第169話 オフ4人、でもやることは一緒
「いやあ、四人集まったけど結局はこれだな~」
wartが感嘆している。
いや、それはここに居る全員が同じ気持ちだ。
この4人が集まるのは凄い珍しくて楽しいことなんだが、やっぱりゲームするのも楽しい。
オフで会ったのにゲームかよっていうコメントもあるが俺らはこれが人生だしな。
「どうだ?そっちは」
「いや、私のところは居ませんね。」
「じゃあ私はこっち行く!」
なんやかんやで今回してるのはランクマ。
しかも今回はとあるルールを設けた。
それが、全員バラバラに降りることだった。
まあ、経緯はこうだ。
「なんか普通にやっても面白くないよね~」
「そうだな。でもじゃあ何するんだ?」
ー何するwww
ーランクマやるんじゃないの?
ーランクやれええ
ー縛り?
ーバラバラ降りで1位取る
「あ、それいいな。バラバラ降りってなかなかやる機会ないしな。」
と俺がぽろっと見つけたのだった。
即興ルーレットで降りるところを決める。
もちろん合流は〇。
ただ、合流しようとすると敵とのマッチ率が上がる。
しかも1vs4。
立ち回りを重視してどう戦うか、結構楽しみだった。
「blancそっちはどうだ?」
「ん?ああ、普通だよ。敵も居ない。」
今回ルーレットで決まった場所は俺だけ離れていた。
lucusとwartは隣り合う街。
endmもその近くに位置していた。
「さてと、え?」
あぶねえ。
急にスナイパー弾が飛んできた。
方向は俺の後ろ側。
若干厄介だ。
しかも4人パーティと見ていいだろう。
これは流石に戦場から下がりたい。
「どうした~?」
「いや、なんとも」
ないわけない。
後ろからの攻撃となると、避けることに必死になる。
すると必然と下がるスピードが遅くなり、敵との距離も詰められる。
割と時間の問題だ。
「いや~これどうっすっかな~」
敵のアサルトライフルが非常に厄介だ。
そしてその中を切り裂いてくるスナイパー弾が怖い。
当たればほぼHP半分持っていかれる。
頭に当たればそこで終わりだ。
しかも俺だけ離れているからこそ、ここで死んだら蘇生は無理だろう。
まあ一つだけ凄い無茶な方法があったりする。
ただ、これに関しては出来る出来ないというより、もはや願うの方が高い。
俺の経験上エイムというのは独自の傾向上に現れる。
つまり、外れ値が出ない限り、その傾向を予測し回避できる。
俺の場合は、その傾向と見た時の反射で避けている。
だが今回考えたのは、傾向だけで避ける。ということだ。
「いや、まあやるしかないんだよね」
これ以外回避方法が出ない。
4人相手でも良いのだが、他パーティを誘い出したら本末転倒。
しかも敵の方が位置も人数も有利。
つまりこっちの方がまだ助かる。
最低限当たるのは考慮。
ただ、その許容はしっかり頭に入れておく。
最悪カウンターで無理やり突撃してやるさ。
数秒の乱射攻撃。
1人1人の傾向を読み取っていく。
その集中はもはや音すら遮断されるほどだ。
次のスナイパー弾が飛んできた瞬間、この作戦は実行された。
俺はマウスを急激に動かして振り向いた。
後は走るだけ。
毎度、一番助かる可能性の高いルートを選ぶ。
余計な事なんて考えるな。
まずは1発食らった。
まだ大丈夫だ。
そろそろスナイパー弾が飛んでくる。
これに関してはしっかり避けないといけない。
だが、相手は予測して撃ってくるので、不意な移動には対策されていないだろう。
「よし」
とりあえず避けた。
ただ、猛攻は止まらない。
スナイパーを避けれたとしても、油断していいわけではない。
塵も積もれば山となる。
2発目を食らった。
まだいける。
最終目的地点まで、あと10m。
ざっと時間に表すと2秒くらいか。
行ける!
3人のアサルトの猛攻をかいくぐり、最後にスナイパー弾を避けた。
そして、目的地である街の家に到着する。
家に入る直前せめてものカウンターとしてスナイパーをスコープ無しで撃った。
狙う時間が無かっただけだが。
スコープ無しで撃つなどほぼ運ゲー。
だからやけくそなのだが、
「は????????」
「blanc~どうした~?」
俺はちょっとしたこの無双気分を落ち着かせるために一度深呼吸した。
「スコープ無しで頭に当たった。しかも100mくらい離れてる敵に」
ー????????
ーまってやばいこいつ
ーは???
ーえ?
ーこいつやってることやばくね
ー人間超えた
ーなにしたの???
ー待って今の数10秒やばくね
ーはい??????
ーこいつやばいよ
ーは?
ーはああああああ?
ー当たるのまじ?
ーやばい
「まあこんなもんか」
弾が当たった件は置いといて、思ったより出来そうだな。
これはもっと面白いことになりそう
そんな予感がした。
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【後書き】
また投稿空けてごめんなさい!!!!!!!!
構想はもとから決まってたんですけど全然手が付かなくて……
いいねこの無双。
我ながらに書いてて気持ちいいよ。
まあ、こんな人間リアルに居たら引くけどね。
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