第272話 真の流星

『よっしゃあ~やってくか!!』


さきほどまでの落ちた機嫌も治ってきたよう。

特にendmも問題は無さそう。

どうにかなってくれて良かった…………。


『降りる場所は…うーんとまあいつものとこかな』


と彼がピンを指し、4人で降りる。





順位はあの試合だけで結構上がった。

総合3位。

まだ1位には届かないが、それでも3位につけているのは相当にでかいこと。

そこまで大きく差が広がっているわけでもないし、ここから逆転だって十分可能。


そして何より、lucusとendmのモチベを戻せたのがかなりでかい。


「さーていくか~!」


4人集まれば最強。

今全力を出す必要もないかな…というよりここで出すと返ってlucusの策略を崩しかねない。


『ここ敵居るな…そっちはどうだ?』


『こっちに居るよ~2パーティだけっぽいね』


『wartの方にすぐ向かいますね』


「俺もすぐ行くわ」


敵は近くに降りていない。

多分雰囲気的にwartの方に密集している形なのかな。

俺もすぐに向かう。


「っと…まあそうなるか」


そうだった…endmが付いていたんだ。

彼女が敵を一掃した。

俺の出番は相変わらずない。


『あそこにも居るよ~!』


『任せてください!』


「あ、待って俺もそっちに…」


『1人倒しました!』


「行かなくても大丈夫そうかな…………」


endmの調子がどんどんと戻ってきているよう。

Day2のこれまでの試合とは全然違う雰囲気。

もはや負ける気なんて一切なかった。


「他に敵は……うーんいないよね」


知ってた。

前試合まあまあに動いてたのをおそらく把握済みなのか。

近づいてくる敵もたぶん少ない。


『どうする…………?』


endmが想像以上に暴れ始めた。

lucusも若干困惑の様子。

俺はその何倍も困惑だが。


戦いにくらい参加させてほしいな……。


『え~endm調子結構戻ってる!?』


『なんか今なら何でも行けそうな気がします!』


「まじか…………」


endmは自信満々にそう言った。

これはどうするべきだ…………?

この調子を活かして攻めるか、

それとも、ピンチの時くらいに残しておくか。


『じゃあ攻めるかぁ』


やはり選ぶのは前者。

そもそもピンチな時など来る前に倒せばいい。

白い流星はそんな感じで動くチームだ。

どれだけ先回りして駒を打てるか、どの盤面において最適解が生まれるか。


『ん~こっちの方が敵が多そうだな…行くか』


『行きましょうか……』


こいつらは遠慮など無い。

ただ自らの意思で、自らの戦略でこの場を突き通す。


『あ、あそこに敵!』


『ほんとですね、やりますか?』


『うーんそうだな……行くか!』


『よし!!行っちゃいますね!』


「俺が後ろから撃つ!endm、任せたぞ!」


『はい!!任せてください!!』


このチームはおかしい。

そんなのずいぶん前から承知している。

アジアを背負った最強チーム、白い流星。

全員が奇抜した特徴を持ち、各自が好き勝手にプレイする。

ただlucusがそれに合わせて策略を組み立てるので、結果的に一つのまとまりとなる。


『よし!!!倒しました!!』


『ないす~!!最強!!』


「ナイスだな、次行くか!」


白い流星は止まらないだろうな。

この先、どこへ行こうとも。


俺らを止められるのは、俺らだけだ。


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【後書き】

短め!だけど欲しいパートだから許して!




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