第171話 ちょっと仕切り直し

「ごめん!!!!」


「いやいや、あれはblancが悪いわけじゃないよ~」


「そうだぞ?お前が上手すぎただけで悪いわけじゃない」


「まあさておき、どうします~?」


一応配信は放置。

今から何するか話し合おうということでだ。


誤BANなんて滅多に無いからこそすでにトレンド入りしている。

出来れば夕方までには復帰したいなと思いつつ運営には問い合わせた。


「どうする?まあ一応ゲームのレパートリーはあるんだが」


とlucusがざっとスマホ画面を差し出した。

どれもまあ微妙というか…と思ったが一つ良いのがあるな。


「まあじゃあこれやるしかないよな?」


「blancならこれを選ぶでしょうと私は思っていましたよ」


endmは少々呆れつつ、でも少し楽しみそうにそう言った。


「じゃあやるか」



俺たちは席に着いて、マイクを付けた。







「ほい、ただいま!」


ーおかえり!

ーお、

ー戻ってきた

ーきた

ーどうなった?


「ちょっと俺の垢は戻すのに時間かかりそうだし、今は他ゲーやるかな。」


「というわけでじゃじゃーん!」




【AFG】





ー知ってたww

ーそうだよな

ーそうだと思った

ー知ってた

ーだよね~


「というわけなんだけど、lucusとendmは一応初めて?」


「そうだな。」


「そうですね……」



「俺も垢作り直していい?」


「なんで!?」


ーいやまあ……

ー聖魔2人は要らん()

ーblancは絶対違うやつの方が良い

ー戦士やれ!!!

ー戦士頼む


「戦士やるかぁ」


「うわ取られた!」


「あ、lucusごめん、代わろうか?」


なんなら最悪聖魔でもいいが。


「いや、blancに譲る。俺は忍者でもやるかな」


ーまたトリッキーなものをw

ー草

ー忍者わろた

ーうん知ってた

ー好きそうだもんね


「じゃあ私は魔法使いで行きます」


と4人の役職が再び集まった。


一応配信では俺の画面を流すらしい。

正直誰でもよかったのだが、俺の画面ということでちょっとは魅せたいな。


「戦士って結構足早いんだな」


「そうだよ~見てみて、」


wartが呼ばれた方に目を向けると、彼女はなんかすごい強そうになってた。


「あれ、wartってこんなやってたの?」


プレイヤーレベルもだいぶ高い。

結構裏でやり込んでたのか?


「いや~みなに教えてもらってさ~」


「あいつか」


アタッカー型聖魔はもういいだろ

あいつだけおかしいんだよ。


「あの方はちょっとおかしいですもんね……」


とか呟いたエイム命中率100%の人間。


「とりあえず~二人ともレベル低いからやっぱりレベル統一系がいいよね」


「まあそうだな」


正直それしかクエストやったことないとかは言わないでおこう。

まあAFGが割と初心者から上級者でも皆で楽しめるゲームだ。

だからこそこういうのもいっぱいあるのがありがたい。


「じゃこれで~」


また俺が知らないダンジョンを発掘してきた。

レベルはもちろん統一。

ボスがどんなやつかは知らないが、まあwartの成長も加えて行ってみるか。


「では行きますか」


endmが最後に準備OKを押してスタートだ。







特に目立って何かがあるわけでもないダンジョン。

ただ、強いて言うならwartがアタッカーを目指している感が否めなかった。

現に雑魚敵がどんどん彼女によって潰れていく。


endmも後ろから後方射撃。

俺も横に並んで撃つ。

wartは本来ヒーラーであるが、前に突っ込んでいる。


lucusは罠を貼ったりして、明らかに特殊アタッカーだった。



パーティの上から見れば普通。

ただ中を覗くとただのカオスだった。

endmはもはや一発屋に切り替えて敵を倒している。


「あ、ちょっと強そう……」


と思ったのもつかの間。

彼らのよくわかんない攻撃にして一瞬で消え去った。

あれ、俺の番は?



「あ、もうボスだ。」



あれ、こんなにボス到着って早かったっけ?とか思っているがまあ気のせいか。


ボスは地面から登場してきた。

6本の首を持つ蛇。

いや、厳密には違うんだろうが今はそう表現しておこう。


「じゃ私が右からやっていくんで、wartは左から!」


「りょーかい。」


と女子二人が殲滅が始まる。

俺は後ろで攻撃するチャンスを伺っているのだが何もできない。


lucusはまたトラップを設置して、ボスの行動範囲を狭めている。

下手に攻撃するとトラップに当たる気がして何もできない。


「見てみて~!」


wartが自信満々にそう言ったので見てみる。


「ファイアーバロウズ!」


彼女の聖魔は変形し炎の羽へと切り替わる。

そして、両手剣に持ち替わってる。


あれ聖魔ってなんだっけ。



「おりゃあ」


wartが攻撃するごとにHPがみるみる下がっていく。

そして、このタイミングでlucusのトラップに引っかかった。


この3人の猛攻でボスは必殺を撃つまでもなくやられていく。


あれ、俺は?




「ナイス~」


「楽しいなこのゲーム。」


「そうですね。blancの垢が戻るまではこれでもいいかもしれません」


「よしじゃあ次は…」


ーblanc存在消された?

ーあいつなんもしてないの笑うww

ー草

ーがちおもろい

ー突っ立ってたら終わってたwww

ー3人がおかしんだよな

ー適応能力やばい



「おい俺を忘れるなあああ」


流石にちょっと大きな声になっちゃった。

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