第229話 4人で世界を

『全員居るな~?』


『はい!』


『いますよ』


「いるようだな、全員集合だ。」


『今日は気合い入れて勝つぞ~!』


lucusが活を入れた今日は、アジア大会スクワッド部門。

4人1パーティとなって、アジア1位を賭けて争う。

そしてtop3に入れば、世界大会への進出権を得れる。


「絶対勝つぞ」


endmと俺は、もう既にデュオ部門で世界大会進出は確定している。

ただもう二人のwartとlucusは残念ながら通れなかった。

だからこのスクワッド部門では頑張って成果を残したい。


そういう気持ちがこの4人全員に積もっていた。







まずは1試合目。

準決勝からの学びを活かした結果、降りる場所を変えた。

いつも降りている場所には敵が降りてこない可能性があった。

初動でキルは稼ぎたい、じゃないと世界は本当に手が届かない。


別の街に降りると敵はたくさんいる。

初動からendmとwartのコンビが刺さりまくった。


wartの索敵と、endmのエイム力。

この二人が居れば簡単に1パーティが壊滅する。

もちろん俺とlucusも二人の合流して後ろから支援するが、あんまり意味もないご様子。


初動では8キル。

2パーティ分の撃破はかなり大きい。


「この後どうするんだっけか?」


『そうだな、とりあえずこっちに行けば敵は居ると思う。』


そうlucusがいう方向に足を運び始めた。

俺らの勢いはそう簡単に収まらない。


『あ、あの建物多分居るよ』


『分かりました。行きますね』


先制攻撃はendmから。

後ろで俺らが撃ちつつ、近距離戦は彼女に全振り。

かなりのリスクがあるように見えるが、中盤戦も変わらず彼女の独走劇。




じゃあ終盤になるとどうなるのか。

いやいや、流石に落ち着くでしょ………って思ったがそういうわけでもなかった。


『あ、あそこにも居るよ!』


『了解です!』


俺がスナイパーを駆使して1発当てたり、注意を逸らしたり……そうしてるうちにendmが到着していつの間にか1パーティを潰してる。


この勢いはどこで止まるのか、それも知らないまま無双し始めた。



結果1試合目から1位、しかも17キル。

これはもはやアジアに敵なしだろ。


とこんな感じで1試合目が終わった。



次の試合も同じように……とはならないのがアジア大会だ。


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『2試合目はどこ行きますか?』


『そうだな、打ち合わせ通り次はこっちだな』


街は3試合ともずらすというのが今回の方針だ。

というのも、街を固定にしてしまうと敵が対策してしまう。

だから対策の対策としてこの作戦を取ったらしい。


まあlucusがそう指図したらそう動く方が良いのは言わなくても分かる。


「行くか」


1試合目から間髪入れずに2試合目が始まった。



降りた街はさっきとは全然方向も違う。

初動はendmが動く。

敵が多い街も、彼女に掛かれば簡単の様で8キル。


「ないす~」


『結構調子良いかもです』


『まじか、もう少し動いても良いかもな』


俺とendmが前に出て、lucusとwartが後ろからサポート。

ただ、中盤に突然ピンチはやってきた。




俺とendmが普通に隣並んで進んでいた時、


『待って後ろ来てる!』


wartがそう声を上げて、俺らは振り返った。

だが想像以上に彼らとの距離が離れていたらしい。

その隙を突かれたのかもしれない。


俺とendmは急いで戻る。


『blanc、私たちの後ろ側にも敵が居るみたいです』


「まじかよ……」


endmが少しダメージを食らいつつ、そう伝えてくれた。

簡単に言うなら挟み撃ちだ。


もし俺らが勝てたとして、彼らは行けるか?

いや、流石に無理だと俺は思う。

wartもlucusも動きとしては十分プロだが、どちらかと言えばサポート側に技術が寄っている。

エイム力が格段に強いわけでもないので、2vs4はきつそうだ。


「これどうすればいいんだ?」


前にも敵、後ろにも敵。

どちらを優先すべきか迷った。

だがそうこうしてるうちに最悪な事態はやってくる。


『あ、ごめんなさい!やられちゃった!』


wartとlucusはここでダウン。

想定通りの最悪というやつだろうか。


『仕方ないです。blanc、こちらの敵をやりましょうか』


「だな」


とりあえず目の前の事を考えよう。

話はそれから。




と言い切りたいところだったが状況は悪化した。

敵が異常なほどに粘った。

仮にも人数不利というもの、あまりここで攻めたくないから待つしかない。


ただ待っている間に後ろから敵もやってくる。


「ちっきついな」


『これは無理ですかね……』


俺らは挟み撃ちにされ、倒された。

中盤で白い流星は早くも2試合目に姿を消した。


これは結構な痛手、全体ランキングも3位と少し落ちてしまった。

少し焦りを持つ。


ここで行けなかったらどうすればいいのか。

俺は合わせる顔がなくなる。

2試合目の度重なる判断ミスを自分で責めていたが、


『仕方ない、切り替えよう。3試合目に頑張ればいい』


とlucusが言った。

そうだ、過去に過ぎたことをここでうじうじ言っても仕方ない。

次の試合で自分を責めないようなプレイをすればいい。

それだけの話だ。


急なピンチを迎えた中で、次の3試合目。

不幸は一度で収まることはなかった。


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【後書き】

フォロー数6000超えてました!本当にありがとうございます!!!

色々な方に読んでもらえてうれしい限りです!


新作の投稿は凄く悩んでたんですけれど、おそらくしない方針で行こうと思います。

理由は単純に勉強ですかね、それに私生活もだいぶ忙しくて小説のストックすら今危ういです。

毎日投稿がいつ途切れるは分かりませんが、この小説自体を突然失踪させるわけにはいきません。


というよりも、伏線とか色々書きたいことはまだまだあるのであと1000話くらい本当に書けると思います。

書きたいことまですべてこの作品に残します。


これからもよろしくお願いします!

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