第146話 童話
「ヘンゼルとグレーテルって童話だっけ」
『そうそう。』
『最後魔女を鍋に入れて燃やすんだよね~』
「燃やすかぁ」
何か燃やすものないかな。
と思って、スポーンした部屋を見渡す。
「あ、これじゃね?」
ラウンド1の時には無かった、マッチ棒と油が落ちていた。
拾ってみると、操作方法が現れた。
「なるほど、油を巻いてマッチ棒で火を点けると。」
『結構近くに行かないときつそう』
『怖い』
ー結構判定緩いから
ーラウンド2は分かれば簡単。気が付くまで沼
ーヘンゼルとグレーテルよく気が付いたな
ー俺攻略見るまで分かんなかった
ー案外頭良いのか?
「さてやるか」
さっき魔女が居たのは結構上の階だった気がする。
ヘンゼルとグレーテル?を救出するついでにやりに行くか。
『ここ…』
『この階っぽい』
「油巻いてすぐ火を点ける。」
さて、手順も分かれば実行するだけ。
『ぎゃああああああああ』
さっき見ただろっていう突っ込みはやめておくか。
とりあえず油を巻いて火を点ける。
なお魔女はそれでも来るので、違うか??と思ったが魔女の元にも火が点いた。
そして数秒も経たず消えていった。
「お、これで良いのか」
俺はヘンゼルとグレーテルを向かいに行って、エレベーターに乗った。
「また場所変わったか」
さっきのような駐車場ぽいものを創造していたのだが、今回は野原。
もはやなんでもありだなこのマンション。
そして足元に落ちていた手紙を拾って読んでみる。
『ええっと、鬼を狩りに行け、え?』
『鬼ってラウンド1になかったっけ?』
「まあ行ってみるか」
手紙を閉じるとまたスポーン場所の部屋にワープした。
「ラウンド3はラウンド1と同じ場所っぽいな」
さっきのように何か新しいものは落ちていない。
となると、鬼を狩るという条件は正しいのかもな。
でもどうやってやるんだろ……。
『ラウンド2がヘンゼルとグレーテルという童話なら、ラウンド3は桃太郎?』
『それありそう』
「あ~ひな頭良いな」
『へっへーん』
ーはや
ーまだ始まってすらないだろ
ー初見クリアするのか!?
ー流石に頭いい
「とりあえず外出るか」
外に出ないと何も始まらない。
もし本当に鬼退治なら、桃太郎やらが居るはずだ。
部屋の外にはやはり、不穏な空気が漂っている。
ただ、さっきよりは日が明るく、若干視界が広い。
「あ~これかな。手がかり」
さっと周りを見ると、1つ光っているところがあった。
よく見るときびだんごだ。
『これ本当に桃太郎じゃん。』
「問題はどこに居るのかなんだよな。」
ーここむずい
ーまじで予想外
ーたぶん沼る
ー気が付けない
「気が付けない……?そんなにやばいところ?」
『本当に想定外なとこかぁ、私なら屋上とかに置いてやるかな。』
『きびだんご一つだしたぶん一か所に固まってる』
「エレベーター動くのかな」
ーあ
ーあ
ー終わった
ーえ
ーはや
「あ、乗れた。」
あれもしかして一発で正攻法導いた?
いやいや、まさか。
『あ!桃太郎だ!』
エレベーターで向かった先はラウンド1で見た駐車場ぽい光景。
そして真ん中には桃太郎御一行が立っていた。
「これで仲間っと」
きびだんごを渡すと、すぐに彼らは付いてきてくれた。
『これで怖いものなしだああ』
『よし終わろう!』
「鬼くらい見ろよ」
『ちっ』
エレベーターには再度乗れた。
そして、そのまま降下して5階にたどり着く。
結構足音が聞こえるってことはこの前後の階かも。
「あ~上だな」
上に行けば足音が大きくなっている。
「ほら」
6階にたどり着くと、鬼が真ん中でキープしていた。
『いけ!桃太郎!!』
『はよ倒せ』
無茶言うなよ。
ただ、心強い助っ人さえいれば怖くないんだな。
「よし、これでクリアか」
ちゃんと桃太郎御一行は鬼を倒してくれた。
そしてそのまま、これでクリアらしい。
《ラウンド3クリア》
ーお~
ーよく気が付いたな
ー沼らないのやばい
ーネスイがペース良いのはありそう
ーこれはすごい
「さて、終わったわけだが。またホラゲーしたい?」
『まったく!!!!』
『したくねえええ』
うん。そうだろうな。
「というわけで、ホラゲーシリーズは終わり!でもその代わりなんかシリーズ作ります!」
ーおおおおおお
ーきちゃああああ
ーこれはおもろい
ーえ、でもひなって……
ーあ
ーホラゲー配信ですっかり忘れてた
ーネスイと相性悪いからこうなった()
「まああと一人くらい追加で呼ぶよ。」
『いいね!これは私が震える』
『一旦ひな出禁にしない?』
『なんでだよっ!!』
「というわけで、配信は終わり!なんか告知ある?」
『はい!』
とプリームが。
『明日案件配信なのでぜひ見に来て!』
「なんの案件?」
『RPGのゲーム!』
「お~」
RPGとか全然やらないからやってみたいな。
ちょっと彼女の配信覗かせてもらうか。
「ひなは大丈夫?」
『特になんもない~』
「じゃ!おつねす!」
ーおつねす!
ーおつ!
ー終わったあ
ーすぐ終わったな
ー体感10分
ーお疲れ!
ホラゲー配信が終わってしまうのはちょっと残念だが、もっと面白い企画を考えないとな。
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