第179話 公開チート?

「うーむ」


若干移動しつつ武器を変えた。

リボルバーとスナイパー。

アサルトライフルを撃つ暇なんてないだろという判断だけだが。


それはそうとて、敵は3パーティ残っていた。

1つは山の上を陣取っている。

もう1つは近くの小屋。

そしてあと1つはその小屋の近くの家。


どこも結構きつくて、何も動けない。


「結構きついなぁ」


ー次の安全地帯で決まりそう

ーやば

ーどこも強そう

ーてか全員フルパか

ー1vs4になるのは避けたいよなー


「あっ」


急に小屋の近くで戦闘が始まった。

おそらく2つのパーティが激突したのだろうか。

まあ俺にとっては好都合だ。

山の上の敵もそっちに引き付けられる。


「今のうちに移動するしかないな」


この次にチャンスは無さそうだ。

戦闘に混じるのも少しは考えたが、人数不利はきつい。

しかも最悪3パーティから狙われるのは非常に避けたい。


「お~いいね」


次の安全地帯も表示された。

さっきまで入っていた高い山は外れ、俺の居る丘が安全地帯内に入っている。

割と好都合。

ただ、人数が1人というのはバレてそうなので、出来るだけ攻められないようにしないと。


「ん~人数は減らないか」


さっきの戦闘で1パーティ壊滅しても良かったのだが、流石にトップ帯じゃそうはいかない。

残り9人、4パーティあるうちの内訳は1-2-2-4

まあ悪くはないと言ったところか。

1vs4にはしたくないので、どうにかして4人チームを崩したいところ。


「せめて出会いたくはない……のに」


明らか4人1チームがこちらに向かってきていた。

これを真摯に迎え撃つか、一旦丘を降りてその場を譲るか。


ま、前者だろ。


「行くかぁ」


ーいやそれいくんかい

ー引けよ

ー順位上げたいのかキルポイント伸ばしたいのかどっち

ーこれ攻めるのね

ー何してんだろ

ーどうせ死ぬ


「いや~これはやりたいね」


どうせ戦うなら4人全員壊滅させたい。

他2パーティはまだ遠くにいそうだし、早めにやれば敵が増えない。


「まずは挨拶っと」


スナイパーで一発。

照準を合わせそうな敵を1人選んで抜く。

これで1キル。


3人は俺が丘に居ることに気が付くと、すぐさま体制を立て直した。


「アサルトライフル2、スナイパー1ね」


即座に彼らが持っていた銃を読み上げつつ、すぐに対応する。

初段のスナイパーは落ち着いてかわす。

落ち着く余裕はないんだが、それでも僅かな時間を冷静に利用する。


そして、スナイパーがリロードされている間に、俺も作戦を練る。



まあ、これはこうするしかないか。

アサルトライフルを丁寧に避けつつ、相手の隙を生ませる。

そしてリロード中の敵をリボルバーで一発。

照準を頭に合わせる余裕はなかったものの、たまたま当たってくれてラッキーだ。


「よしよし」


1人瀕死、あと二人がアサルトライフルで交互に撃ってくる。

ちょっとずつ避けるのが苦しくなってきた。

耐えれないわけじゃないが、他の敵が来てしまう。

だからこそ、早めに決着をつけようと焦ってしまっていた。


「まずいなぁ」


瀕死状態の敵は木の裏に隠れた。

回復中ということで、隙は割と生まれているのだが、前の敵が面倒だ。


「グレネード投げ込みてええ」


投げ込む隙が欲しいのだが、まったくもってその気配がない。



なら、強引突破ってね。

さっきから撃ってくる敵の弾道から大体の傾向を考える。

あとはそれを脳裏にまとめ、俺はグレネードの角度調整に入る。

弾を避けるのは無意識領域に、角度調整に意識を向ける。


「いけ!」


流石に全集中となると、弾を避ける方も危ういので、大体に留めておいた。

それでも、良いところにグレネードが刺さってくれてもう1人キル。

そしてアサルトライフルを撃ちまくっていた片方にもダメージが通った。


俺はリボルバーに切り替えると、敵陣に突入した。

1人は今もなお撃ってくるが、流石に1vs1は慣れている。

いつも通り、避け、敵の隙を見つけると逃がさずリボルバーで撃つ。


もし隙が生まれなくても俺が無理やり作るので問題ない。



そして、残り1人は蘇生にでも入っているのか?


まあ木の裏に隠れているのは読み切っていたので冷静に撃ち抜く。





ー?????

ー何が起きてるの

ーえ、まってこいつなに

ーチーターやろwww

ー手元加工した???

ー上手すぎる

ー手元見てもまねできねえわこれ

ーこれが世界の実力か



「ナイス!!!!」


と小さくではあるが外野からlucusの声が響いてきた。

俺は軽く親指を立ててグッドをすると、また試合に戻る。

いつの間にか戦況は1vs2

さっきのパーティはいつの間にかやられていた。


「まあ行けるか」


さっきの1vs4に比べたら2倍楽。

敵の位置もすぐに把握した。


「お~ピストル使いか」


片方はスナイパーで瞬殺。

残った1人はピストルを使っていた。


ただ、もちろんピストルに関しても対策済みだ。

若干難易度は高いが決めれると信じる。



ピストルのマガジン数は全武器共通で15

そして最低8発はないとフルHPの敵は倒せない。


つまり8発撃たれた時点で攻撃に回るそれだけだった。



「作戦勝ちかな~」



あっさりとこの作戦がはまってくれて俺の1人勝ちだ。




え、勝てたの?



ー勝ったwwww

ーなんでだよ

ー1vs4からそうはならんやろ

ー全部おかしい

ーこれがチートじゃないのがおかしい

ー人間?

ーまじかよ

ーこれをいつもやってるのまじか



「あの…blancってこんなに手元綺麗だったのにえぐいプレイするんですね」


endmが若干引きつつ笑顔でそう答えた。


「や、やべえ」


と引き全開のwartも珍しい。


「な、ないす。とりあえず次の手元の人準備するか」


lucusに関しては話をすり替えようとしている。



「なんかごめん」


俺はボソッとそう呟いた。



------------------------------------------------------------------

【後書き】

キャラ紹介がHESKALだけですがまとめ終わりそうです!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る