第203話 HESKALアニバーサリー配信⑤
『ネスイ上手すぎやあああ』
ーわかる
ーそれな
ー上手すぎる
ー一人だけ部門違う
ー大会いけえ
「いや、まあ割とやり込んでるゲームだし?」
割とどころじゃなく、人生賭けてたりするが。
ちなみにHESKALのこの運動会は、どのゲームも一発勝負。
だから油断は出来ないので全力疾走するしかない。
『だとしても上手いですよね。尊敬します。』
そんなことで尊敬しないでくれ……という本音は心の中にとどめておく。
見えた敵を片っ端からちょっかいをかけるという結構最低なムーブをかましていると
もう中盤。
ここまでくるとどの敵も物資が揃ってきているのであまり攻めに行けない。
「どうしようかな~」
『ここはいっちゃいましょうよ!先輩!』
『そうですね、先輩行きましょう』
「おう、誰が先輩じゃ」
ー草
ーわろた
ー先輩好き
ー助かるわ
ーこれでいいやん
ー間違いじゃない
ーあり
「まあでもこのままじゃ総合ポイントも微妙かー」
1つ前の競技で俺らは最下位。
ここで巻き返すなら相当のキルポイントと順位ポイントを稼がないと行けない。
詳しくは考えていないが、おそらくこのままじゃきつい。
同じチームの他パーティは結構苦戦していて、残りもあと1,2パーティとか。
おそらくこのチームの期待は俺とひなに寄せられているのでここで魅せるしかなかった。
「しゃあ行くか~!」
スイッチを切り替えた。
所詮これはHESKAL内の友好戦。
なら全力で暴れてもいいだろう。
『よし行くぞ~!あそこの敵にレッツゴーだ!!』
ここから俺とひなの惨劇を見せていくことになった。
『ここに敵居るわ~!ネスイやっちゃって』
「了解、そっちは頼んだ」
『おっけ~!やったよ』
「こっちも終わり、あそこに別パ居るから絡みにいかね?」
『いくしかねえよなあああ』
「よし行くか」
『あ、あの~』
ーさやかさん放置
ー置き去りされてる
ー可哀そうww
ーわろた
ーこいつら2人が怖すぎ
さやかさんが確認する前に敵をどんどん壊滅していく。
つまり彼女からすれば敵はどこ?私は何をすればいい?状態だった。
もちろんわざとではないし、ひなもそこまでそんなこと考えていないだろう。
まあ、ここらへんで彼女に何かしてもらうか?
そう思ったが、その前に彼女は動き出した。
『このビルにもう1パーティ居ませんか?』
俺らでビルに居た1パーティを殲滅した後彼女はそう言った。
いや、そんなはずは……
だって俺とひながここを制圧させたはずだが。
『ネスイ!そういやここ地下あるからわんちゃんそこに居るんじゃない?』
「あ、そういえば地下あったか」
俺も流石に忘れていた。
危ない。
「つまり地下か」
俺はそう思い、すぐに真下へもぐりこんだ。
「あ、居るわ」
敵は3人ひっそりと隠れていた。
まさかここに敵が来るとは相手も思っていなかったようで初速がだいぶ遅れていた。
それが俺にとっては大きく有利として働き、その後のひなも参戦したことで圧勝。
『ナイス~!やっぱネスイ最強だわ』
『す、すごい…どんどん敵が居なくなっていく』
「いや~でも今回はさやかさんが見つけてくれたおかげですよ」
wartに似た才能があるな。
あいつほどの索敵能力は無いが、それでも常人よりはあるかもしれない。
今度コラボでこのゲームやってもいいな。
この戦いにだいぶ時間がかかったな。
本格的なプロ大会というわけでもないので、残りパーティは俺ら含め3つ。
しかも安全地帯おだいぶ縮小している。
「あそこに敵がいる…え?」
『ご、ごめんなさい!』
まさかのこのタイミングでさやかさんがダウン。
あれ、どうなってる?敵と彼女との間には建物一つが挟まってるはずなんだが。
『やばい、ネスイ後ろから来てる!!!』
ひなに言われてようやく気が付いた。
今俺らが居るこの街は安全地帯の中心部。
敵がたくさん集まるところでもあったのだ。
「まじか、まずい」
流石に俺は危機感を感じた。
このままじゃ負ける…でもこの事態でどちらを優先するかというのは悩む。
ひなの方を優先しても、移動中に彼女がやられ、1vs3になる危険。
じゃあこっちの敵をと思っても場所的にも1vs3だし、最終的にはひながやられ挟み撃ちにされる可能性。
『こっちきついかも、ネスイ後は任せた~!』
ここでひながダウン。
うーんどうするか。
まあ世界王者の座を揺るがす者。
この程度で悩む必要もないか。
全員倒す。
その考えが俺の中で一つ輝いた。
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【後書き】
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