第161話 練習配信⑤
まあ、さっきからコメント欄を見ていて俺も薄々気が付いていた。
さっきからスナイパー弾が飛んでくるし、俺が少し動くだけでもすぐ狙ってくるやつ。
しかも俺がスコープで見るとまあまあ距離ある。
「あれ、絶対wartやん」
もはや確信しかなかった。
大体endmとかlucusとか居る地点でwartが居ないわけがない。
ー絶対wart
ーだろうねたぶん
ーそうだろうなw
ースナイパーやばい
ーどんだけ狙ってくるんだよww
lucusと戦いが終わった時点で、他の場所でも戦闘が激化していた。
当然、俺も戦いに巻き込まれ、なんとか生きているのだが。
1人だけ狙われず、ただ銃声の中から俺を聞きつけ、ずっと撃ってくる。
無理に攻めず、スナイパーでちょっかい掛けてくるのはあいつしかいなかった。
「いや、あれだるすぎるww」
無駄に出ると、頭を抜かれる気がする。
だからといって、このまま移動しなかったら安全地帯から出てしまうことになる。
だいぶ思ったより苦しい状況かもしれない。
「え、これどうしよ」
いつ頭を抜かれてもおかしくない。
あいつならそうする。
そもそも、wartは索敵係だ。
だが、彼女は別に得意分野もある。
それがスナイパーだった。
自信の索敵能力とスナイパーのエイム。
それを生かしてソロで戦っている。
狙われない立ち回り、
それが意識されていることでヘイトも受けず、常に優位なものになっているのだ。
本音はスナイパー弾をさっと避けたい。
だが、彼女の持っている武器は弾速が早い。
だからこそリスクが伴い、また避けれる自信があまりない。
「いや、これどうするんだ……?」
周りにも敵がいる。
だからこそ、彼女だけに注意を向けていられるわけではなかった。
ただ、1つだけ方法があった。
距離的に反撃には移せないが俺が移動できるであろうやり方。
「よいっと」
まずはグラップラーで木の上へ向かう……と見せかけて
「よっと」
自分の足元に急バックする。
すると相手は綺麗につられてくれる。
「よし!」
今がチャンスだと思って俺は走り出す。
出来るだけ射線を切れるように……ってあれ?
「え?なんで死んだ???」
ーまじか
ーいやここで死ぬか
ーしゃーない
ーwart!?
ーえ、ここ抜いたの!?
キル相手はやはりwart
いや、まあ相手が彼女なのは分かっていたが彼女に抜かれるとは思っていなかった。
大体スナイパーはリロード中じゃないのか?
「あ、そうか……」
ダブルスナイパーだ。
もしかして、こいつ。スナイパーしか持っていない?
いや、まあ確かに弾の頻度がやけに早いなとは思ったが。
ーどんまい
ーダブルスナイパーwwww
ー真面目にやる気なくて草w
ーまだやるの?
「おい、白い流星全員来とるやん」
相当暇人なのかこいつら、
ただ、コメント欄を見た感じやばい人は結構居たらしい。
その人とも戦いたいな。
「よし、もう一回やるか」
ー分かってるやん
ーないす
ーきたああ
ー条件つけよ
「じゃあそうだな……」
うーん。
条件というかルールといっても、ランク帯で制限するのはどうかと思う。
やっぱり色んな人にやってほしいしね。
あと、プロ選手減らしたい……。
「あ、良いの思いついた!」
「ルール!チーミングあり、ゴースティングあり!これでいこう!」
ーなんかとんでもないこと言ってね?
ー?
ーあいつやば
ー????
ーチーミングあり!?
ーよしやろう
ーいやこれいくしかない
「じゃあ、5分後で~。一旦休憩」
ちょっと手が痛いから休みたい。
その間にでもチーム組んでくれると面白いな。
出来るだけ対人戦を増やしたい。
それも人数不利から逆転できる練習が欲しかったりする。
「いや~これどうなるかな」
だいぶ楽しみだ。
一旦飲み物を取りに部屋を出た。
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