第173話 最強はどっち?
「おっけ~」
何連勝?まあ大体3回目くらいか?
他3人が買い出しに行ったっきり俺はずっとやっていた。
もちろん全勝。
結構キルペースもいい。
ただ命中率意識は難しくて、1マッチ目くらいのスコアは出なかった。
「順位も結構上がったな」
いつの間にか順位は80位。
高順位大量キルをすることで、たった3マッチでも案外上がるものなんだな。
「っと次のマッチどうしようかな」
ーやばすぎ
ーこいつ何
ーお前ら……これピストル縛りだぞ?
ーあ忘れてた
ーそういやピストル縛りだったわww
ーこれで全力じゃないま?
ーええ
まだ帰ってこないなら……っと思ったと同時に部屋のドアが開いた。
「たっだいま~!」
wartが元気よく飛び出してくる。
後ろからははっと笑ったlucus、そして何か言いたげな顔をしているendmが居た。
「おかえり!垢戻ってきたから配信してるぞ~」
「りょーかい。垢戻ってきて良かったね」
「夜の企画用に別垢作る必要なかったか。それは良かった」
二人は和気あいあいとしながら、席に座った。
どうやら買った材料とかはお手伝いさんに任せたらしい。
良いな、お手伝いさんって。
そして、endmはずっと入口で立ちすくんでいる。
「endmどうした?」
lucusがすっと聞く。
彼女は数秒黙って、スマホ画面を見せてくる。
「命中率抜かれた…」
ちょっと泣きそうなendmが可愛いように見えたのは俺だけじゃないはず……。
「え、なんで泣いてるの!?」
ー何が起きてるwww
ー命中率抜かれたとか言ってなかった
ーあ、
ーあ
ー誰かさんが
ーあーあ
ーこれは泣かせた
ー許せん
ー流石にかわいそう
ーこれ許したらダメ
ー一旦BANされとく?
「え!?blanc命中率1位!?しかも4000!?」
「は?」
wartもlucusもまだ知らなかったようだ。
二人とも何が起こったのか理解できないような感じ。
endmは理解したが受け入れたくないようだった。
「えっと…その」
ピストル縛りとか言えない。
こんなとこで縛りプレイしてたとか。
「しかもblancはピストル縛りで4000出したんですよ…泣きたいです」
いや、知られていた。
endmはしょんぼりしていた。
この状況どうすればいいんだ?
「なんか、ごめん…とりあえずやる?」
「一つだけ頼みがあります。私、blancと1vs1勝負をしたいです」
ー!?
ーわ
ーきたあああ
ーうおおお
ーここで!?
ー熱すぎ
ー来ました
ーこれやばい
ーendm泣きかけなのかわよい
ーこれはendm応援
ーendm頑張れ
ーblanc負けろ
ーどうせblanc命中率なんてたまたまだろ
ーいやblanc側誰一人いなくて草
「え、endm本当に大丈夫…?もしこれで負けたら…」
「勝ちます。絶対に」
「blanc、どうする?」
何も迷う必要はない。
もうすでに答えは出ているのだ。
「やるか、1vs1」
前の1vs1はあくまでマッチ中。
だが今回は1vs1専用の特別フィールド。
しかもendmと俺しか居ない。
行くか。
絶対勝ってやる。
「私とlucusは実況兼解説やりまーす!」
「もちろんボイチャは切って邪魔にならないようにはするよ」
ーやばい
ーもう実質真の最強決める
ーあつい
ーこの二人が今輝いてる
ー同接やばくね
ー8万!?
ーいやえぐい
ーただのゲーム配信で出る数じゃねえ
ーコメ流れ過ぎ
ーやば
「さてやるか…」
「はい、2本先取で良いですよね」
「ああ」
3本先取にしようという案もあったが、こんな突発企画に時間を割いてられない。
それにもう配信を切る時間が迫っている。
だから仕方ないが2本先取となった。
「私がルール確認を行いまーす」
やけに絶好調な高い声が響いてくる。
使用武器は自由。
ただ、使用アイテムはグレネードのみ。
個数は毎ラウンドごとに更新され、1ラウンド3つまで
そして回復は無し、安全地帯はもちろん収縮していく。
ルールはこれくらいか。
「じゃ行きますよ~!」
「3」
「2」
「1」
「スタート!!」
ースタート!
ースタート
ースタート!
ーきたあ
ー始まった!
ー来たぞ!
ーいけえ
ーどっちも頑張れ!!
スタートという合図とともに、俺は動き出す。
フィールドは円の形。
俺はスタートと同時に左側に走り出す。
これはendmが癖で右側に走り出すことを読んで、真っ先に接敵しようと考えた。
「やっぱりな」
一応これでも何年かは一緒にやってる身だ。
チームメンバーの動きくらい読める。
「ほい、」
今回の武器はスナイパーとリボルバー。
相手はエイムが良いからこそ、身体を出しての勝負はやめるべき。
それよりも、一発で高いダメを出し続ける方が勝てる。
「あぶね」
相手はスナイパーとアサルトライフルだろうか。
スナイパーは割とすれすれを引いてくる。
「いや、これはこうだな。」
endmが一瞬身を乗り出した。
射線はばっちり。
先の動きを読んだ。
ここは……右か!
右と左に動ける局面。
大体の確率で彼女は右側に避ける。
たまに左側だからこそ、若干の運ゲー感があるが気にしない。
「よし!」
流石に頭を狙うほどの時間は無かった。
けれどこれでHPを半分持って行けた。
「いや~結構良いところ突くな」
流石に彼女も、なぜ読まれてるのか気が付き始めた?
全然身体を出さなくなった。
出しても一瞬、スナイパーを撃ちに行くだけ。
スナイパーを当てる時間すらない。
「いや~これどうしよ」
リボルバーもあるし、少し近づくのも手か?
このまま戦闘が拮抗しても仕方がない。
endmが身体を引いた瞬間、勝負に出た。
まずは物影に隠れつつ、回っていく。
ただ、endmも移動に気が付いているか何かアクションをしている。
角は注意しつつ、移動。
ふと足音が鮮明に聞こえた。
「この奥側だな……」
これはほぼ確信。
ただ、これ打ち勝てるか?
いや勝てる。
相手はHP半分だけ。
スナイパーを胴体に当てれば俺の勝ちだ。
行け!
まずは体を出す。
と同時に彼女も少し体を乗り出した。
「行ける!」
まずは彼女のスナイパーを避けた。
これでほぼ勝てる。
少し落ち着いてスナイパーの引き金を引いた。
「は?」
弾を避けられた。
そんな感覚がした。
そして呆気にされているのもつかの間、endmのアサルト攻撃はすべて頭に集中されて。
先に一本を取ったのはendmだった。
「よし!」
珍しく嬉しい声を出した彼女とは反対に、俺は困惑が止まらない。
今のはたまたまで避けたんじゃない。
「やばー!めっちゃ良い戦い!」
ーendmエイムよすぎ!
ーうま!
ーここでendm取ったか
ーお~
ーいいね
ーblancも負けんなよ~
ただ、誰一人指摘している人は居なかった。
たまたま?俺の勘違い?
いやそうと信じるしかない。
まさか……ね?
「さて、もう一試合行きますか~!」
気を取り直して2マッチ目。
嫌な予感は既にしていたのだ。
------------------------------------------------------------------------
【後書き】
テスト頑張ってます(現在進行形)
あとカクヨム甲子園は出しません!
詳しくはざっとTwitterに載せときました。
暇なら見といてくださいな
星1500到達しました!
ありがとうございます!!!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます