第4話 救世主
「僕にどうしろって言うんだよ?」
妥当な質問だったと思う。正直言って僕に何か出来るかなんて1ミリも思わない。そもそも救ってくれって何なんだ?頭脳?想像力?一体何なんだ?そう考えていると彼女は言った。
「君の柔軟な想像力。そしてその発想が私たちの世界を救う鍵なんだ。私たちの世界は、言葉と想像力が一番の武器なんだ。君みたいな小説家とかね。」
「僕みたいな小説家?」
「そう。私たちの世界は、言葉そのものが力になるんだ。こちらの世界で言うところの言霊だな。良いようにも悪いようにも言葉次第だ。そして、そこには想像力も伴っていなければこちらの世界では底辺だ。だが、今私たちの世界は、悪魔がいるんだよ。悪魔の王。堕天使ルシファーまたの名をサタン。あいつがこの世界に居続ける限り私たちに未来はない。だから君の力が必要なんだ。君の想像力だけがこの世界を救える。唯一の希望なんだよ。」
「そう言われても、僕受験生だし勉強しなきゃだしやらなきゃいけないこと腐るほどあるし君らに割く時間ないんだけど・・・。」
こう言えば諦めてくれると僕は思った。けど、彼女はニヤリと表情を緩ませた。
「ふーん。ってことはさ時間さえあれ私たちに協力してくれるってことでしょ?」
「いや、その時間がねぇーんだって・・・。」
「だったら時間は私がなんとかしてあげるよ。私こう見えても帝国一の魔法使いだから。君一人の時間の巻き戻しなんざお手のものよ。それでどうだい?少年?」
僕は、呆れ顔で答えた。
「僕なんかに出来ることなんてたかが知れてますよ?それでもいいんですか?」
「構わない。君が手を貸してくれるならなんでもいいんだ。」
これ以上この人には何を言っても無駄だと僕は、諦めた。
「分かったよ。僕は、何をすれば良い?」
「覚悟が出来たみたいだな。では、これに捕まってくれるかな?」
すると彼女は、古びた帽子を差し出した。
「これがなんだって言うんだ?」
「チェンジキーだよ。この世界からあっちの世界に行くための数少ない鍵。では、行こうか?」
するとそれは、閃光を放ち僕らを飲み込んだ。目を開けることが出来なかった。
次に目を開けた時には、絶望的な世界が広がっていた。
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