第32話 人妻は
人妻ということもあって、加賀谷の中は緩い。きつさでこうこと比べるのははっきり言って可哀そう、亮はそう思った。
でもそれは早合点だということを、すぐに知らされることになった。周囲がギュっと。
最初のころより耐性ができてきたのと、こうこと昨夜もしてきたこともあって、なんとかもったものの、いきなり搾り取られるところだった。
どうせ高校生なのだ、格好を付ける必要はないけれど、入れてすぐではあまりにも情けない。
一呼吸ついて、亮はゆっくり動き始める。深く深く浅く深く。ある時はリズミカルにそして時にテンポをずらして。
加賀谷は、頭を激しく振り絶叫をあげていく。
感じすぎじゃないか、というよりもしかすると随分してないのか、なら随分もったいない話だ。
高校生の若い体はもちろんいいけれど、こなれた体はそれはそれで魅力があると思う。
まあ、いつでもできるとなると飽きるのかもしれないけれど。
「しちゃった」
加賀谷がボソッと言った。
「後悔してるの」
「ううん、後悔というのとは違う。ただ旦那がなぜ高校生の奔るのかを知りたかったんだけど」
「わかった?」
「わからない」
加賀谷は本気で悩んでいるのだろう。亮とそうなることで、少しでも夫の気持ちがわかるかと考えたようだ。
「多分、それは無理じゃないかな。俺もそうだからわかるような気もするけれど、単に、おんな好きなんだと思うよ」
「そうなの、じゃあ私が嫌いとか」
「そんなことないはず、逆に、あなたに甘えているんじゃないかなあ」
加賀谷はちょっと明るい顔をした。
「うん、だから俺なんかと寝ることはなかったんだよ、ほんとは。まあ、俺はあなたみたいにいい女とできてラッキーなんだけど」
「私、旦那以外の男の人としたことなかったから、ちょっと、違うものすごく気持ちよかった、ありがとう」
面と向かって礼を言われた亮は、照れ臭さもあって話題を変えた
「はっきり言ってみた方がいいと思う、いい加減にしなさいって。まあ、それで未来永劫浮気はしないかっていうと、そんなことはないはずだけど、しばらくは収まるから」
亮とすれば、それだけで十分だった、その間に、問題の女子高生を恵美に紹介してもらって、落とす。
「どうせしちゃったから、もう一回しよっか」
「一回といわず二回でも三回でも」
亮は加賀谷をベッドに押し倒す。
「ふうん、それで何回やったの」
「一回だけ」
「あのさ、嘘ついてもすぐわかるんだよ」
こうこが亮の顔を覗き込んで言う。
いったいどういう勘をしているんだろう、亮が返ってくると五分も経たずに、こうこがやって来た。まさかずっと外を見ていたわけではないだろう。
「外でして来たら私ともする、そういう約束だよね」
「う、うん」
「何、嫌なの」
「まさか、そんなわけないから」
「じゃ、キスして」
突き出された唇に唇を重ね、スカートの中に手を伸ばした。
「あれ?」
「うん、はじまっちゃった」
昨日から数えてこうこと加賀谷に二回づつ、ちょっとお休みができるかとほっとした亮に、こうこは、にまっと笑みを浮かべた顔で言った。
「胸が張るんだよね生理の時って。ね、できることあるでしょ代わりに飲んであげる」
多分それは命令だ。
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