第264話 悪あがき

「よし!勝った!!!」


『は!?え?勝ったの?』


lucusから出た一声はまずこれだった。

wartとendmに関しては先ほどまで動いていた口も止まった。


「え、あ、うん。すぐそっち向かうわ」


まだlucus達が戦っているので俺が応戦する。

人数不利が苦戦を因していたようだったが、俺が来たことでその問題も解消された。

敵は残り4人、4vs4ということで、そこまでやばいものでもなかった。


「そこの敵HP少ない!」


アサルトライフルで後ろから撃ち続け、endmとlucusが攻め切ったことでここのキルは勝ち取った。


「ないす~!」


初動で3パーティを潰したのはだいぶでかい。

これだけで12キル。


『ないす~!!ってなんでblancがやすやすと生き残ってんのよ』


『もしかしてノーダメージですか…………?』


「え、あ、そうだな」


あんまり考えてなかったな。

まあ来た弾はそのまま避ければいいだけだし、そこまでノーダメも苦ではない。


『まじか、いやもちろんありがたいんだが。このままblancが負けて俺らも負けるんじゃないか?って思ってたからさ』


「あ~まあ勝ったんだから良いじゃん」


『いやまあそうなんだけどさ~』


終わったことだ、勝ったからそれでいい。

というか、もし俺が死んでいたらどうなってたんだろ。

人数不利で押しつぶされているのが脳裏に浮かんできた。


『とりあえず安全地帯に動きましょうか。と言いたいところなんですが』


『うわぁ~また来た。』


この街に敵が思ったより来るようだ。

もしかしてだが、だいぶ狙い撃ちされていたり?


「これは……うん、流石に厳しいな」


2パーティは暫定でもいる。

いや、さっきのと比べれば少ないよ?となるならこれは早計だ。

敵2パーティとも、自分達より高いところに位置している。

だから俺たちは常に不利な状況で、4vs8を相手しないといけなくなるのだ。


『どうしますか…………?流石にここで攻めるのは厳しいかと』


endmも流石にこの発言。

ここで攻めるのは妥当じゃない。

生き残るのを最優先事項にしたい。


『そうだな…これは流石に厳しいか……?』


『うーんlucus。ここで攻めるのはどうかと思う~。下がろ』


wartも念を押す。


「どうだろな……まあここは下がるのが安泰な気がするが」


『そうなんだけど、ここ動いたらだいぶリスクが上がりそうな予感が……』


lucusが言うならそうなのか……

ただ敵はあからさまにこちらへ向かっているご様子だが。


『2パーティがこっちに向かってるし、流石に離れるべきじゃない?』


『私も同意見です、時間の問題のような気が……』


『まあそうだな、場所を変えるか』


そう言って4人で建物を出た。

出来ればこの街からゆっくり離れたいところ。

ただこれは理想の話、現実はやはり厳しい。


『おっとまじか、そうだよな』


lucusがスナイパーに頭を抜かれた。


『私下がりたい!……あれ後ろ居る!』


『ほんとですね……ちょっとヘイトがやばいかもしれないです』


俺らが動いたタイミングで知らぬ間に距離を詰められていた。

四方八方に敵が居て、これはもう何も出来ないかもな。


『ごめ!こっち4人居る!』


wartが倒された。

残りはendmと二人。

第6試合と同じ構図……になれば理想だがこれは夢に過ぎない。


『ごめんなさい!無理でした!!』


多数からの攻撃でendmもやられてしまう。

残りは俺一人。


「んー…どうしよう」


まだ敵には見つかっていない。

ただ見つかるのは時間の問題。


ここから動く手段は二つ。

1つは逃げる

もう1つは戦う。


前者はリスクしかない。

自分自身は完全に攻めの形を捨てるため隙が生まれる。

ただその分、動きには早さが伴い、街から去るまでは早くなる。


ここでその行動は流石に選べない。

はっきり言うが、もうこの試合は終わったようなものだ。

1人で、しかも囲まれている中で8人を相手するなど無理がある。


っとここで目に入ったのは足元のスナイパーライフル。

いや、この状況で武器を変えるのは………?


「あ、良いな」


俺はショットガンと切り替えた。

良いことを考えた。


これは生き残るための作戦ではない。

どれだけポイントを取ってやられるかという勝負だった。






「まずはっと」


挨拶のスナイパーライフル。

まだ誰にもバレてないその一手で敵を1人持って行ける。

確殺にアサルトライフルを使うので、どうしてもばれてしまうが仕方ない。


キルを取ると、すぐに俺は場所を入れ替える。

敵が居ない、かつ出来るだけ敵が見える位置に。


「次はここだな……」


さっきとは全く違う場所から、先ほど居た場所にスコープを当てる。

予想通り敵は居る。


「おっけ!」


頭に弾を当ててすかさず確殺へ。

これを繰り返せば、最後の悪あがきを出来るんじゃないか?

そう思えたのだ。








ただ、4キル目を手にしたとき、

もう動く場所が無くなってしまった。

既に敵は次の位置を予測してやってきている。

流石に厳しいなっとなった。


「わんちゃんないかなぁ」


と手に持ったグラップラーで移動するも流石に隙を突かれてやられてしまった。






第8試合、キル数は16

順位は12位。


キルのおかげでさほど悪くない結果になった。

ただ総合は3位と落ちてしまう。



まだ4試合ある、その心を胸にまだまだ戦う。


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【後書き】

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