第5話 地獄とはまさに
「なんだ。これ。」
僕は、思わず絶句した。その光景があまりに悲惨すぎて。荒れ果てた大地。漆黒の空。真っ黒な海。
(いきなりラスボスステージかよ。)
「あ、ここじゃねぇや。」
彼女はそう言うと移動魔法で場所を変えた。
「我を導け。」
移動した場所は、綺麗な湖だった。
そのほとりに、立派な邸宅が一つ建っていた。
(うわーすげー綺麗な場所じゃん。けど、なんでさっきの場所は、あんなに荒れ果てていたんだ?)
僕の純粋な疑問を汲み取る様に彼女は答えた。
「あそこが、悪魔の棲み着いている場所さ。悪いな、本当はあの場所に連れて行く予定は無かったんだ。あそこに行くにはまだ危険すぎる。」
「は、はぁー。。。?で、ここはどこです?」
「あぁ、すまない!言い忘れていたな。ここは私の家だ。ここで君にはしばらく能力の鍛錬をしてもらう予定だ。」
僕は唖然とした。
(今からここで鍛錬?え、それって使える様になるまでどのくらいかかるんだ?てか待て待て待て、僕最前線で戦うのか?そういえば、え?マジ嘘やん。。。)
「はーい。ごちゃごちゃ考えなーい。とりあえず今日はゆっくり休め。明日から本格的に始まる。」
「あっはい。え、てかここは安全なんすか?」
俺が呆然と聞くと
「まぁ、君が安全だと思ううちは大丈夫さ。たぶんね。」
「たぶんって!」
「最初に言ったろ?ここはイメージの世界だって。想像力がものを作るんだ。っていっても分らんか。んーじゃあなんか試しに想像してみなよ。」
「試しに?」
「そ。食べ物でも服でも何でもいいよ」
「んー。あっ。」
俺は、創造を始めた。
構造、デザイン、なんなら効果まで付与できないかと思いやってみた。
そして俺はペンダントを作った。
「出来た。」
「何を作ったんだい?」
そう言うと彼女はおれが作ったものを覗き込んだ。そして、唖然とした。
「うわ、まじか。」
「え?なに?なんかやばいの作った?俺。」
「まぁある意味やべーの作ったよ。やっぱ私の目に狂いはなかったってことか。」
彼女何を言っているのか分からずしばらく呆然としていると思い出したかの様に話し始めた。
「あ、悪い悪いお前が作り出したこれ。この世界で一番防御力の強い道具だ。お前はただのペンダントに防御力を付与したいくらいにしか思ってなかっただろうがな。」
俺は、少し混乱した。よくあるアニメの魔法力付与くらいのイメージで防御力に特化したアイテムがあればまず死ぬことはないだろうくらいの気持ちで作ったら一番強くなってた。
(なんなんだ?この世界は。。。)
疑問混じりに頭を悩ませながら突っ立っていた。そんな不安を感じ取る様に彼女が話しかけてきた。
「心配するな。少年。私がいる限り君を死なせることはない。まぁとりあえずうちに入ろうか。」
そう言われて、彼女の後に続き邸宅へ入った。
誰そ彼時の君 深風 彗 @keimikaze0705
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