第225話 平常運転
2試合目。
流石にさっきと同じ場所に降りても敵が居ないだろうという風な話になった。
別に、それの方が初動安定出来るんじゃないか?ともなったが、
やはり初動で取れるキルポイントが無いのはもったいない。
「ということで、ここ降りるってことでいいんだな?」
『はい。行きましょう』
あまり降りたことのない街にまさかの初挑戦だ。
週に2,3回降りるくらい。
立ち回りとかムーブすらもまったく考えていない初見のようなものだ。
『どうにかなるでしょう、というかさせないといけません』
とendmは言った。
まさしくその通りだな。
世界はこんなに甘くないのでもっと頑張らないと。
「あー思ったより敵が多いけど、これ大丈夫か?」
5パーティは越えてるんじゃないか?
流石は人気街。
ただ、ここまでくると初動生き残れるか怪しいラインになってくるが。
『ここの家降りましょう、私が全力サポートするので武器下さい』
「了解」
最悪俺は避けて時間を稼げばいい。
その間に彼女が到達すればいいだけの話。
ということで武器は最優先で彼女が拾う。
余ったものを俺が拾うが、持ったのはアサルトライフル。
初動にしては少々きつめかもしれない。
近距離戦が多いからな。
「どうだ行くか?」
『ですね、横に降りているのは見ました。』
endmは家を出ると猛ダッシュで横の建物に突撃する。
足音も聞こえるし、ちゃんと2パーティが居るな。
「上か、どうするこのままいく?それとも待つか?」
『他の敵が来る前にさっさと倒します。私が前を走るので後ろからサポートお願いします』
「了解」
彼女に続いて、俺がその後ろを走る。
すぐに銃声は鳴り響き始めた。
『手前の敵は倒しました、そこのドアの奥側にもう1人居ます。』
流石は仕事が早い。
もう1人は奥か…ほぼ確実に出待ちだな。
「待ち伏せ大ありだな。俺が行くか、ショットガンだけ貸してくれ」
『良いですよ、すぐ後ろ付きます。』
彼女からショットガンを拾うとドアに向かって走り出す。
ドアをバカっと開くと、やはり真横で敵は待ち伏せ。
反射で一発、しっかり頭に当てたものの、まだ死なない。
敵は同じようにショットガンを構え、撃ってくる。
それをギリギリ身体を傾けて、すぐ敵に銃口を向けた。
これで初動まずは2キル。
無しより全然良い。
『他にも敵はまだまだ居るのでどんどん行きましょう』
「だな」
初動の猛攻はまだ止まるはずもなかった。
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『これで終わり……ですかね?』
初動で俺らが勝ち取ったキルは6。
流石にこの街に降りてきた敵全員を倒せるわけはなく、6キルという結果に落ち着いた。
それでも想定より多くて嬉しい。
「いや、まだ来るな」
終わりかと思ったら、別の敵が近づいていた。
足音的に2人。
俺らに気が付いているかと言われると微妙。
ただ、俺らが居る建物には入ってくるような気配だ。
『まずいですね、流石にちょっと危ないかもしれません。』
「だな、でももうここで太刀打ちするしかないな」
唯一の救いは少し建物が大きいこと。
家ではなく、どちらかと言えば工場のような建物で助かった。
家だと狭すぎて、すぐ袋小路になる。
『ちゃんと来てますね。どうします?倒します?』
「まあそうするしかないかな」
どちらにせよ接敵する気がしてならない。
ならば先手は俺らから撃つべき。
『じゃ行きますね』
endmの銃声で決戦の火蓋は開けられた。
『うーん、倒せなかった。でも片方は割と削れたと思います。』
「了解」
ここで倒せなくても全然良い。
とりあえずどれだけ俺らがチャンスを掴めるかがポイント。
『いや、これ攻めませんか?2vs2なら行けるかもしれませんが』
「そうだな、行くか」
迷うなら先に行動すべき。
俺らは武器を持ち替えて、一目散に走り込む。
『一人倒した、けれどもう1人は奥まで下がってるみたいですね。』
まじか、ここで逆にピンチな方を敵は選んだか。
これは行ける。
「攻め切るしかないな。」
endm一人でも狭いところなら勝てるだろ、そう思ってゆっくり進んでいたその時、
『あっ!ごめんなさい!』
「まじか、仕方ない」
先に倒されたのはendmだった。
まあそういうこともあるよね。俺はすぐに彼女に駆け寄る。
「うおっとまじか」
部屋の前にトラップが敷かれていた。
トラップ範囲内を歩くと、一定ダメージをほぼ確実に受けてしまう。
気が付けなかったendmはここで一気に削られたってわけか。
結構気が付きにくい位置に置いてるなこれ。
銃で撃って壊すと、今度こそ敵が居る部屋に入ろうとする。
「は!?いない!?」
待て、いつ移動してる?
いつの間にって感じだな。
俺は今敵がどこに居るか分からない。
けれど敵側からすれば俺が居る場所など、予測もたやすい。
そんな敵が今どこに居るのが理想的か。
「背後か!」
俺は振り向いた。
すると目が合ったのは銃口。
しかもスナイパー。
しっかり狙っていやがった。
鳴り響く銃声、流石にこれはきついか?そう思ったが諦めるわけにはいかない。
弾に当たるのはもう避けられない。
ただ出来るだけ被害を下げたい。
俺はジャンプして胴で弾を受けた。
頭なら一発アウト、でも胴ならまだチャンスを掴んだまま。
喋る余裕すらない、次当たったらいよいよまずいからだ。
取り替えたサブマシンガンを構えて撃つ、があまりきれいには当たらない。
敵はまた場所を変えたのか、一旦姿を消した。
「これ結構まずいな、どこに居るか分からない以上回復ができねえ」
回復している隙なんて突かれたら終わる。
「うわっと!?」
俺の居るところに投げ込まれたのはグレネード。
咄嗟に左方向に走って避ける。
っと、走り逃げた先にはまたトラップ。
気が付いたときには右に曲がりまっすぐ、
あれ、これ敵に誘導されてる?
早くに気が付けてよかった、俺は突然立ち止まった。
その瞬間、目の前ではグレネードの爆風がはじけ飛んでいた。
「あっぶね」
ナイス俺の勘。
敵とは割と距離が置けている。
ならば俺のフィールドってやつだ。
endmは近距離に置いて、最大限のポテンシャルを発揮する。
その一方俺は近距離戦ではあまり最高出力で動けない。
一定の距離がある方が俺のポテンシャルは輝く。
貰ったかな。
俺はスナイパーに切り替えると、
敵の弾を右に左に避ける。
あまり近づくと二の舞になるのでほどほどに、っとまた敵が身を引こうとする。
このチャンスを狙っていた。
距離の把握、弾道の補正、弾速の再計算、スコープの再調整。
今となっては慣れたこの動き、ここで逃がすわけがない。
「よし!」
8キル、ここで負けたくはないという悔しさが、しっかりキルへと繋がってくれた。
『凄すぎる!ナイス!!!!』
よしよし、ピンチはあったもののここをしっかり抜けれてよかった。
endmを起こしに行くと、そのまま終盤へもつれ込んだ。
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【後書き】
250万PV超えました~ありがとうございます!!!!
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