第159話 練習配信③
割と順調に進みつつ、何マッチか終えた。
順位はというと、
「え?高くね」
ーたかwww
ーいやあんだけ無双してたらこうなるわな
ーたけえよw
ーおいwwww
ー100位から結構マッチしてたからな
と、俺の順位は、まさかの23位。
いや、100位から上がりすぎだろ、という心の突っ込みは置いといて結構上がってきている。
やっぱり格上との戦いになると、1つ1つに集中出来て、油断も減る。
「いやぁこれもうちょい上げてみる?」
ー20行こう
ー20位行ける
ーいや、やめよ?沼ったら終わる
ーどっちでもいい
「どうしよ~なんかランク以外やるか?」
そう。本来の目的は地力上げであって、ランク回すだけの配信ではない。
正直実力さえ上がるならなんでもいいのだ。
ー参加型
ー↑天才
ーそれだ
ー参加型めっちゃいいやん
「あ、参加型やるか?」
参加型とかやったのいつぶりだろうか。
最近になると、ゲリラ配信が多くて参加型なんてやってなかった。
たまにはありだな。
「じゃあ、参加型の100人マッチで、条件は実力に自信ある人」
ー実力に自信ありません
ーやめよ、ぼこされる
ー絶対強いやつ来るやん
一応、ランクマのカスタムだ。
別にランクポイントは変動しないが、実践に近くていいだろう。
とか言ってるとすぐに100人集まる。
「よし行くかぁ、最低限のマナールールよろしく」
マッチ開始だ。
まさかこれが面白いことになるとは思ってもいなかったな。
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さてさて。
やはり初動を被せに来る人も居る。
標的はおそらく俺かな。
まあ、どうせ倒すことだしと思いつつ、武器を拾う。
「お~まあいいか」
構成はサブマシンガン一つ。
スナイパーだけとかよりは全然マシだ。
とりあえず隣の家のやつをやりに行く。
「まずは1キルっと」
倒した相手はゴールド帯。
まあここで負けたら俺が恥さらしになる。
「さて、やっていきますかぁ」
この町の殲滅作戦が始まった。
ー?
ー早いなぁ
ーキルペおかしい
ー一人キルログに常に居るの草
ーなにこれ
ー無双やば
「もう居ないか」
俺を初動狩りしに来た敵もまとめて、5キル。
めちゃくちゃランクが高い人たちではなく、安定して倒した。
だが、ここから戦いが始まった。
「あっぶね」
急に東方向からスナイパー弾が飛んでくる。
ギリギリ視野に収まっていたからこそ反応できた。
だが、相手は当然だろという感じで普通に攻めてくる。
俺は、サブマシンガン&スナイパーの構成に切り替えていた。
というよりリボルバーが見つかっていなかった。
「うわ、この人上手い」
俺はサブマシンガンで敵を狙ったのだが、崖に滑りながら不規則な動きを繰り返していた。
そして地面に着くとすぐさまスナイパーを撃ちつつ岩陰に隠れた。
ここまでキレイに判断ができる人はなかなかいない。
「頭出せ~」
スナイパーで構えてじっと見つめる。
敵が今にでも顔を出しそうなのだが、全然動かない。
「いや、これ行くか?」
とスナイパーを下ろした瞬間だった。
「は?上?」
上から急にグレネードが降ってくる。
いや、これは横に出て回避するしかないなと思って動いた矢先。
「っ!」
相手のスナイパーだった。
俺が反撃できないようにチャンスを伺っていたのだ。
そして、その敵の弾はいい位置に撃ってくる。
もしここで俺が避ければ、グレネードに確実に当たる。
だが、グレネードを避けたいならスナイパーに当たる。
この瞬間頭を回した。
このスピードで対処する方法。
いや、無理だな。
確実にどっちかには当たるしかない。
ならば、俺は確実に生きれるグレネードを選ぶ。
だが、ただ当たって終わるわけには行かない。
「いけ!」
グレネードの爆風で視界が見えにくいが、俺は確かにとらえた。
敵の残像を。
「よしよし」
ここでしっかりカウンターを入れられた。
頭に当たってくれれば完璧だったのだが、視界も相まって見えにくかったから仕方がない。
視界が広がった時、俺と敵は同じことを考えていた。
互いにスコープを睨んでいる。
これは合い撃ちか?
「いや、違うね」
俺と相手は確かにスナイパーを撃った。
俺のはしっかり命中してキルを取れた。
だが、俺に向けられた弾は違う。
弾は俺の真横を通って後ろまで駆け出して行った。
「よし!!あぶね!!!」
流石にここで負けたくなかったな。
ーはwwww
ーおいAQUAじゃねえか
ーなんで来てるのw
ーアジアサーバーにくんじゃねええ
ー草
ーめっちゃうまいなと思ったらそういうことか
ー上手かった
「え?AQUA?まじで?」
プレイヤー名AQUA
ざっくりと俺の記憶から言うならば、世界トップのプレイヤー。
ヨーロッパ1位経験者であり、正真正銘の化け物だった。
全体的にバランスの良いプレイで敵を圧倒する。
たまに、トリッキーなのだが、頭が回ってて尊敬する。
ちなみにフィンランド人らしく、また女性プロゲーマーだそうだ。
一度会ってみたいものだ。
「そっか参加型だからそういう人も来るか」
そういや、コメント欄さっきもざわついていたな……まだ誰か潜んでいるのか?
いや気のせいか。うんそういうことにしておこう。
いつの間にか世界大会級のマッチが開かれていることに、彼はまだ気が付かない。
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【後書き】
ちなみに全然出していないですかAQUAっていうキャラが俺の中で一番キャラが固定してて好きです。
全然出してないですけど((強調
そういやこのゲーム全然アイテム出してなかったので下に一覧置いておきます。
また適当にまとめておきます。
(作中で使うかは分からない)
《アイテム》
グレネード 爆弾。投げると一定範囲が爆発する。
エージェント 自分のコピーを一定時間出せる。自身の攻撃力が1.2倍
エリートエージェント めったに出ない。エージェントの上位互換で、攻撃力が1.5倍
グラップラー 自分が撃った場所にひもを飛ばし、移動できる
ヒールポーション HP(MAXならシールド)を50回復させる
ヒールポーションL ヒールポーションの100回復させる版
包帯 HP限定で50回復する
ハイポーション シールド限定で100回復させる
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