第162話 練習配信⑥

さてさて、やっていきますか。

チーム戦にしたらいいやんとかいうコメントには目を瞑っておこう。


「じゃあやりますぞー」


ー裏でえげつない話し合いされてた

ーバケモン多いらしいよ

ー多分ヤバイ

ーtopランカーが話し合ってた

ー倒し方話し合ってんの一番おもろい


「いきまーす」


さて、チーミングあり。ゴースティングあり。

チート以外ならなんでもありのカスタムマッチが始まった。





「うんうん。そうだよね~」


さてさて、初動はというと…。


「半分くらいココだねこれ」


50/100はここに居るんじゃないか?ってくらいの人の量だ。

もはや1つの家に何人入るんだよとか思ったんだがまあいいか。

どっちにせよここの降下は俺が一番。


屋根に落ちてあったリボルバーを拾った。

この瞬間から戦いは始まっているんだよ!!


「いけいけ~」


降下が遅れたやつらをどんどん倒していく。

キルの音がやけに気持ちいいが、敵は全然減らない。

俺のところに直で降りてくるやつらも処理が面倒だったりする。


とりあえず降下中の敵は片っ端から倒した。


「やっぱり来るよね~」


次は下から攻めてくるやつら。

いやぁ、これだからこのゲームは面白い。


「はいどんどんやってくよ~」


さて、順調にキルを伸ばしていくわけだが。

ここであることに気が付いた。



「あれ、キルログ俺しか回ってなくね」


ーほんとだwwww

ー倒された人=キル数

ーくそおもろい

ー団結力完璧やん

ーblancのスキンだけ特殊過ぎて見分けれる

ーしかも皆ランク高いのなにwwww

ーレジェンド帯しかいねええ


言われてみればさっきからレジェンド帯しかいないな。

別に強い人じゃなくても良いんだが…まあいいか。


「おいどんどん来るよ、なんだこれ」


ーお前から言い始めたんだよ

ー人めっちゃ来るのおもろい

ー永遠に減らないやん

ー次から次へとw

ーなんで生きてるのwwww


「これ一生俺下に行けない?」


ずっと階段の上からリボルバーで抜きまくっている。

頭一発だからこそ、単純作業で行けるのだが何も変わらない光景だ。


「結構減ったか?」


キル数は36


「36キルwwwww多すぎんだろww」


ー草

ーwwww

ーおもろww

ーなんでだよ

ーそんなに人攻めてんの草


いやぁ、まあ36人ここで仕留めれたのは嬉しい誤算かな。

ちょっと戦闘も落ち着いてきた。

さっきからリボルバー1本で頑張って戦っていた。

弾も尽きそうだし一旦漁るか。


「敵の物資でいいやんこれw」


36人の物資が多すぎて、もはやここだけで物資を揃えられる。



「よしこれで」


今回は多人数戦ということで、リボルバー&サブマシンガンだ。

あんまりしたことない構成だがやってくか。





「あ、やべ」


適当に見えた敵に撃ったのだが、相手は3人だった。

しかもスキンに見覚えしかない。


「おいこいつら絶対流星組やん」


ーきたあああ

ーはい初っ端から見ごたえ

ーきたこれ

ー待ってた

ーさてこれが見どころ

ー誰も他戦闘加わらないの空気読めてる

ー皆これ見たいんだろうな


さて、俺が撃った瞬間どうなったか。


まずwartによって一瞬で場所がばれる。

そしてそこにendmがすかさず集中放射。

その間にlucusが隙を作り、wartが撃ち込む。


はい、これはもう予想できた。

これでも長年の付き合いなんでね。


「まずは、彼女からだな。endm!」


endmのエイム力だけはバカにしたら終わる。

命中率化け物なんだ。

舐めて掛かるとただ火の粉として水を掛けられる。


「ほいっ」


じゃあどうするかって言ったら、三人の攻撃を避けながらリボルバーを撃つしかない。


いやいやきついだろ。


俺は自身の心の中で問いかけた。

冷静に考えて1vs3、それもプロゲーマーだ。

もはや練習配信とは、みたいな光景なんだがこれ。


まあちょっかいかけた俺が悪いし、ここで負けたいとは思っていない。

それに、きついとは思ったが無理とは思っていない。


現役時代の礎が牙を向いた。



「まずはよいっと」


lucusが隙を作れなければ当然wartも無理に撃ってこない。

だから隙を見せない。

そしてendmのエイムは正確すぎる。

だからこそ俺が避けるとその軌道に乗って次の弾が飛んでくる。


まあこうするか。


ただ避けまくる。

専門分野同士の戦いだ。

これで3度目、彼女との戦いかな。


「チャンスを探せ…」


さて、endmが今使うアサルトライフル。

案外弾速が遅かったのが救いだ。

おかげでlucusにもwartにも注意を払える。


そして、endmにもついに隙が生まれた。

リロードするために岩陰に隠れる僅かのタイミング。

俺の弾は綺麗な直線を描き、彼女に命中した。


「よし!!!!行ける!」


endmをキルしたことで調子が軌道に乗った。

これは行ける。


他二人はendmがやられたことで、一旦下がろうとする。

その瞬間が彼らの弱点なんだろうな。


リボルバーのクールタイムよりも、サブマシンガンに切り替えて撃つ方が早い。

これを知っていたからこそ、俺はwartをキルできる。


残り1人。

先にwartをキルした理由は彼女のスナイパーが怖かったからだ。

そしてlucusを残した理由は単純だった。


トリッキーな戦い方は、発動する前に止めたら問題が無かったのだ。


「いけ!!!」


lucusは下がった。

けれど、下がった先に俺は直進する。

リボルバーに切り替え一発。

カウンター読みも考慮して、割と読めない位置から撃った。




「きたああああ!!!!!」



白い流星に完全勝利。

ここまで嬉しいことなど中々ない。

しかも、これで彼らの欠点も見つけれた。

まだまだ俺らは強くなる。



ー???

ーはい?

ーやべえよこいつら

ーついに勝っちゃったよ

ー意味分からん

ーバケモンやん

ーナニコレ

ー何が起きてんの

ーまじでやばい

ー歴史丸ごと塗り替えに来てない?

ーこれでストリーマー?

ーはよ世界1位奪還してこいよ

ー真面目に世界1位はこいつでいい

ーblancに勝てるやつ居ねえよ

ーなんだこれ



「よしよし、さて次へ行くか。」


一応俺以外も戦闘はされているようで、残り40人。

最低でも30人くらいは俺の敵ってことか。


絶対勝ちたいな。


もはや脳内はこれで埋め尽くされている。


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