第230話 リミッター

3試合目。

若干世界大会に出れるかも怪しい順位の中迎えた。

このままじゃ上がれるかどうかもきわどいところ。

だからこそ、この試合で割と良い戦績を残さないと。


そう思っていたがピンチは早々にやってくる。





『敵は1パーティだけっぽいですね』


「行くか」


初動は1パーティのみ。

少し敵数がマシなところに降りて、初動を安定に抜ける作戦だ。


『ここの家に4人固まってるよ~!』


『おけ、みんなで行くか』


「そこendm頼めるか?」


『はい、そっちお願いします!』


endmが上の階を制圧しに行く。

そしてwartと俺が下の敵。

lucusはまだ物資が揃っていないのでこのタイミングで揃えて貰う。


4人で倒す方がいいが、ここは3人でも行ける。


『上倒したので下行きます』


すぐにendmはキルを取る。

そして彼女が下の階に参戦してくれるので下も簡単に終わった。

とりあえずの初動4キル。

危なげなく取れたのはやはりでかいかも。


街を制圧し終えると、wartが敵をかぎつけ、それをもとにlucusが移動する。

できるだけ有利な戦術を考えてもらった。

それは、敵を攻めていいタイミングと、攻めるべきではないタイミングを見極めてもらうためでもある。


「結構敵が近くにいるな」


『あそこのパーティ倒すか』


endmと俺が主軸となってキルを取る。

危険にならないように引き際もlucusが指示してくれる。


ここまで見れば全然余裕そうに見えるだろう。


終盤までに12キル。

たくさんキルを稼いだところで、wartとlucusは倒されてしまった。

と言っても、たくさんのヘイトを食らっていたので倒されてしまうのは当然な気がする。


ただ2人だと敵に悟られてからが本当の終わり。

1パーティがこっちに向かってきた。

そして他方向からは常に撃たれて………


『すみません!ちょっときついです!』


endmが1キルだけ残して倒された。

まずい、まずいぞ。


今からが本番っていうときに俺一人。

しかもまだ残りパーティ数は結構あるし順位ポイントもそこまでない。

キルこそは13キルだが、それだけで世界進出出来るかと言われれば首を振るのは難しい。


『頼む、頑張ってくれ』


lucusの指示はこれしかなかった。

俺の実力がすべてを握っている。


はあ、もう仕方ないか。


そういう考えも一瞬よぎってしまった。



でも俺は皆を世界に連れて行くと決めた。

だからここで諦めるなんて選択肢はなかった。



(やれるだけやってみるか)



endmに支えられて、外すことのなかったリミッター。

完全解除、つまり本気の俺でどこまで行けるか……それを俺も試してみたくなった。


「行くか……」


俺は陰から姿を現した。


敵は3人、今もなお俺の姿を探していたらしい。

だが、それが目の前に現れたとなると、銃弾が降り注いでくる。


ただそれをまず右に避けて、次の弾を右に……左に、しゃがんだり。

位置を徐々に変えて弾を避けつつ、まずはスナイパーで1キル。

近距離スナイパーも割とまだ手が劣っていないらしい。


敵二人は何か危険を察知したのか下がろうとした。

でももう遅い。


俺はサブマシンガンで追尾。

エイムも頭に全弾当てて、1キル。

残り1人はそのまま俺に背を向けていた。


スナイパーをリロードして、狙いを定めて………



これで3キル持って行った。





このゲーム楽しいな。

決勝3試合目、俺の無双劇が始まった。


--------------------------------------------------------------------

【後書き】

ギリギリ投稿出来ました!

体調もあまりよろしくないし勉強疲れが出ているのかも……


現ドラ5位ありがとうございます!

久々にここまで高い順位にたどり着けて嬉しい!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る