第177話 手元見て分かる?
「さて、始めますかぁ」
ーきたあああ
ー2回目の配信
ーおっ
ーいいねえ
ー手元まじ!?
「というわけで、今回は4人全員手元映します」
ーあつい
ー全員見たい
ー皆おかしいから気になる
ー真似してえ
「ちなみに最初はblancなんだけど、いけそう」
「まあ大丈夫」
結構緊張する。
今までのプレイスタイルを証拠に残すようなものだ。
下手なプレイが出来ない。
「じゃ早速いきましょ~」
4人1チームでランクマを始める。
今日は割と調子が良い。
わんちゃんランキングも上げれるかな?という望みも若干ある。
「私達もblancの手元見たいですね…」
「わかる!」
endmの言葉にwartが同意する一方、俺はすでに敵と対面していた。
同じ家か……
「うーむ…上かぁ」
俺の持っている武器はリボルバー。
上に居る敵はおそらくアサルトライフル。
若干不利ではあるが、倒すしかない。
「いくか」
覚悟を決めて俺は上に行く。
敵も下に俺が居ることを読んでいるだろう。
だから少し警戒気味に、
「うわっと」
想像していたよりも手前に居た。
なんとかギリギリで2,3発避けると、リボルバーをカウンターで入れる。
照準を合わせる余裕すらなかったのだが、胴体に当たってくれた。
「blancそれ勝てそうか?」
lucusが戦闘に気が付いたようだったが、
「いや、行ける」
ここは一人で押し切りたい。
「じゃあ私のところに来てください、敵が二人います」
「了解」
endmの方に応援に行った。
俺の方も決着を付けよう。
リボルバーを構えつつ、また階段を上る。
「よし!読み通り!」
敵はさっきと少しだけ位置をずらしていた。
けれどそれは想定内だったので大丈夫。
弾を何発か避けて、
「ここ!」
俺も反撃。
これで1キルだ。
ー?
ーまってなにしてるの?
ーマウスの動きなんか知らないんだけど
ーこんなマウスって綺麗に動く?
ーキーボード静かなのに操作多いの凄い
「そっち行けそう?」
「あ、はい倒しましたよ」
ここで3キル。
1チーム4人なので、あと一人。
「あ、居たよ~、倒しとく!」
wartが見つけたので彼女に任せようか。
俺は家を出て、違うところを漁りに行く。
「ふぁ!?」
間一髪スナイパー弾を避けた。
方向は山方面。
よく見ると敵が居るような気がする。
いやよく避けたな。
「山の方に1パーティ居る」
「どうしましょう……」
endmはいつの間にか俺と合流していた。
lucusはwartの応援に行ったので来ていない。
「そうだな…距離も微妙だしな」
今攻めに行ったところで、距離がある。
ここで攻めるのは無謀か。
「そうですね、辞めときましょうか」
endmはそう言って後ろを振り返った。
「こっちにいる敵は倒していいんですね」
「え?」
彼女の言葉に思わず振り返る。
敵が3人、こっちを向いていた。
2vs3の交戦が始まった。
「いや、まじかよ」
俺は急いで近くの岩に隠れる。
endmも別の場所に下がる。
「いつ気が付いた?」
「いや、今この瞬間足音が聞こえたので」
ー色々やばい
ーおもろすぎる
ーなんだこれ
ーえぐ
ー後ろ居たのか
ー気が付かなかった。
「そっち行けるか?俺らはもう少しかかりそうだが」
lucusとwartは結構苦戦しているようだ。
「分かった、後から来てくれ」
3人しか見当たらないが、あと一人居るはずだ。
というか山側も警戒しないとな。
「ここは危険だな…下がるべきか?」
「それはそうなんですけど、下がるタイミングが無いです!」
まあ確かに。
前に3人、ただあと1人いると仮定して4人。
後ろにも1人居る。
wartとlucusはまだこっちに来れない。
「あれ、これやばくね?」
ようやく状況を理解した。
「まあ、がんばりましょう」
俺はリボルバーとアサルトライフルしかない。
endmを見るに、彼女はスナイパーとアサルトライフル。
近距離が無いのが少し痛い。
「endm、後ろのやつ撃てるか?」
「ちょっとやってみます」
「おけ、その間に前の敵と戦うわ。」
1vs3なんて緊張するが、やるしかないだろう。
俺は前に出た。
その瞬間猛攻を浴びる。
「やっべ」
3人相手に、隙を作りたくはない。
だからこそ避け続けるのだが、それこそ反撃も出来ない。
近づくと当たるリスクも増えるというもので、どうにもできないのだ。
「あ、」
急に閃いた。
「こうすればいいのか!」
もはや照準なんて要らない。
立ち止まらず、走りながらアサルトライフルを撃ち続ければ行けるんじゃないか?
それこそ高度なエイム力が必要だが、最近調子いいし行ける?
「よしよし」
弾がちょくちょく当たる。
すると敵も少しずつ下がってくれて嬉しい。
だが、俺も完全に避けれないのでちょっとずつダメージを食らう。
結構ダメージ量も広がってきた。
俺も下がらないとまずい。
だが、ここで下がると一気に敵に押し切られる。
どうしようか…
そう悩んでいたその時
「ん?」
敵が1人やられる。
そして他二人が急に下がった。
「行きましょう!」
後ろからendmが走ってくる。
どうやら後ろの敵を片付けたらしい。
「ちょっと苦戦しましたが、相手も戦いに乗ってくれて楽でした。」
と淡々と答えるが、やっていることは相当やばい。
ーまじかよ
ーここで倒してんのやば
ーお~
ー一気にあつい
ー戦況傾いたな
俺はさっと回復を済ませた。
その間にendmは敵陣に突っ込んでいる。
「左側に行った敵をお任せします」
「了解」
彼女は右側で、敵を倒しに行く。
俺は彼女を信じて、反対側に行く。
「うーん、上手いな」
良いところにアサルトライフルを撃ってくる。
まあ、当たらないんですが。
「よし倒した!」
「私も倒しました!」
ー普通におかしい
ー2vs4……?
ーやばすぎ
ー冷静に考えてやってることやばいのよな
ー感覚麻痺してきた
ー手元おかしいなぁ
ーマウス微操作えぐい
ーてか手が綺麗
ーそれな
「そっちはどうだ?」
「倒したよ~」
「ないすです!別の場所に行きましょう」
手元が本当にこれでいいのか不安だが、心配しても仕方ないか。
このまま先に進もう。
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