第251話 勢いは殺さない
さて、なんやかんやで始まった第6試合。
色々時間も空いていたので、戦略を色々練った。
結果的に、まず前試合からの油断が一番怖い。
だからendmを主軸にするのはいったん中止だ。
彼女はちょっと落ち込んでいるようにも見えたが、大会であんなに暴れられたらたまったもんじゃない。
ヘイトが凄いことになるぞ…………?
それはさておき、降りる場所は同じところ。
ただ今回は敵がどこかに行ってしまったのか、フリーで漁れる街となった。
『敵は……居ないね』
wartがそう呟いた。
『まあ世界大会において初動を生き残ることは大事だしな。これもこれで良いことだ』
lucusはそう言ってくれた。
俺も同意見。
ただ敵に遭遇しなさすぎるのは問題だった。
前試合でendmが暴れた。そしてそのあと何分か休憩時間が出来た。
その時間で他の選手たちはもちろん前試合からどう次に活かすか考える。
ここでendmの議題が出ていたらどうだろう。
1人で約3パーティを壊滅する、そんな選手と遭遇したいか?と言われたら避けるのが普通。
まあ簡単に言えば、俺らは避けられていたのだ。
中盤、全ての立ち回りを把握されたのか、周辺の敵も動きを変えているよう。
おかげで良いのか悪いのか、全く戦うことが無かった。
『あ、居る!』
wartがピンを指したところに1パーティ。
ようやく敵のお出ましだ。
敵は俺らの正面。
先制攻撃は取れそうか?
『撃ちますね』
endmがスナイパーで先制。
しっかりここで頭を抜いてくれたおかげで、4vs3から試合展開が出来る。
だが、やはりピンチは訪れる。
「endm、そこの敵のシールド割った!!」
『了解です』
endmと俺が前線で敵を倒し、後ろからwartとlucusのアシストが入っていた。
まあこの敵は余裕かな?そう思っていたが、外力がやってくる。
『ん?撃たれた』
『あ、まずい!後ろからも敵来てる!!』
狙っていたのか、偶然起きてしまったのか、挟み撃ち状態。
ちょっと、いやかなりまずいか?
4vs3で優位に運んでいたものが、4vs7になったようなもの。
『俺らがなんとか足止めする!そっちを任せるぞ!』
任されてしまった。
「endm、行くか」
『ですね、』
振り返って、また正面の敵に向き合う。
出来るだけ早く片付けないと………。
『そこ行けますか?』
「行くわ、そっちの敵頼んだ」
『はい!』
endmに近い敵はもう彼女に任せよう。
俺はアサルトライフルを構えた。
敵は2体。
相変わらず俺はクラッチ要員なのか?
まあいいや、二人とも消せばいいだけ。
敵二人は、俺が1人で向かい合っていることに気が付くと急に強気になった。
片方からはサブマシンガン。
もう片方は俺との間合いを詰めてショットガンを撃つつもりか?
ちょっときついな。
だがまあ行けないこともない。
横から来るサブマシンガンをフレーム単位で避けつつ、正面の敵に銃口を向ける。
マルチタスクなんて慣れている。
まずは1人。
そしてサブマシンガンを撃ってきた敵はこのタイミングで後ろに下がったみたい。
まあもう遅いがな。
俺はショットガンに切り替えて全速力。
敵は木の裏に居るな。
そこに向かって走ると、敵はやはり待機していた。
目が合った時には、もうショットガンの銃口がこちらに向いていた。
「ま、当たらなければいいんだけどな」
俺もショットガンを向けた。
相手から飛んでくる弾を避ける。
それと同時に、相手の頭に照準を合わせて撃つ。
めちゃくちゃ難しいが、これが経験から生み出された技というやつだ。
「よし!そっちは行けるか?」
『大丈夫です!!それよりもlucus達を!』
ああそうだった。
俺は後ろを振り返る。
『blanc、後は任せて良いか?』
『ごめん、私ももう限界!』
二人ともだいぶ耐えてくれたらしい。
2vs4でここまで時間を稼いでくれたら上等だ。
「ああ、後は任せろ」
lucusとwartはここで倒されてしまった。
よく耐えてくれた。
ナイスプレイだ。
『こっちは片付きました!一旦下がりません?』
「だな」
流石に2vs4を凸るのはよろしくない。
いやまあ……1vs4で凸りまくった人居るけど。
俺らは一旦戦場から離脱。
ただ2人の蘇生はきつそうだな。
このまま2人で突っ走るしかないか……。
『まじでごめんな』
「いや大丈夫だよ。仕方のないことだ」
実際挟み撃ちなんて、対処するのは難しい。
1パーティを潰して生存しただけでも、もはや期待値超えではある。
『そうですよ、あそこの足止め凄くありがたいです』
『endm~あとは頑張って!!!』
『はい!!』
とりあえず終盤までは派手に動くのをやめるべきだ。
これでも世界大会決勝。
2vs4が簡単に通るような大会じゃない。
俺らは建物に入る。
敵からのヘイトも受けにくく、かつ安全地帯内で安定して生存できそうなところだ。
「さて、どうするか」
endmと俺でどこまで突っ走れるか、正直分からない。
少し動くだけでもリスクは常にフルカウント。
どう動いていくかというのは考えないと。
『どうする…うーん』
endmはちょっと悩んだ。
悩んだ末に出た結論は1つ。
『勝ちます、これだけです』
endmの声質からしてこれは本気だった。
ふざけてもいない、むしろ実現させようとするそのものの言葉。
じゃあそれに答えるのが相方の役目じゃないのか?
「そうか。そうだよな。行くしかないか」
大舞台、ここで俺らは覚醒する。
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【後書き】
毎日投稿が途切れてしまったのはごめんなさい!
リアルが忙しすぎて申し訳ないです…………
第6試合は2つに分けます。
実況は……たぶん書くかな?
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