第267話 気力の半壊

『とりあえずここかな』


lucusはそう言ってピンを指した。

降りる場所は固定降り。

1週回って戻ってきたようだ。


試合は第10試合。

いよいよDay2の大会も半分を過ぎた。

全体で見れば、そろそろラストスパートに差し掛かるんじゃないか?というくらいだ。

ただあと3試合、まだ逆転のチャンスくらいはある。


「そうだな~敵も居そうだな」


相変わらずさっきの試合もここに降りている敵はいたよう。

そして、今回もパーティ数は3つ。


『うーん、相変わらず敵が多いね~』


『ですね……これはきついかもしれません。』


endmはうーんとうねっていた。

さっきの休憩辺りから、lucusとendmの調子はやや下降気味。

何かやる気というものが欠けてしまったのかな……という印象だった。


「あ~俺のところに敵居る」


まさかの敵と降りる場所が被った。

これは初手から戦闘かな、と思いつつ皆に伝える。


『了解。endmそっちに行けるか?』


『私のところにも敵が居るのでちょっときついです!』


『うーん、私はそっち行く!』


wartだけこちらに来てくれる。

lucusはendmの方へ手助けに行ったようだ。


敵は1人だけなので、別に苦戦するわけでもない。

けれど他に敵が追加でやってくる可能性もある。


「よし、武器運は良いかな」


初手でショットガンを拾えた。

ピストルとかよりはよっぽどマシだ。


『私もすぐ行くよ~』


とwartが言ってくれたが、その前に戦闘は終わりそうだ。

下側で様子を見ている敵を詰めに行く。


「っと、ここは行けそうだな」


相手はアサルトライフル。

この距離間では流石にショットガンをの方が有利だ。


至近距離だろうと今日は割と動ける。

弾を一発横目に、もう一発はしゃがんで避ける。


「ここだな」


照準は頭に合わせて一発。


「よし、倒したよ」


『え!ナイス!私向かってる』


「了解~」


遅れて別の敵もおそらくやってくるので、今のうちに態勢を整えたい。


『すまん!こっちきつい!来てほしいかも』


lucusとendmの二人は少し難航中。


「あ~俺も行くわ!wart行くぞ」


『おっけ~』


変更で、俺も彼らの方へ向かう。

ここで二人を失うのは割と痛いからな。


『フルパで来てますねこれ…どうでしょう』


「頼むから耐えててくれ~」


俺は願望とともに向かっている。

2vs4が不利なのは言うまでもない。

しかも見るからに彼らは室内戦。


室内だとどうあがいても、結局数が勝つのが自然の条理。


『私着いた!挟み撃ちやるよ!』


『了解!』


先に近かったwartがすでに位置に着く。

出来れば俺も早く向かいたい…

だがそう簡単にはいかない。


「え、まじか!無理かも!」


別パが俺の前に立った。

彼らの方への行く手を妨げるようで、依然として銃口はこちらへ向いている。


「ごめん前にフルパいる!」


『まじか!!!』


3人がフルパで、俺が1人でフルパと対峙。

残り3人(俺が1人倒したパーティ)どこに居るか。

それすらも分からなくて怖い。


しかも今現状の順位はやや1位から遠い。

ここで負けて更に遠くなるのはあと2試合で捲れるか怪しくなってくる。


『やばいな……俺のせいか』


lucusは早くも倒されて、気分まで落ちてしまっている。


『ここ私行くので、wart下がってくれませんか?』


『え、どうして!?』


endmが言うには、ここで犠牲になるから逃げてほしいっということ。

wartはもちろんここで疑問を持つ。


『これ、たぶん勝てないです。だからwartだけでも逃げてほしいです』


「うーん……まあ道理にはかなってるか」


endmが勝てないと判断したら正直ここは無理だ。

おとなしくwartは下がるべき……なのかもしれない。

俺も1vs4だし、出来れば彼女1人でこのまま生きて順位を稼いでほしいが。


『分かったよ………』


wartは渋々そこを離れた。

すぐに彼女は倒される。


ただそれでも2キル持って行ったのは流石というべきか。





果たしてそれに対して、俺はどうするべきかな。

明らかにlucusもendmも気分が落ちている。

ここでやる気を出すのが、俺の役割になるのかな…………。


「とするとここはやるしかないよな……」


生憎逃げるという選択肢はない。

もうすぐ別パも追ってくるだろうし、ここで逃げても他で戦闘に合う。


『私そっち行こうか?』


余ったwartがそう言った。


「いや良いよ、そのまま逃げてくれ」


一応念のためだ。

だが、ここで負けるだなんて心底思っていない。

むしろ全員を俺の手で倒してやる、その意思しかない。


「後で合流だ、絶対にな」


この勝負、俺のこの数年間で得たもの全てを賭けようじゃないか。

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【後書き】

急遽書きました。

私とよく喋らせて頂いてる作家さんが、同ジャンルでめちゃくちゃに追い上げててびっくりしてます。

負けたくない!だから頑張ります!!


良ければ星評価、フォローお願いします~!

レビュー頂けると凄く嬉しいです!!!

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