第105話 episode1

俺と夜音は昔から仲が良かった。

家が近いというのもあった。

けれどそれよりも親同士仲が良かったのだ。



俺は今と違い、昔は活発な子だったらしい。

夜音も外でよく遊ぶ子だったらしく、二人でいろんなところに行ったらしい。

あんまり記憶が無いので全部親から聞いた話だが…。


幼稚園に入っても、夜音と海斗はコンビ的な関係に見えたらしく、先生も微笑ましく見守っていたというのは覚えている。

当時は物心すらままならないからこそ何も思っていなかったがな。



少しずつ年月が経ち、俺たちは小学生になった。

1学年1クラスの少人数学級だった

だからこそ皆で関わることが多かったのか、クラス全員仲が良かった。

俺もこの生活に満足していた。




ちなみにだが、風夏を知ったのもこのころだ。

まだ仲が良かったわけではない。

まあ最初は夜音の友達ということで風夏とも絡むことはあった。

だから少し喋るくらいの仲っていう認識でもあった。





だが、小学生後半、大体4年生くらいになると俺の親は急に忙しくなった。

だから家に帰らない日も急に増え、自分で家事をすることも増えた。

一方で夜音の家は結構小学生の最初の方から一人だった。

親は海外転勤などが多いのか帰ってくることはめったにない。


そういった境遇では似ていたのかもしれない。


だからこそ、高学年になると俺と夜音が一緒に暮らすことも少しずつ増えていった。

1人だといろいろと負担になるということも分かったからだ。


毎日というわけではなかったが、それでも結構な頻度だった気がする。

よく小学校に、クラスの皆にバレなかったなって今でも思う。



そしてそんな環境で生活していたある日、中学校に入った。


ここから俺たちの人生は狂い始めたのだった。


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