第31話 不倫の相手
「お待たせ、行きましょうか」
加賀谷晴美は学校であったままの服装だった、ということは、スカートの下は。まさかだろうと思う、ちゃんと履いているはずだ。
ミナミのラブホテル、大阪に来てからもう幾度目だろうかと亮は思う。
最初はドキドキしたものだったが、すでにどのホテルに入っても驚きもしなくなっている。
今日のホテルはフロントがあった。もちろん顔は見えないけれど、向こうからは見えてるんじゃないかなどと考える。まあ、どうせ知らない相手だろうからどうでもいいことだと思う。
「明かりのついている部屋、お好きなところへどうぞ」
平日のまだ早い時間なのに、結構ルームナンバー灯が消えている、つまり使用中が多い。いったいどいつもこいつもと思ったけれど、自分も同類だとちょっとおかしくなった。
「どうする、まずやっちゃう?」
加賀谷はスーツの上着を、ハンガーに掛けると言った。
亮は、後ろから加賀谷を抱きしめた。
サイクルウェアを見たときはもっとがっしりしている印象を受けたが、こうして抱きしめると意外と華奢な感じがする。
その肩が小刻みに震えている。頑張って強気を装っているが、もしかしてこれが初めての浮気なのかもしれない。
で、あれば、とりあえず入れてしまった方がいいのだろう、いろいろな話はそのあとで十分だ。
加賀谷の体の向きを変え、唇を重ねる。ミントの香りがした。
「自分で脱ぐ」
スカートのホックに手をかけると加賀谷は亮の身体を押し、言った。
ブラウスを脱ぐと、すぐブラジャーが現れる。何を考えていたのか、黒だ。どう見てもデート用。朝家をでるときから、そのつもりだったということだ。かなりの決意に違いない。
背中に手を回しホックを外すと前かがみになり、ブラジャーを前から外す。
白い大きな胸。乳首の色が濃いのはやはり人妻だ、今は女子高生に入れあげている旦那も、昔はこの胸を必死で吸ったこともあるに違いない。
その間に亮は、さっさと全裸になっている。加賀谷ちらちらと航の大きくそそり立ったものに視線を送っている。何人経験したかは知らないけれど、女性はいつも最初は処女みたいなのかもしれない。
「大きいね、高校生だよね、何人泣かせてるの」
加賀谷はスカートのホックとファスナーを下げながら亮を見ている。
「ないしょです」
スカートを足元に落とすと、股間の黒いヘアがあらわになった。加賀谷はあのまま穿かずに来たらしい。
「朝からはいてないの、そうでなければ」
度胸が付かなかったということなのか、亮は加賀谷を抱きしめると、ベッドに押し倒し、股間に顔をうずめた。かすかに石鹸の匂いがしたのは、学校でシャワーでも浴びてきたのかもしれない。
相手は人妻、高校生とは経験が違う、さほど苦労もなく二人はすんなりと一つになった。
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