第147話 blanc×wart再来

「やあ」 


『あ、blanc~お疲れ~』


『blancだ。お疲れ様です』


『blancおつ~急にどうした?』


「いや~暇だったら来た」


特に何もないなら白い流星に立ち寄るのが俺だ。

まあ特に配信を回す予定もなく、のんびりとしようかな?

そう思ってやってきたのだった。


「今何してるの?」


『なんもしてないよ。wartとendmは学校の課題やってて、俺はのんびり動画編集してるとこ~』


『blanc助けてえ~数学分かんない!』


『blancに頼るのも良いですが、ちゃんと自分で勉強するのも大切ですよ?』


『ぐぬぬ』


「勉強かぁ。まあ今は良いかな」


そういや高2なってそろそろ最初のテストが迫ってきたな。

まあ暇なときに復習はしてるし、どうってことないが。


「何しよっかなー」


今日は昼から夜音はどっかに行った。

友達と遊んでるのか、配信の打ち合わせなのかは知ったこっちゃない。


『そういや、最近ネスイは調子どうなの?』


「まあぼちぼち、ランクもたまに触れてるよ」


『あれ、そっかレジェンド帯行ったのか』


「そうそう。wartと行ったんだよ」


『俺も早く行かないとなー』


とたわいもない話が続く。

俺は次の配信何をするかとか考えつつしていると、


『疲れた!AFGやろ!』


wartが突然そう言った。


『wart、宿題終わったのですか?』


『終わった!やろ!!最近始めたんだよね私』


「あ~良いけど。二人はどうする?」


wartはやる気満々なのだがどうしようか。


『俺はパス。ゲーム入れてない』


とlucus。


『私もパスで』


となり、またもやwartとのゲームになった。


「どうする?配信でも付ける?」


『えー付けて~。だるい』


配信をだるいで片付けて良いのかは疑問だがまあいいか。

とりあえず、さっと配信設定を行う。


「二人も会話混ざる?」


『そうだな。たまに入るくらいだけするかも』


『私もそうします~』


ということで、配信を付けた。




「うい~配信します」


ーゲリラやばい

ー急に来るなおい

ーこの時間から

ー真昼間やばい

ー暇なのかな


「うん。めっちゃ暇。だから白い流星でなんかしようと思ってたんだけど、」


『やあやあ』


「wartしか暇じゃなさそうだったから連れてきた」


ー暇なの草

ー4人チームで一人暇居るの何

ーこれでも高校生ま?


『課題に追われてたってええ』


「まあ、なんでもいいよ。さっさとやろ」


というわけでAFGを起動する。


と危ない。

VTuber垢を切り替えるの忘れるところだった。

一応blanc配信用の垢を準備していた。

まさか役立つとは……。


「というわけでAFGやりまーす。」


ーゲリラで新ゲームやるなおい

ーAFG初じゃね?

ーやったことないの草

ー初期垢だぁ

ーAFGは最近1人狂ってるやつが居るからな

ーそのおかげでVTuber見始めた。

ーあいつだけなんか違う


「職業は……うーん」


回避盾でもいいけれど、それだとVTuber垢と一緒で面白くない。


「聖魔にしよ」


『いいね!』


wartも流石に気は使ってくれているようで、俺が初見だという前提で話をしてくれている。

案外そういうところは頭がさえているのだ。


『ちなみに私も聖魔だよ』


「は?」


ーダブル聖魔くそおもろい

ー意味分からんwwww

ー絶対狙ってたやん

ー聖魔わろた

ーがち草


「はよ言えよおお」


ダブル聖魔は結構な地獄な気がするんだが……。


『まあまあ、とりあえずレベル統一ダンジョンなんか行こ』


「そうだな…」


いや、ダブル聖魔とかいうパワーワードで俺の思考は止まっている。

wartも案外やり込んでいるようでレベルもそこそこ高い。

初期マップのダンジョンはすべて知り尽くしているようでどこを選ぶか迷ってそうだった。


『じゃあここで!』


「おっけ~まあ操作方法は自分で見るわ」


『ほーい』


行ったことの無いとこだ。

と言っても全然やり込んでないので、知らないダンジョンが半分以上占めているんだがな。


ーうーん。

ーいや難易度は優しい

ーダブル聖魔じゃなかったらな

ーダブル聖魔のせいで難易度上がりすぎ

ーダブル聖魔ってなに

ーダブル聖魔トレンド入ったわこれ


「聖魔ってちゃんとヒーラーか」


前誰かが使っていた、あのバケモン聖魔は相当やばかったんだな。

今の俺の聖魔だと上振れしても彼女の5分の1程度だ。


「雑魚敵多いな」


思った以上にうじゃうじゃしている。

しかも全員近距離で戦ってくるため、聖魔は結構不利だ。

というか攻撃技があんまりないのにこれは鬼畜じゃないですかね。


『うわああ地獄だああ』


ーちゃっかり楽しんでる

ーだいぶ戦犯に近い

ー聖魔と言えばあいつか

ーあいつはおかしかった

ー普通にそこら辺のアタッカーよりダメ出てるもん


雑魚敵を永遠と処理しつつ、少しずつ最深部に向かっている。

どんどん敵も強くなり倒す時間もそれなりにかかる。


『あれこここんなにむずかったっけ。前友達とやった時簡単だったのに』


ダブル聖魔だからな。

お前のせいで


「あ~あの先か」



聖魔に有利な敵ってなんだ。

やっぱり遠距離攻撃するものか。

攻撃を出すのに時間がかかるので近接は結構不利。


例えば……


「終わった」


目の前に居るのは炎ゴーレム。


『よし頑張るかぁ』


俺が絶望する一方で彼女は燃えていたのだった。



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