出ないという事を再確認させられた。
地を這う
「コイツはほんの
「うぐッ…それはそれは…結構な贈り物で……。」
「無駄口叩いてないで早く来い
腕一本分の至近距離、
上へ上へ伸びるその拳は、これも
避けられ生じる
隙が生じてるにもかかわらず、急に目の前に入ってきた
「し、しまっ!」
「目の前の戦いに集中しろ、
その吹き飛んだ先には、この試合を観覧していた6人が立っていた。
「また派手にやられてるなぁお前。」
ヤンキー風の
「1試合じゃ、
───試合は残り7分、倒れる
「いつ使うんだ? お前の能力は。」
6人は雷が走ったかのような驚きを喰らった。
自己紹介の時は能力が無いと言っていた目の前の男が、確定してはいないが能力持ちかもしれないということに驚いた。
「
ちなみに言うと、この武道場は禁煙である。
「お前は父親の遺産でもある試作品を身体に宿している……だからヤタラに他人へ話したくなかったのだろう。それは全然許す。父親思いのいい嘘だと思う。」
「だが、今お前に対し俺が許さねぇ事は、その能力をここで見せねぇ事だ。それは俺に対する手加減、侮辱に値するんじゃないのか?」
「いいか、ここでは思う存分お前の力を発揮しろ。手加減無用、お前の全てをさらけ出せ。」
腰を上げ、足を伸ばし、真っ直ぐ
朧つかない視界の目を擦り、拳を握りしめる。
自身の来ている黒いスーツを脱ぐと、テキトーな場所へ投げ飛ばした。
先程の
「……わかりました。目が覚めましたよ。18歳のガキを殴り飛ばすジジィを懲らしめないと行けないって、嘘ついてもすぐバレるんだなって教えられましたからね。」
そして開口し、これでもかと大きな声で叫んだ。その声は武道場内に反響した。
「これが、僕の能力!! ……『
異様な、『真っ赤なオーラ』が武道場内を駆け巡った。
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