第213話 世界から参戦
『さてやりますか。』
「よし、ということで参加型配信やります!」
昼からは配信だ。
練習も兼ねて、まあ視聴者と絡むのもありだしなと話し合った結果だ。
ちなみにwartとlucusはこの配信に居ない。
二人は別部屋でランクを回してる。
もう少し練習がしたいらしい。
ということで今回は俺とendmの二人で配信だ。
「俺とendmのペアで参加型募集~!条件は自信がある人!」
『2vs2で、あとは2本勝負というルールくらいですかね。』
ー二人と戦えるマジ?
ーえ、行こうかな
ーいやこれ恥さらし
ー絶対勝てないわ
ーいこっかな
『お、さっそく来ました。ではやっていきましょうか』
「だな、対戦よろしく!」
さてさて、参加型のスタート…とは言ったものの、
「よし、ここでっと」
『ナイスです!』
基礎練習にしかならない。
まあ視聴者全員が大会レベルというわけでもないし、仕方がないが。
ー完全にぼっこぼこだ
ーうわぁ
ー勝てないわ
ーわんちゃんもないねこれ
ー誰が勝てんだよ
「さて、どんどんやっていくか~」
基礎練習、それも十分良い練習になる。
油断というのがもっとも危ないものだし、その結果たまに、はっとなる攻撃も飛んでくる。
『おっと、あっぶない。そっち倒せませんか?』
「了解、行くわ」
「おっけ、勝ったよ!」
『私も倒しました、ナイスです』
何戦かしたところで、少しずつ参加者が減ってきた。
ー無理だ
ー止めとこ
ー強すぎるんや
ーこんなん勝てねえよ
ー恥さらしか
ー実力思い知るだけ
ー勝てると思った俺がバカだった
ーこれ勝てねえ
『んー誰でも来て良いんですけどね』
やはり互いにプライドというものもあり、来てくれなくなってきた。
どうしようか、参加型の方向性を変えるか?
それともランクマの配信でもいいし。
「なあendm、違う企画を…」
そう言いかけた時、また参加者がやってきた。
どうせ勝てる、そういった自信は完全に貫かれた。
「え?」
『わあ!?』
ーは!?
ーんwww
ーえ?
ー来たのか
ーええ
『AQUAさん!?え、この配信に来てくれたの!?え!?』
endmでこの驚き、それも無理はない。
一応俺とはよく絡みがあったものの、だからと言って参加型来るとは思わなかった。
AQUA
【world war】ヨーロッパ1位
俺が思う中では女性プロゲーマー1位だ。
圧倒的なプレイスタイルを持っていて、
第一回世界大会では2位を取っている。
また、世界大会での1位経験ももちろんあるつよつよプレイヤーだったりする。
「まじか、AQUA来たのか」
ーひえ
ーまじか
ーここで!?
ーおもろ
ーきたああ
ー待ってた
ーついにこの戦い!?
『じゃ、やりますか。』
世界大会優勝候補と言われた2ペアがここで激突した。
「いや、でもAQUA来たのまじか」
こんな配信によく来たなーと率直に思った。
いやもちろん嬉しいんだけどね。
『ですね。私はAQUAさんと戦ったことはないのでわくわくしてます。』
「AQUAは舐めたらぼこされるから気を付けなよ~」
彼女はオールラウンダー的なプレイヤーだと言った方が分かりやすいか。
ただ、弱点や隙をあまり見せないからこそ簡単に倒せる相手でもない。
endmのエイムごり押しならわんちゃん勝てるかもしれない。
けれどこれはデュオ戦。
相方ももちろん強い。
それがZeepという方。
AQUAの完全サポートのような立ち回りで勝ち進む。
息が合っているからこそ、ヨーロッパでも頂点を取れるのだ。
ちなみにAQUAのサポート方というとZeepが単身だと弱いみたいな語弊になるが、
彼はヨーロッパtop3の常連だ、恐ろしい。
1マッチ目。
一応昔の記憶を頼りに、彼らに打てる対策はすべて取らせてもらおう。
「とりあえず、endmがAQUAと戦って。俺はZeepを止めておくから」
Zeepとは昔も何度か戦ったことがある。
そこからどれだけ、強さ、傾向、戦闘態勢が変わったのか把握しておきたい。
『了解です、前走りますね』
「おっけ行くぞ」
まずはendmがAQUAにぶつかった。
やはり彼女のエイムは刺さってくれるのか、良い感じに戦闘が進んでいる。
俺はZeepを引き付けて相手する。
「んーなるほどな」
やはり戦い方はあんまり変わっていなさそうだ。
弾を避けつつ、状況の把握。
彼は下がり気味に撃つことが多い。
それはいつでも下がって体制を立て直せるように。
っとここで、報告。
『AQUAさん倒したのでそっちに向かいます。』
少し離れていた彼女だったが無事勝ってくれたらしい。
これは大きい。
「ん?あ、まってまずいかも」
すると突然Zeepは後ろに下がった。
俺が後を追うも場所を見失う。
「そっち行ってるかも!気を付けて!」
『え?あ!』
どうやらそっちでエンカウントしたらしい。
endmはAQUAと接戦だったためHPも少なかった。
『ごめんなさい、倒されました』
「いいよ、後はやる」
さて、Zeepの元に俺が駆け付けた。
彼は俺の存在に気が付いていたようで、撃ち込んでくる。
彼と戦うのは久々だが、やはり昔と同じ思いだ。
俺の一番戦いたくない系統。
それがエイムが鋭い人間だった。
相手が移動するであろう先に弾を撃ってくる。
それをエンドレスに繋げられると流石に俺もダメージを食らい始める。
こういうやつらは短期決戦で済ませるのが良いのだが、
あいにくZeepは距離を取って戦うのがお好きなようで。
「まあ勝つしかないよなぁ」
そんなことをうだうだ考えても仕方ない。
endmよりはまだ劣っている。
というか彼女が化け物過ぎて、マシに見えてくるのだ。
そう思えてくると案外対処は容易になる。
『そろそろ弾切れだと思います!』
弾を数えてくれていた。
流石は頼りになる。
「おっけ、ありがと!」
こまめに撃ってくるからこそ、弾の数は戦闘中に把握しきれない。
ただ、ここを彼女が数えてくれていたのは非常に助かる。
そして彼女の言葉通り、彼はリロードのために下がった。
そのタイミングを俺は狙う。
「まずは1本っと」
ーつえええ
ー流石や
ー最高
ー勝つのナイスすぎん!?
ーないす!!
ー俺らのblanc&endmは止まらねええ
ーかてええ
ーそのまま勝ってくれ
ショットガンで正確に狙いを定めてまずは勝ち取った。
ただ、endmとAQUAの戦いが想像以上に拮抗してたな。
ちょっと考えないと、この後がきついな…。
そう俺の勘は感じていた。
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【後書き】
締め方が納得いかないけど、仕方ない()
カクヨムコン10月末にスタートだと思ったら11月末スタートでした…。
まあどちらにしても11月から新作出せるように頑張ります!
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