世界大会編
第235話 舞台は海外へ
朝早い時間、まだ太陽も昇っていない時間から俺は家を出る準備をしていた。
というのも、世界大会が行われる会場へ向かうのが今日だからだ。
期間は約1,2週間ほどで、その間はずっとヨーロッパに居る予定だ。
もちろん学校にも言ってある。
いつも学業面で頑張っていたこともあり、文武両道を掲げている我が校ではそこまで問題もなかった。
単位的にも大丈夫で、むしろ先生からは、頑張ってこいとの一言まで付けてもらった。
「こんな感じで良いかな」
一応前々から準備は済ませてあったので確認だけだ。
横で座っているのは、凄く眠そうにしている夜音だった。
「そろそろ行くのー?」
「だな、もう時間だ。」
「私も途中まで送るよ」
と、彼女にしては珍しく駅まで付いてきてくれるらしい。
「海斗が世界ってなんだかワクワクするね」
「そうだな~何気に初海外かもな」
海外とか行く機会すらなかったしな。
こんなタイミングで行くとは昔の俺には思いもしなかっただろうな。
「あ、そうそう。私は日本から大会の解説やるんでよろしく」
「え、あ、そうなの!?」
まさかの初耳。
プリームは言うても、メジャーなVTuber。
解説くらい任されてもおかしくないか。
「うん、応援しとくね」
「ありがと」
駅まではすぐそこだった。
「夜音は1人で大丈夫か?」
「大丈夫だよ、任せて!」
彼女が1人という不安はずっと残りそうだ。
最悪春陽にでも頼ってほしいところ。
「じゃ、行ってくるわ」
「行ってらっしゃい!頑張ってきてね!」
駅で彼女とは別れた。
空港まで迎えに行くとか言ってたが、それは流石に止めた。
学校もあるしな。
電車に揺られて約1時間。
割と都会に位置していたこともあり、空港にはすぐ来れた。
「あ、お疲れ様です。blancと申します」
「こんにちは初めましてですね。どうぞこちらに」
空港で、ARチームが集合して皆で移動する流れになっている。
正直心細かったし凄くありがたい。
飛行機まではまだだいぶ時間も空いてる。
一応ARチーム自体には挨拶しているものの、選手とは全然顔合わせが出来ていない。
誰一人分からぬまま、空港探索で時間を潰していた。
戻ってくると、さっきよりも人が集まっている。
チームのサポートの方から名札を受け取った。
うん、これでだいぶ分かりやすいな。
肩から名札を掛けると、辺りを見回す。
まだ白い流星は一人も集まっていないみたい。
と言っても距離もあるし、来るのが遅くなるとは言っていた。
endmなんかは、lucus達の街のホテルで1泊してくるらしい。
じゃないと間に合わないだとか。
「えっと、blancさん、ですか?」
急に横から話しかけられた。
ちょっとびっくりしつつも相手の方を見る。
金髪で大人っぽい。
名札を見ると、
「lioさん、ですか?こんにちは」
ARの中でも随一のトッププレイヤーlio選手だった。
まさかそちらから話しかけられるとは……ちょっと緊張する。
「こんにちは、会えてよかったです。AR加入って聞いたときはびっくりしましたよ!」
「あはは、まあ僕達も入れて凄く嬉しいです。というより安心感が大きくて」
「いいね~、ARが更に強くなって嬉しいよ。」
まだまだ知らない選手も多いし、これから覚えていかないと、、、
「僕らもこれから頑張りますよ」
「頑張って、共に良い戦いにしような」
「ですね」
lioさんとグータッチを交わしつつ、入口を見ると見慣れた人が1人。
「あ、endmだ。おーい」
手を振ると、すぐに俺に気が付いてくれたようで小走りでやってくる。
後ろからはwartとlucusも続いてやってくる。
「blanc、おはようございます。」
「おはよ、どう?気分は大丈夫?」
「かなり安定してます。あの時はありがとうございました」
「いやいいよ大丈夫。」
endmは頭を下げてきた。
相変わらず律儀なところが良いよな。
別にため口でもいいけど、まあ任せるくらいにとどめておくか。
「うい~すblancおはよ」
「wartか、おはよ。lucusも」
「おう」
3人は一緒に来たらしい。
始発で新幹線に乗って飛ばしてきて、それでこの時間。
距離が遠いって大変だな。
これで全員揃ったらしい。
ゲートを渡って、いよいよ飛行機だ。
「行きますか、世界へ」
「ですね」
endmが横でニコッと笑った。
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【後書き】
章分けるか迷ったけど分けないことにしました!
同じ内容でいくつも分ける必要もないかなって。
ちなみに世界大会が終わる時点で300話くらい行ってるかもしれません()
VTuber回好きな人は、うーんたぶん出ないですごめん!
タイミング見計らって、章話じゃない別の何か考えます!
ツギクルというサイトで日間総合16位入ってましたね、ありがとうございます!
最後に、10月全部毎日投稿できましたね。
テストが重なったりてんやわんやして、苦労もしたけどやり切った感が凄いです!
11月も頑張ります(小声)
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