第154話 新衣装お披露目……?3
「さて、やりますか」
ー待ってました
ーうおおおお
ーこれまじで熱い
ー同接増えまくってる。
「いや、やば。同接続10万人ま?」
流石にここまで見てくれているとは……これは頑張らないと。
「というか、ラスカが来るとは思わなかった」
ーそれ
ー本当に来ると思わなかった
ーまじかよ
「あ、VC一瞬付けてもらうか。」
『あ、どうも。ラスカです』
画面の奥からは彼の声が聞こえてくる。
ーおお
ーきたあ
ーラスカさんだ!
「あの~なんで来た?」
『いやぁ誰かが止めるしかなかったのと、新衣装見たかった』
いや、お前もそっち側かい。
「まあ、そうか。じゃ、良い戦いを」
『おう!』
そして彼は通話から去って行った。
「いやぁこれ勝てるのかな」
ー頑張れ
ーやるしかないよ
ー勝て
ー負けて貰わないと新衣装が
ーこれネスイ勝てないならもう無理だよ
「よし、始めるか」
ラスカも準備オッケーだ。
やるか。
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まずは様子見。
と思ったのだが、ラスカはその場にトラップを置いた。
「え?あ~なるほど」
一瞬何してるのかと思ったが、先制攻撃を許さないための対策か。
思ったより頭さえてて凄いな。
そんな考え俺には浮かばない
そして、ラスカが異様に攻めてくる。
さっきまでの人たちとは違い、自信に満ち溢れた好戦型なのかもしれない。
「やっばい」
最強の騎士から繰り出される剣攻撃を、なんとか避けている。
彼の攻撃に隙が多いように見えるが、あれは全部罠だろう。
隙を突きに行くと、一瞬で溶かされる。
そういうのが目に浮かんだ。
「カウンター!……はだめか」
ラスカの攻撃にカウンターを仕掛けた。
だが、しっかり対策済みのようで盾で守ってくる。
「ん?なんだあれ」
ここで敵は加護を発動した。
プレイヤー名の上には、
《剣聖の加護を発動しました》
と書かれている。
あれやばくね?
ラスカはバフを掛けた。
主に、攻撃力上昇、速度上昇、クールタイム軽減。
そして、間合いを当たり前のように詰めてきた。
なんとか小刀で対抗して引き下がるも、すぐに追ってくる。
下がったところに攻めてくると埒が明かない。
「一旦リセットか……?」
とりあえず大きく間合いを取って状況をリセットしたい。
このままじゃ圧倒的に不利だ。
足の速度を上げて、引き離そうとする。
だが、やはり並大抵では逃してくれない。
「うわ、魔法かよ」
炎系統の魔術で、俺の近くに弾を降らせる。
しかし案外よけやすく、そのまま前を走り続け、
「あ、そういうことか」
今この瞬間全てを理解した。
なぜ魔法を当ててこないのか。
どうして、このタイミングで後ろを追わないのか。
目の前には開幕に置かれたトラップが敷かれていた。
ギリギリで避けようと、右を向いたら、
「うわまじか」
ラスカと目が合った。
そして彼はこっちに猛スピードで駆け寄ろうとしている。
「いや、これこうするか。」
と、さっきゲットしたスキルを早速利用する。
銃でトラップを破壊するのだ。
ただ、もちろん状況は変わらない。
なぜならラスカはしっかりと右から詰めてくる。
そして、俺の目の前で大きな刀を一振りした。
何かしらの大量なバフがかかっており、俺が耐えるのは困難……。
とはならない。
ー!?
ー生きてる!?
ーえ、なんでwww
ーは?
「短剣の加護!」
一時的にステータスを2倍、そして無敵時間が10秒。
公式チート技で、1日に1回しか撃てないのだが、溜めていてよかった。
ラスカはその瞬間油断した。
まさか生きるとは思っていなかったのだろう。
「さて、本気を出すか」
まず、油断した彼の胸元に銃を一発撃ち込む。
ただこれで倒れるわけがなく、ラスカは食らいつつも後ろに下がった。
俺はもう一発彼に撃ち込むと同時に姿を消した。
いや、どちらかといえば見えないほど早く移動したの方が正しい。
過度な加速で彼の後ろを付けた。
「漸夢一閃」
俺が配信外でゲットして隠し持っていた究極の技。
ダメージ量も申し分なく、スピードも速く繰り出せる。
しかし、ここでラスカはやられなかった。
もしもの場合を考慮して対策をしていたのだ。
いつの間にかトラップが置かれていた。
そして見事に突っ込んだ俺は、これに引っかかる。
「え、まってまずい」
ラスカは容赦なかった。
ここで剣攻撃なら避けれる。
しかし彼はその特性を理解したうえで技を選んだ、
その名も、炎天光。
空中から炎と光の矢を連射する必殺技だ。
流石に上から来る技を避けるのは不可能だった。
結果、俺はこの試合に負けた。
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ーネスイが負けたあああ
ーうおおおおおお
ーきたあああ
ーラスカないすううううう
ーすげええええ
ーネスイ負けるってあるんだ
ー新衣装ようやくだよw
「いや、まじか」
ーラスカ/対ありでした!めっちゃ楽しかった
ーすげええ
ー面白すぎる
ーネスイ勝ったと思ったらラスカが勝つのかよ
ー何で最後耐えたの
「そうそう、なんで耐えたんだ?あれ絶対やったと思ったのに」
ーラスカ/HP1で耐えるやつあったから
「うわ、まじか。俺の知識不足だ」
ーなるほどなぁ
ー上手いこと使ったなそれ
ーはよはよ
ー新衣装わくわく
「あ、そうだ。俺が負けたら新衣装公開か。よしやるぞ!」
「じゃーん」
スナイパーを背負った男の姿。
以前見たが、やっぱり綺麗でかつカッコいい。
今までの白を主体とした絵とは違って、「黒」も混ざっている。
ーおおおおおお
ーかっこよすぎる
ーめっちゃいいやん
ーえぐい
ーこれのために起きた
ーまじでラスカナイスだわ
「というわけでしばらくはこれで行きます!まあ、今まで使ってた衣装も好きだからたまに使うよ」
「と、これで以上かな?」
ーもうこんな時間まじ?
ーいや早い
ー次何するの
ー告知ください
ー知りたい
「あ~そうだ。次やること言うの忘れてた。次の配信は久々にあの人とコラボします」
ーあの人?
ー誰?
ーちょっとわかった
ー久々ってあいつか
「というわけでおつねす!」
今日の配信結構疲れたなと思いつつ、配信を切った。
夜音は自分の家に居るのだろうか、まあ今は居ない。
身体を伸ばしてゆっくりしていると、またメールが届く。
配信するたびにメールが届くのはなんでだろうな。
宛は珍しく、マネージャーではなくlucus。
《今度皆で集まらない?》
初のオフ会が始まりそうだ。
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