第236話 初めての海外
「うわ~空気が違う!」
「いやお前には分からないだろ」
とかlucutとwartがやり取りしているのを横目に俺はヨーロッパ、舞台はフランスに足を踏み入れた。
飛行機で何時間か、ずっと寝ていたので気分は良い。
「凄いですね、これが海外……」
endmと俺は初めての海外。
色々と初体験でワクワクは依然として止まらない。
ARの人たちに連れられてバスに乗る。
まずは泊まるホテルに移動だ。
会場に入れるのは明日なので、今日はあまりすることもない。
ホテルの部屋割りは、特に変わったわけでもない。
俺とlucusで1つ、wartとendmで一部屋。
仕度をざっと終えると、夕食まで自由行動だ。
高校生4人で外を出歩くのはなかなかに危険なものなので、サポーター2人を付けてもらう。
残る時間で街並みをぶらぶらと歩いていた。
もちろんお金をユーロに変えてあるし、使えるけれど別に今買いたいものもないしなーと話しつつゆっくり歩いていた。
「何かお土産でも見に行きたいですよね」
ショッピングモール的なところに着くと、endmがそう言った。
「だなーでもどこに行けば良いか分からんな」
店が大量に並んでいる。
ちらほら日本でも見たことあるものもあるけれど、知らない店も多い。
んーゆっくり全部見てもいいがそれだと時間がな。
「あ、じゃあ私聞いてきます」
と1人でそそくさとカウンターの方まで小走りで向かっていった。
そして1,2分話すと戻ってきた。
「あっちの方にお土産を買えるようなところがたくさんあるらしいですよ!」
「endmさん英語ペラペラ…すげえ」
とサポーターもちょっと驚いていた。
別に英語が話せないわけではなくても、現地で使うというのには勇気がいる。
こういうところで発揮できるのが彼女の凄いところだな。
お土産をいくつか買いつつ、夕食はホテルで。
wartが美味しい美味しいとパクパク食べていた。
それを3人で仲良く見守っていたのは言うまでもない。
夜はAR内でスケジュールなどの確認を行った。
明日は、練習会場に足を運べるらしい。
いよいよって感じだ。
「blanc~」
そう声を掛けたのは空港でも少し話したlioさんだった。
会議が終わると、話しかけに来てくれたらしい。
「lioさんですか、どうしました?」
「さん付けいいよ。明日練習時間あるじゃん?」
「え、あ、ありますね」
一応練習時間は定められている。
と言っても結構多いので全然時間は余る気配。
「余ったらさ、1vs1やらね?」
「あ~いいっすね。やりましょ」
ちょうどいい練習相手にもなりそうだ。
俺は快く了解するとこの場を去った。
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朝早い時間、まだ起床時間にもなっていないが俺もlucusも目を覚ましていた。
特に何かこれといった話をしたわけじゃないが、双方朝に強いのは良いことだ。
その一方で、起床時間が過ぎて少しすると部屋のベルが鳴った。
「ん?あ、endmか。おはよ」
寝起きとは思えないほどに清楚らしい格好で朝から出会ったのはendm。
ただちょっと申し訳なさそうに、
「全然wartが起きないので起こしてくれませんか~」
どうやら彼女は朝に弱いらしい。
朝食を食べると、早速会場に向かった。
大会があるのは明日、なので今日は下見という感じだ。
「お~!めちゃくちゃ広い!」
大量のPC、そしてキーボードとマウスが完備されている。
観客席も思った以上に広く、なにかワクワクしてくる。
「俺らはここだってさ」
lucusに付いて行くと、俺らの場所を確認できた。
可もなく不可もなく……というかまあ良いも悪いもないか。
明日はここでプレイするのか…楽しみだな。
「明日からここか~なんだか緊張してきた!」
「ですね、まあでもいつもの環境に似ていて私は行けそうです」
場所の確認が終わると、またバスに揺られて2,30分。
「ここが練習会場か」
入るとさっきの場所に負けないばかりのPCの数。
既にたくさんの人が今練習をしている。
この人たちと戦うのか…。
中心には1つの掲示板。
英語で…えっとなになに?
「スクリムの募集とか1vs1の部屋とかあるみたいですね」
endmが横でそう言った。
スクリムか~。
そういやAR内でもスクリムとか作るらしいしな。
「楽しみですね~早速やりますか」
「そうだな」
練習時間も限られてるしやりますか。
もちろん自分たちの席は用意されている。
endmと横隣りで座ると、早速設定などをいじりはじめる。
「出来た?」
「出来ました!早速やりましょ!」
「だな!」
明日の大会に向けて練習が始まった。
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【後書き】
ちょっと素っ気ない回になったのはすまぬ。
こういう回が出来てしまうのは作者の実力不足ですごめん!
明日はちょっと面白い回になる……予定
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