第111話 condition is not good day
「うーん」
敵の減りが早いこともあり敵をすぐに見つけることは出来ない。
このゲームはキルポイントが大きいからこそ索敵も必要なのだ。
「まじで敵が居ないな」
銃声が基本聞こえたらそこに攻めに行く、という戦略なんだが。
「流石に無音すぎる」
銃声がまず聞こえない。
だから攻めるに攻めれないのだ。
「もう高いところ行くか」
ーやってなさそ~
ーネスイ最近やってない?
ーやってなさそう
ー気が付いてない
ー銃声聞こえにくくなったんだっけ
ー範囲狭くなった
「え?銃声聞こえないの」
どうやら銃声の聞こえる範囲が狭まったらしい。
流石にそんなことには気が付かなかった。
直近でこのゲームをやったのもVTuberの配信内だけだし。
色々と情報が遅れてるかもしれない。
「あ、いた」
ようやくいた。
けれど敵は俺に気が付かずずっと走っている。
「よっと」
距離が遠くてもスナイパーで一発……かと思ったのだがそうとはならなかった。
敵は何ごとも無かったかのようにこっちを向いて撃ってくる。
「え?当たらないのあれ」
流石に当たったと確信するくらいだった。
ースナイパー偏差大きくなったよ
ー最近彼やってないっすね
ー偏差でかくなった
ー結構下に落ちる
ーむずい
ースナイパー難易度上がった
「まじかあ」
流石に偏差が下がるとなれば、練習が居るかもしれない。
最近やってないから感覚も落ちてるしやばい。
「ちょっと今度練習しないとな」
流石にひどすぎるとまずい。
これでもトップランカーに入れるように頑張ってたのだが。
「それにしても減りも早いな」
いつもならまだ30人くらい残ってても良いペースだが、もう10人と結構少ない。
まあ、キルポイントが上がったこととランク帯がまだ低いからなのだろうか。
とりあえずどんどんキルしていかないとランクは上がらなさそうだ。
「あれ敵か」
スナイパーで構えた。
しっかり偏差には注意して、さっきのイメージから予測する。
そして撃った。
弾は弧を描くように敵に着弾した。
けれど胴体だったため敵はまだ倒せなかった。
「うーん。もう少し研究必要か」
ー慣れが早い
ーもう当てれるのかよ
ーしかも結構距離あったぞ
ー色々怖い
ー適応能力高すぎ
ーうますぎる
「とりあえず勝つか」
まあ順位ポイントがないわけではない。
1位なら結構もらえるんだろうと思ってとりあえず目指す。
さっき撃った敵を追っていた。
すると後ろからスナイパーの音が聞こえた。
「あっぶね」
反射神経で間一髪でかわすと振り向いた。
敵はまるでつけてたかのように後ろに付いていた。
「うお」
敵はショットガンに切り替えて俺にダメージを入れた。
俺はとりあえずショットガンに切り替えて一発撃ち込むといったん下がる。
敵に命中したのだが、下がる様子はなく一方に攻めてくる。
「待って。来ないで!」
近くの地下施設に走って逃げた。
相手が2発目を撃つギリギリで回避できたものの、HPは未だピンチだった。
あと一発食らったら流石に死ぬ。
「どうしよ」
敵はまったく下がる気配がしない。
俺の予想が正しければそろそろ行き止まりだった。
障害物を使ったり、別の部屋を使ったりして移動しているのだが敵も付いてくる。
足音をたどっているようだ。
「やるしかないか」
俺は立ち止まると障害物に身をひそめる。
そして敵が来るまでの一瞬でスナイパーを構えた。
ショットガンでもよかったのだが、スナイパーの方が弾速が早いのだ。
「頼む~」
神様にでも祈る勢いで待っていると、敵が予想通りやってきた。
「行け!!!」
敵の前に現れると相手が反応する前に撃つ。
敵の撃つスピードより速くしないと負けるからだ。
撃ったスナイパーは敵の頭にヒットし、倒せた。
「あっぶね」
漁夫、いわば銃声を聞いてかけつけてやってくるやつが来る前に回復をする。
これだけ人の減りが早いと結構攻める敵が多い気もするからだ。
「よし、戻るか」
回復を終わらせて準備万端にした。
地上に戻ると結構銃声は聞こえてきた。
安全地帯が狭まったことで接敵が増えたのかもしれない。
俺は外からスナイパーで眺めつつ、隙があったら撃つ構えで居た。
「上手いなあ」
敵二人とも射線管理がしっかりされている。
周りからも撃たれないように上手く障害物を使っていた。
「いやこれ無理だな」
ふと見ると残り人数は6人。
今見ていたところに2人居たのであと3人がどこかに居る。
警戒しないとな……そう思った頃には遅かった。
別の箇所から銃声が聞こえてそっちを向こうとしたとき、もうやられていた。
「うわ、スナイパーか」
ー惜しい
ー上手かったけどな
ー敵もうめえな
ー流石トップランク帯
ーうんうん
ーえぐいなあ
「ん?いや今俺はビギナーだが……あ」
俺のランク帯表記はレジェンドだった。
順位こそは下がっていたがランクは下がっていなかった。
「あ、もしかしてランクリセットなかった……?」
ーやっぱり気が付いてなかった
ー草
ーずっとなんか言ってると思ったらそういうことか
ーおかしいなって思った
ー草すぎる
「まじか。レジェンド帯人の減り早すぎて気が付かなかった」
「まあいいや、もう一回するか」
この後結構やった気がする。
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