第269話 光に陰りなし
街の敵は一掃した。
敵の戦利品からショットガンをスナイパーライフルに切り替えた。
12キルを得たまま、wartの方へ向かう。
彼女はしっかりと敵を巻き切って別のところへ移動していた。
「そっちは行けそうか?」
『うーん、敵の気配はないけどそろそろ敵と会う気がする。』
「分かった、すぐ行くわ」
wart1人じゃ流石に厳しそうだな。
俺の周りに敵は居なさそうだし、このまま突っ走るしかない。
もうあと少しかなくらいのタイミングで、
『うーん、やっぱり敵居る!』
とwartからの報告。
そろそろ遭遇するかなと思っていたが、俺と出会う前にそっちで接敵してしまったらしい。
『ごめん!ちょっときつい!!』
彼女1人じゃどうしようもないよう。
ただまだ耐えてくれている。
「頼む!もう少し耐えてくれ!!」
俺はそう言いながら全速力で向かう。
ただこれじゃ間に合わないか?
「きついな…………」
wartのHPもみるみる減っていく。
これじゃ俺が合流するまでに、確キルまで入れられてしまいそう。
『やばい……流石にきつい…かも』
wartも限界、敵に囲まれるのも時間の問題のようで。
今ではギリギリ耐えれているのもきついか?
「っす、ちょっと待ってろ!あとちょっと!」
ここでwartを失うのは痛手に近い。
1人と2人では全然違うし、この先人数不利という立場で動くにはwartが必須だ。
俺は少しだけ彼女の方向とは違う方へ走り出した。
向かうはちょっとした崖、ここからなら彼女の様子を見れる。
「さてさて…………ここで終わらせないぞ」
持つのはスナイパーライフル。
彼女から一番近い敵の頭を抜く。
「よし!!!」
『え、まじ!?ナイス!!!』
wartが身を引くタイミングを作れた。
敵はこのまま彼女の方へ近づくが、その前に俺が近寄る。
「間に合った~!」
サブマシンガンに持ち替えて、後は3人連続キル。
頭に当てると、先にリーチを取れるので常に有利。
今日は本当にエイムが良い。
「よし!!!そこの敵撃ってほしい!!!」
射線が切られてて敵が撃てない。
流石に俺じゃ対処しきれないのでwartにやってもらう。
『倒した!!ナイスすぎ!!!』
割とHPも削り切っていたことで倒してくれた。
これで16キル。
まだまだ終盤に差し掛かるには早い。
もう少し回復とかを整えつつ頑張って行きたいな。
って思う前に敵がやってくる。
もはやここは激戦区の一種かもしれない。
『あっち!!4人来てる!!』
人数が2人ということを突いてくるプレイヤーも多いのかもしれない。
敵が来るのには少し時間が掛かる……か?
