第204話 HESKALアニバーサリー配信⑥

さて、今の状況を簡潔にまとめるか。


まず前方に1チーム。

そして後方に1チーム。

間に挟まれた俺。


普通に大ピンチと言ったところか。


『うわぁだいぶしんどそう~頑張れネスイ!』


ひなの応援に応えたところだが、流石に怪しい。

負けても仕方ないなくらい。



まあ勝ちに行くのがプロゲーマーたるもの。



まずは作戦1つ目。

後ろの敵と前の敵を激突させる。

いわば、2チームどうしで戦ってもらって、自分の生存率、および順位を上げる方法。


前の敵に気を付けつつ、後ろの敵を前の敵に近づけたい。


だがこれはうまくいかない。

後ろの敵の勘が強いのか、なかなかに引き付けられなかった。


「いやぁ上手く行かないもんだな」


前からの敵にも対応しつつ、となるので流石に辛くなってきた。


流石に上手くは通せないか。



ならもう俺が自ら攻めに行った方が良かったりしないか?


「いっちょやってやりますか」


1パーティ3人を全員倒すのはリスクが高い。

だからまずは1,2人を倒せばいいのだ。


「まずは前の敵からかな」


俺は真ん中。だから後ろの敵を気にする必要もあった。


「あっぶね」


後ろ3人の猛攻を耐えるのは結構きつい。

早く前の敵を終わらせないと。



まずグレネードをけん制代わりに撃つ。

すると、前3人は近くの建物に逃げてくれた。


これはラッキー。



だって後ろの敵を気にしなくて済む。


1,2人だけ倒す、そんな思考なんてもうとっくに俺の頭には無かった。

全員倒す、それしか頭にはない。


『ちょ、つよすぎん!?』


入口付近に敵が待っていてくれた。

サブマシンガンで即キル。

まあ鍛えられたエイムがあるからな。


もう1人は少し中の方に居た。

相手も俺には気が付いて攻撃してきた。


まあ当たるわけもない。


右に左に避けてショットガンを撃ち込む。


いいね、一発で頭にヒット。



これでラスト1人。


『ネスイ!たぶん残りの1人は外だよ!』


ひなの言う通り外に出ると一人の面影。


ただ、ここまでやれたのにまた外か。

後ろの敵はどうせ攻めに来ている。

これはまたしんどいなぁ……ってあれ?


「あれ、後ろの敵残り1人じゃね?」


『え、まじ!?私が倒した敵蘇生されてない!?』


ー!?

ーえ、わんちゃんある!

ー気が付いてなかったんか

ーえ、がちあるやん

ー行ける!!


「まじか、これはわんちゃん行ける」


俺は室内に戻るとスナイパーを手に取る。

サブマシンガン/スナイパー。

これで勝てる。


前の敵は俺に追われていることに気が付くと、アサルトライフルで攻撃してきた。


「いや、これは行ける」


スナイパーに弾丸が入っていることを確認しつつ

前の敵からの攻撃を1,2発かわす。

そんな攻撃は当たらない。


前の敵が一瞬身を引いた。

タイミングはここしかない。


俺はスナイパーを持ち後ろへ振り向く。

さっきから撃ってくる音から場所を予測。

高さも調整済み。

あとは直感を信じるだけ。


振り向きショット。

もはやそれはノールックショットともいえる。



これは後ろの敵の頭に深く綺麗に命中した。

だが喜ぶ暇もない。

俺はこのまま、前の敵を詰めに行く。

今1vs1になったこの瞬間が、俺にとっての唯一のチャンスだった。


敵は詰めてきてることに気が付くと5,6発ずっと撃ってくるがそれは当たるわけがない。


「決めるぞ」


敵が下がったタイミングでサブマシンガンを撃ち込む。


すぐれたエイム、この数年で鍛えられたものはやはり衰えているはずもない。

しっかり頭に必中。


ただ相手も最後に爪痕残そうと必死だ。

スナイパーに切り替えて至近距離で撃ってきた。


まあ当たるわけもない。


「俺の勝ちだ。」



画面上には勝利の文字。


見慣れた文字列、ただこの瞬間にとっての文字列は少し輝いて見えた。


『えええすごおおおお』


『え、ネスイさんすごいです!ナイスです!!』


ー!?

ーばけもん

ーはああああ???

ー流石すぎる

ーつっよい



最高のムーブを出来て凄く幸せだ。


やはりこのゲームは神ゲー…そう感じた。


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【後書き】

次がエピローグです。

少し投稿遅れてすみません!

18:00にもう一つ投稿頑張ります!


暇だったら近況ノートに星2000行ったことについて書いてあるのでどぞ

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