第36話 告白されてる?

「もう大丈夫だよ、君をいじめていたグループはもう何の力もない」

 梅原雅美は今日も暗い顔をしている。

「どうしたの、他にも何か悩みがあるの」


「住谷さんのことが」

「俺?、なんかあった」

「私のためにいろいろしてくださったのに、私は何もお礼をしてない」

「そんなのいらないし」


「私のことまったく興味ないんですか?」

「そんなわけはないけれど」

「その後、なんかちっとも電話もくれないし

「お嬢様すぎて」


 雅美がびっくりしたような顔をした。

 亮が何を言ったかが、しばらくわからなかったみたいだったが、ようやく思い当たったらしい。

「あ、あの家、あれは知り合いに頼みこんで」

「え?」


「だって、場所がないじゃないですか、中学生がそんなことしようと思ったら」

「そうだけど、よくあんな広い家」

「おばあちゃんのお友達の家で、みんなで合宿したりするとき、いくらでも使っていいよって」


「そうなの、でもそれもすごいね。あんな家を勝手に使っていいなんて」

「売りたいんだけど、売れないんだって」

「なんで、もしかして出るから?」

「あはは、住谷さん面白い。それなら私たち怖くて使えない」


 言われりゃその通りだ。

「なんか、みんなが色々揉めてるとか、よくわかんないけど、おかげで、私たちも楽しいし」


 そこで、雅美は言葉を切った。

「今日も、実は、借りてあるんです」

「合宿でもするの?何かの」

 亮は本気でそう思ったのだが、雅美にはショックだったらしい。

 大きな瞳から、じわっと涙があふれてきた。


「え、待って、俺なんかおかしなこといった?」

「いいです、住谷さんの眼中に、私なんかこれっぽっちもないんだ」


 そういうことか、亮はやっと気が付いた。この手のことに敏感だと思っていた自分なのに、すこしばかり不思議な気分がした。

「わかったわかりました。だから泣き止んで」


 やっぱりでかい家だと思う、玄関どころか、門を開けるだけですでに圧倒される。

 だれかが手入れもしているらしい、庭もきちんと手入れがされている。


「お付き合いくださり、ありがとうございます」

 雅美はリビングに亮を案内すると、彼に向き合い頭を下げた。

「あれからずっと考えました、そして決めました」

 今日の彼女は、ギンガムしぇっくのシャツに白のデニムのミニスカ-トというカジュアルないでたちだ。そのミニスカートをすとんと落とした。

「雅美は住谷さんに処女を差し上げます」


 いうなり雅美は亮の胸に飛び込んだ。

 もう抱きしめるしかないじゃないか、亮は言い訳をした。もちろん頭の中のこうこにだ。


 亮は雅美の顎を人差し指で待ちあげると彼女の唇にキスをした。

 立ったまま亮は雅美のシャツのボタンを外した。薄いブルーのブラジャーと同じ色のパンティーが見えた。

「今日は一緒にシャワー浴びたい、脱がしてもらえますか」

 亮はブラジャーのホックを外す。

「パンツはバスルームにしよっか」

「住谷さんの服を脱がしたい」

 雅美はジーンズのボタンを外した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る