第205話 エピローグ

結果から言うならば俺らのチームは2位だった。

【world war】での活躍で一時的に1位まで登り詰めたものの、

マナの豪運を含め奇想天外な技で勝ち上がってきたものも居て、

最後まで順位が分からない面白い試合だった。


結果的には勝てなかったけれど、それでも凄く楽しい1日だった。


配信を終わらせるとぐーっと背伸びする。


ようやく終わったか。

どれだけ用意しても終わるのは一瞬、なんだか切ないような気もする。


まあでもまた明後日あたりから配信始まるし、色んな人とのコラボも決めれたし、

結果的には良かったのかな。


何はともあれ無事終わってくれて良かった。


一旦リビングでゆっくりするかぁと思って部屋のドアを開ける。


「まぁやっぱり居るよね…」


部屋から出てくるといつの間にやら座っているのは、誰でもない夜音だった。


「夜音か、おつかれさん」


『おつ~』


寝転がりながらスマホを触っていたようだ。

夜音は俺に気が付くと座り直し、横に俺がお邪魔する。


『海斗強かったね、まさかあそこまでキレイに無双するなんてね』


「あ~まあな。そういう夜音もその後のゲームで活躍してたじゃん」


『えへへ、まあね~』


実際彼女は次のゲームにも出場した。

そして圧倒的な1位をつかみ取っていったのだ。


『いやぁ~去年のアニバより断然楽しかったよ~』


「俺も楽しかったな」


blancとして活動していた時も、こういう皆でやるイベントというものに参加することもあった。

けれど、それを上回るレベルでこのイベントは面白かった。


『来年も一緒に出来るといいな~』


「まあきっとやるよ」


1年後何があるかは分からない。けれど、ここまで面白かったものに来年参加しない選択肢はほぼなかった。






この1年本当に色んなことがあったな。

考えるとキリがない。

夜音と過ごしてもう1年以上経つ。

いや、中学時代を考えればもっと経つのか?

はちゃめちゃあったし、高1のころはこの先行けるのか不安だった。

けれどVTuberという世界に踏み込んで、面白い経験も出来た。

この生活も今となっては悪くないと思っている。


「楽しかったなぁ」


感嘆とした声がふと出てきてしまった。


「ん?」


『良いでしょ今日くらい』


俺の膝の上には彼女の頭が乗った。

夜音は少しふと笑いながらも、眠そうなのか目を瞑っている。


「そうだな」


そう言ってすぐ彼女は寝てしまった。


(可愛いやつめ)


こういうところは夜音のずるいところだよなぁとか思いつつ、このまま俺も寝たのは言うまでもなかった。


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【後書き】

4.5章終わりです!

次はいよいよ5章。

大会ですよ!いい作品になるように頑張ります!!!


の前に、3章と4章の閑話を用意しようかなと思っています。


これからもよろしくお願いします!


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