「回復して態勢整えといて、俺が行くよ」
まだダメージはほぼほぼ食らっていない。
wartが結構やばいので先に俺が前に立つ。
彼女にはどちらかといえばサポートしてもらいたい。
『了解~!1人スナイパーかも!気を付けて!!』
彼女の予想はほぼほぼ正しい。
推測から読み取るlucusとはベクトルが違う。
自らの耳で状況を素早く読み取る。
やはりこのチームはおかしいのかもしれない。
「まじだな、任せろ。」
とりあえず敵を早めに近づけたくはない。
彼女が回復している今、近距離戦に持ち込むのはやや不利。
スナイパーライフルで出来るだけ威嚇する。
相手にはスナイパーライフル持ちがやはりいる。
『あ、横に1人動いてる!!』
彼女の助言を聞いて少し横に目を通す。
1人だけ別方向に走っているプレイヤー。
「ほんとだ!!まじないす!!」
これはwartが居ないと気が付けなかった。
俺の照準は目の前のスナイパーから別に変える。
「逃げられないぞ…」
頭に弾を撃つのは割と得意分野。
命中率を下げることなく、そのまま1人を持って行く。
「っと!当たるものか!」
目の前のスナイパーもギリギリ視界入れていた。
立体視できない範囲からの攻撃は若干避けるのが難しい。
割と苦労していた時期もある。
まあ今となっては特に苦手でもないがな。
昔の自分に感謝しつつ、そのまま受け流す。
『おっけ!回復終わった!!』
ここでwartが参戦。
と言っても2vs3のこの状況。
まだまだ人数的には不利だ。
「ないす~!他の敵の位置教えてくれ!」
目の前のスナイパーに夢中で他を見失ってしまった。
姿が現れてもまだギリギリ対処できそうだがリスクもそれなりにある。
このためにwartが輝く。
『えっと…………ここに1人、であそこに1人!』
素早くピンを指してくれる。
「あざす!!助かった!!!」
場所が分かるだけ助かる。
敵の位置が分かればこっちのものだ。
『こっちだけ任せて!そっちの2人お願いできる?』
「いいよ!任せて!」
wartが1人相手してくれるだけでもう楽だ。
向き合うのは、スナイパーとあと1人の敵。
「前の敵…うーん頭出さないな」
1人頭を抜いたとたんに、全然頭を出さなくなった。
スナイパーライフルを警戒してそうだな。
となると、先に別の敵を相手するしかない。
サブマシンガンのリロードは確認。
スナイパーライフルも念のために。
よし、行くか!
wartに教えられた場所を頼りに、すいすいと移動する。
「流石だな…………」
彼女の索敵能力にはとても驚かされる。
ほぼ正確に当ててくる。
だから実質不意打ちなど無効だ。
ショットガンをしゃがんで避ける。
次の攻撃の前に2,3発。
1発だけ頭から擦れてしまったがまだいい。
次の攻撃は中心を狙ってくると読んだ。
「当たらないね」
俺のこの技術は単に反射神経だけで成り立っているわけではない。
どれだけ頭を使って、次の攻撃を読む力も重要だ。
弾は読み通り、このまま敵は俺のサブマシンガンに溺れていった。
「残りはお前だけだな。」
スナイパーが依然として姿を出さない……あれちょっとおかしいか?
今敵を攻撃していたタイミングでも姿を出さなかった。
視界からは絶対に外さないようにしていたので正確に近い。
となると、……
『blanc!後ろ!!!』
wartの声で思わず反応した。
「え!?」
振り返るとそこにはスナイパーが1人佇んでいた。
いつの間に後ろに……そう驚く時間すらない。
まるでチェックメイトと、画面の奥て微笑む敵が見えた。
ただそれは幻想にすぎない。
ここで油断したのがお前の結末だ。
「終わりだな」
俺も対立するかのようにスナイパーライフルを構えた。
敵が撃つと同時に、俺も撃つ。
『え!?』
と言うwartの声がかすかに耳に入った。
だがもうそこで言われようが全てが無駄。
「よし!!!!!!俺の勝ちだ!!!」
相手の弾は俺の首をかすめた。
が、俺の弾はしっかり頭に当たった。
この勝負、俺の完全勝利だ。
『ナイス!!!!強すぎ!!!!』
wartも戦闘は既に終えていたようだった。
どうやら俺たちの戦いに参戦するタイミングがなかったよう。
まあ勝てたのでよしだ。
「いや~でかいなこれ。ダメージ食らったのはもったいないけど」
ここで避けれなかったのは技術不足かな……。
仕方なかった、で片付けたくはない。
まだ成長出来るんだからどんどん伸ばしていきたい。
『十分すぎる!!!まじで凄いです』
lucusとendmの声が全然頭に入ってなかった。
けれど結果オーライだしまあいいだろう。
こうしているうちに終盤へと舞台は迫っていく。
もちろん負けるはずもない。
アジア最強の銘を持って、世界を貫く。
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【後書き】
唐突な2話投稿です。
書きたかった!!以上です!!!
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