第163話 練習配信⑦
白い流星3人をキルできてなんとなく満足していた矢先。
「ちょっとやばいやつに絡まったなぁ」
俺は目の前の敵に苦戦していた。
さっきまでの数の戦闘に対して、相手は1体だ。
だがやけに強い。
「いやぁ、それも当たらないか」
色々とグレネードを投げたり試行錯誤しているのだが、すべて当たらない。
まるで俺の特徴を見据えている。
「え~これも!?」
頭を出すタイミングですぐリボルバーを撃つのだが、当たらない。
俺のエイムは確かに合っているはずなので、相手がすぐに避けているのだろうか。
「お~まじか」
俺がまた一発外したタイミングで敵が出てくる。
まさかのピストル持ちだった。
「ピストル!?」
ーピストル使いまじか
ーそういやそんな奴いたな
ーいや流石にないだろ
ー海外勢だったらおもろい
ーこれほぼ確定だろw
割とピストルはDPSが高い。
そしてこのゲームの場合、ピストルは不規則に放つことが出来る。
おかげでだいぶ避けずらい。
完全に俺対策だなこれ。
そして俺がリボルバーを撃てるようになると、すぐに彼は隠れる。
おかげで、戦況は全く進まない。
そしてそのおかげで、少しずつ敵が集まっていく。
「これはだりい」
この状況で敵が増えてもなぁとか思っていると、
「え!?」
結構距離があったはずなのに、ピストルでキルされた敵が居た。
銃声は凄く近い。
まさかだいぶ離れた距離からピストルの弾を当てれるのか。
「ピストル使いだなこれ……」
どれだけエイムを熟練しても、ピストルだけは難易度が高い。
弾が小さく、照準も小さい。
敵を視認したところでそこに弾を当てられるのかというと非常に難問だ。
endmでさえ、結構苦戦して練習に励んでいた気がする。
「うわぁ」
周りの敵がどんどんやられていく。
ピストルってこんなに強いっけと思わせるほどの器用なピストル使いだ。
「ふぁ!?」
そして油断をするとこっちにも攻撃が飛んでくる。
間一髪ギリギリ耐えたが時間の問題だ。
ちょっとだけ攻めてみるか。
俺はあえて、顔を出した。
予想通り攻撃が飛んでくる。
一発一発避けていきたかったのだが……
「そうか……ピストルは自分で撃つタイミング変えれるもんな」
今までよりいっそう、相手の弾を見ないといけない。
それは軌道だけではなく、弾があるかどうかも。
「よっと」
敵はピストルでガンガン撃ってくる。
それを俺はなんとか避けるのだが、やはり不規則攻撃に引っ掛かり弾が当たる。
これは痛いな……。
この大人数の中で、ダメージを食らうのは痛い。
ー上手すぎる
ーなにこれ
ーうっま
ーやば
ーblancに弾当ててる!!!
ーいけ!!!
「っと、うわ!?」
とりあえずでピストルの弾に集中していた。
だが急に弾速が変わり、銃声音も変わった。
「これは…リボルバー!?」
ピストル使いはやはり大半がリボルバーを握ってる。
この説は案外正しいんじゃないか?とか思いつつ対応する。
ピストルとリボルバーの乱射攻撃。
これはいつ敵が割り込んでもおかしくない。
「ほら…」
急にスナイパーが飛んでくる。
俺の視界内だったからこそ弾を避けれたが、次は無いかもしれない。
「さっさと決着をつけないと」
リスクがでかすぎる。
これはもうやるしかない。
俺にもリボルバーがある。
俺が避けてから、次の弾を避けるまで僅かな時間がある。
その隙を俺は突く。
敵も俺が攻撃していないことに油断している。
「よっと」
まずは頭に一発だ。
流石に敵も下がった。
何度も言おう。
「それが隙だっ」
後ろ姿を俺の前で見せてもこうなるだけだ。
ーお~まじか
ーいやこれ勝つの
ー絶対負けると思ってた
ーはぁ?
ー誰か止めろ。もう無理だ
キル相手はlarvaという方
どこかで聞いたことがある気がしないわけでもない。
「larvaさん…誰だっけ」
ー最強の一人
ーピストル最強
ーやっぱこの人じゃねえか
ー優勝経験者じゃね?
ーこの人で無理か
ーじゃあもう誰も勝て無くね?
「てか人数もう居ないじゃん」
俺らを攻めに来た敵は全員larvaさんがキルし、また他でも戦闘が起きていたようで、
まさかの残り4人。
1vs3と思った方が良いか?
ーさっきからキルログで流れてた人らか
ーあっ
ーいやこれはblanc負ける
ー流石にこれは負けて良い
ーこれ勝ったらもう世界1位
ー視聴者組が片っ端からあいつらにやられてた
ーさてさて
ー観戦見てたけどあいつらが残ってるんだと思う
ーこの戦いが見たかった
「あ~あれかぁ」
さっきスナイパーが撃たれたあたりを見ると3人組が固まっていた。
「最終決戦かなー」
気を引き締めて、俺は少しずつ前へ詰めていった。
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