第174話 革命
「あっぶね」
相変わらずendmのエイムが鋭い。
俺が避けようとしたその先に弾が飛んでくる。
ただ、避けれないわけではない。
一応針の穴に通すくらいのタイミングでなんとかなる。
一歩間違えれば、どんどんHPが削れていくので注意しないとな。
「いや~これどうしよ」
このまま攻めに行く、という案は1マッチ目で消えた。
そもそも、近距離戦になると不利になりやすくなるのは承知の上。
それでも勝てなかったということは攻め方も変えるべきだった
「うーん」
少し体を出せばすぐ狙われる。
一応スナイパーで対抗しているのだが、敵の下がるスピードも速くどうにもならない。
「逆行くか…」
このままじゃ埒が明かない。
だから、endmが狙い撃つ瞬間に俺は下がって今いる左地点とは逆方向に行く。
右地点は割と障害物が少ない。
だからこそこの場でどう立ち回りを展開していくが大事なのだ。
「まあ来るよね」
足音を聞いてここで来ないわけがない。
だが、動いている足音がどこを向かっているのか聞こえない。
聞こえないというよりは聞き分けられない。
「え?どこ?」
前か後ろか、
俺はすぐに反応できるようにリボルバーに変える。
「っっ!」
俺が反応する前に、彼女が攻撃してきた。
場所は後ろ。
だが、想像していた位置ではなく照準を合わせるのに時間がかかった。
その間に彼女はスナイパーを胴体に入れてきた。
「やば」
アサルトライフルに切り替えていた。
俺は下がりながらリボルバーを頭に入れる。
「あれ?」
なんか俺の調子が悪い?
今のは絶対頭に当たったと思った。
だが、とりあえず下がることが優先。
このままアサルトライフルを当てられたらすぐに死んでしまう。
彼女からの銃声が止まったタイミングで俺は前に出る。
「あっ」
リボルバーを容赦なく頭に当てた。
だがそれでもまだHPは耐える。
そして、当の本人はスナイパーをこっちに向けていた。
それは、まるで獲物を仕留めるように。
ここで下がる時間は無かった。
避ける時間もないほどに、彼女は素早く撃ったのだ。
「くっそ」
勝ったのはendm。
まさかの0-2だった。
ーうおおおお
ーきたああ
ー熱い!!!
ーすご!!!!
ーやばい
ーえぐい
「やった!」
endmが少し小さくガッツポーズをしていた。
彼女が思っていた以上に上手くなっていた。
「いや~どっちもいい戦いだったけど、やっぱりendmの方が1枚上手だったね~」
wartの言うとおりだったな。
それにしても、あれはなんだったんだ?
「そういや、endmえぐいプレイしてなかった?」
「blancどういうこと?」
lucusは気が付いていない。
それはおろか、wartですら気が付いていない。
コメント欄を見ても気が付いている人がほぼ居ない。
2,3人だけ何か勘づいている人が居る。
「blancは流石ですね。割とできていないように思えたんですが」
endmは少し嬉しそうに俺の方を向いた。
「blancの真似をしてみました。」
「は?」
ー????
ーえ?
ー?
ーなに?
ーは?
「blancの手元動画、見て研究してたんですけど実践するタイミングが無くて。」
先に俺から言っておくか。
まず何が起きてるか気が付いてない人が多いだろうし、
「あの、まあ俺から説明するなら…」
「endmは弾を避けました」
ー????
ー???
ー?
ーん?
ーはい?
ーどゆこと!?
ーは?
ー?
「いや、やっぱりそうだったか。」
「はい、と言っても流石に絶対避けれるわけではないですし、避けると次の動きが若干鈍るんですよね」
少し恥ずかしそうではあったが、声から聴くに自信は持っている。
まあまさかこれ出来る人なんて居たんだな。
「まじか…」
「endmまで…なんで出来るの」
ー本当に何が起きてる?
ー二人とも引いてるよ((
ー歴史変わってる
ーえ?
ー世界大会やらなくてもいいんじゃない?
ー人外増やすなー
ーendmとblancえぐすぎ
ーはよこいつらのデュオ見たい
「まあ流石に実践で使えるまでには上手くないんですが、」
「いやいや、お前は何を言ってるんだ?wartと俺は衝撃を隠せないんだが」
「人外が二人になっちゃった…」
「一回普通にランク回そ、」
この空気を一旦変えたい。
ただ彼女に悔しさも宿っていたのだが、単純にもっと練習しないと皆に追い付かれる不安が出てきた。
下位互換とはいえ、同じ人が出てきたことは事実だ。
いつか俺が特別じゃなくなる可能性すらある。
「やばいな…」
流石に危機感を持ち始めた。
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【後書き】
次配信回じゃないです!
テスト終わり!毎日投稿頑張る!
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