第4話 ヨボセヨ

「ここでマアズの逆襲となる」

「えっ、あじゅく」

「違う、マアズだ」

「あじゅく、あじゅく」

「おい、ルナは恋煩いか」


 レイはガクにしがみついているルナを引き離した。


「ごめん、哲兄ちゃん、ルナを下に連れて行く」

「おお、そうしてくれ」


「そしたら、ここは、マア、コホン、の逆襲だから壮大な音がいいですね。1つ思い付いたんですけど、戦闘の前にルナちゃんの笛を鳴らす……」


 

「ガクさんたちお仕事の話しているから」

「ちゅぎのげー?」

「おお、よくわかってるねえ。次のゲームを作っているの」







「ママ、あじゅくは?」

「パパがお迎えに来るって言うてたから、南のお家へ帰っちゃったんよ」

「ママ、よぼちぇ」

「ナオさん、よぼちぇって何?」


 レイが首を傾げた。


「ああ、韓国語で、もしもしをヨボセヨって言うの」

「ルナちゃん、すごい韓国語しゃべれるのね」

「韓国ドラマ見て覚えちゃったんやね。ルナちゃん、ごめん、電話番号訊くの忘れてもうた」

「え~」


 ルナはソファーにパタリと倒れ込んだ。


「ルナちゃん、今日は絵本やなく、お話を聞かせてあげよ」


 寝室に行き、ベッドに3人並んで寝転がった。

 ナオはスマホを取り出し読み出した。


「これはね王道学さんが書いた『まったりにゃんことぐーたらねずみの旅』というお話なの」

「にゃーとえずみい」


 初めのうち目をキラキラ輝かせて聞いていたルナだったが、いつの間にか眠っていた。その隣からレイの寝息も聞こえてきた。

 目を刺激する絵本より、早く寝落ちするようだ。


 

「ナオさん、ゴメン、寝てしまった」

「うちも少し寝てたんよ」

「晩ご飯は何するの?」

「夕べ、豚の紅茶煮をしておいたから、それを焼くつもり」

「ああ、小鳥さんちの台所の」

「そう、あのレシピ本には助けてもろてんねん。あとスープとサラダ作って」

「そしたらレイがサラダ作る」


 キッチンには2人しかいないのに、レイは声をひそめた。


「あのね、ナオさん、あの話だけど、レイもっといいこと思い付いたの」


 最近のレイの相談事はヘビーすぎてナオには余りある感じだ。

 一平に相談したいけど、それは最後の最後だとレイから釘を刺された。



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👦picoさんちのあずくんにゲスト出演して戴きました。

https://kakuyomu.jp/works/16817330657345727796

 

😺王道学さんから『まったりにゃんことぐーたらねずみの旅』の作品タイトルお借りしました。

https://kakuyomu.jp/works/16817330656829591147


🐤小鳥つむぎさんから『小鳥さんちの台所』のタイトルお借りしました。

https://kakuyomu.jp/works/16817330661019152020


皆様ご協力ありがとうございました🎵👧ペコリ


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