第157話 練習配信①
白い流星のオフ会が迫った中。
1人俺は焦っていた。
他3人が強すぎる。
もしかして足を引っ張るのでは?
そう思うと、少しずつ焦りが見えてきた。
「というわけで、ランク回します」
ーやはりやるか
ーあの動画見たよ!
ーいや、十分上手いっていう話
ー他3人がおかしいのよ
「その他3人に負けないように練習するわ」
俺は早速ランクマッチをスタートする。
「目標は……どうしようかな」
ーレジェンド帯ランク入りとか?
ー1000位入ろう
ーいやきつくね?
ー3連続1位とかで良いかと
ー感覚掴むまでやろう
「あ~感覚掴むまでとかにしとくか」
いくら1000位とか入ろうとも、その上999人に勝てなかったらそれは意味をなさない。
俺が目指すのは1位そのものだからな。
「さて、やるかぁ」
基本スナイパー&サブマシンガンのダブル構成。
ただ今日はちょっと気分を変える。
「アサルトライフルとショットガンで行くか」
ー珍しい
ー久々に見たな
ーblancにしては稀
ーショットガン使うのか
ーほう
「一旦敵狩る」
同じところに降りた敵を倒す。
もし初動を安定させるならもちろん戦闘は避けたいのだが、今回は上手くなればいいので勝ち負けという話ではないかもしれない。
大会では初動を勝ち抜く技術も必要だしな。
「いや~気が付いてるか」
そういやここはレジェンド帯だった。
トップ層ではなくても、ここまで来た人間は強者ぞろいだ。
「スナイパーと、リボルバー?」
ー敵も珍しいなおい
ーそういやリボルバー戻ってきたんだっけ
ーblancの居ない間に消えて復活した。
ースナイパーとリボルバーは遠距離戦すぎん?
ー近距離詰めたら勝てそう
「良いところ突いてくるな」
建物や障害の裏に隠れつつ、順当に前を進む。
「え?まじか」
リボルバーで頭を撃たれた。
とりあえず建物に入って回復する。
流石に当たると思わなくて驚きだ。
「油断したな」
ちゃんとやらないと練習にならないぞと俺に言い聞かせる。
「よし行こう」
回復を済ませた。
おそらく敵もこっちに来ているから迎え撃つか。
「まず一発」
入ってきた瞬間にショットガンを撃つ。
敵はすぐさま下がるが、俺は攻める。
敵が思ったより下がっていたので、
アサルトライフルに切り替えて撃つ。
「あれ?」
まったく弾が当たらない。
仕方なく、胴体に当てることを意識してなんとか倒す。
だが手こずってしまって割と瀕死だった。
ーうーん
ーちょっと微妙?
ーエイムは良いんだけどね
ーいや普通に当てすぎ
ーもういいやんこれで
「なんか下手になった……?」
頭に弾が当たらない。
前まではもう少し命中率が高かったからこそ、結構謎だった。
「うわ、ここでまた来るのかよ」
流石に銃声を聞きつけて敵がやってきた。
俺は回復を済ませると、弾をリロードして外へ出た。
「あ~まだあそこか」
崖の上に移動したようで、上から敵を探しているようだ。
俺はアサルトライフルを何発か撃ち込んでみる。
「ん~やっぱりなんか当たらないんよな」
やりきれなかった。
頭に当たれば全然やれたのに。
敵はすぐさま下がった。
けれどどうせまた攻めてくる。
「もしかしてなんか仕様変わった?」
ーなんか変わったっけ
ー偏差変わったくね?
ー誤差の範囲だけどな
ーほぼ一緒
ー弾がちょっと落ちにくくなった
「あ~なるほどね」
今すべてを理解した気がする。
いや、言い訳にしたかっただけなのだが。
「ちょっと試してみるか」
少し弾が落ちにくくなったらしい。
じゃあ少しだけエイムの照準を変えてみるか。
敵がまた崖から現れた瞬間撃ってみる。
「お~これだわ」
ーはい終わった
ーgg
ーコツを掴んだこいつ
ー前より上手くね?
ー当てすぎ
敵はすぐさま隠れてしまったが、だいぶ当たった。
4発全弾ヘッドショット。
これは行ける。
「行くかぁ」
やはり全体的に偏差は下がったらしい。
ショットガンも変えただけで弾は頭に吸い付かれる。
「2キル~初動にしてはまあまあかな?」
ー!?
ー????
ーあてすぎ
ーもう誰も止めれねえよ
ーはい終了
「あ、あれ敵だ」
もしかしたら奇跡だったのかな。
もう少し調整がてらで敵にアサルトライフルを当てたい。
「ちょっと遠いけど行けるか?」
ーまずい
ー覚醒するぞこいつ
ー敵逃げろ
照準を敵に合わせる。
前とは少し変えて、さっきの弾道も頭に入れて。
距離は大体300mか?
近くに建物はないが、高さは若干ある。
全て頭に入れて照準を再調整。
「行け!」
一発一発に神経を注ぐ。
相手のHPが削れるまですべてを撃つ、それだけだ。
「は!?」
ー?????
ーもはやチーターだろこれ
ー命中率200%ま?
ー頭やば
ーなんで??????
「いや、そうはならんだろ」
300m居る敵は、全弾が頭に撃たれた。
「これは……まあうん。コツ掴んだわ」
ーあーあ
ーはい終わり
ー配信終了かな?
ーえぐい
ーチーターよりチーターしてんのおもろい
「チーターか、いやあ久々に戦いたいな」
そういや、VTuberになる直前あたりでチーターとかと戦ったんだっけ。
あれは結構エイムやばかったがなぜ勝てたんだろう。
ーチーター負ける
ー意味分からん
ーランクマッチだよね?
ー溶けてたなぁ
ーblanc戻ってきたか?
「ちょっと頑張るか」
なんか今日は調子がいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます