第92話 救済措置
さて、そろそろ2時間が経つ頃だろうか。
ずっとマナと雑談をして、裏ではプリームとひなが叫ぶというカオスな光景が広がっていた。
「そろそろ代わってやるか」
ーそうだなw
ーちょっとかわいそうになってきた
ーここまでひどい人居ないよ
ーこんな苦手な人見たことないなw
ー慣れないってすごいな
ー逆に才能だろこれ
『あら、代わっちゃうのね』
何かマナが残念そうな声を上げていた。
まあ、約束だし、2時間二人とも頑張っただろう。
「おい、2時間経つし代わろうか?」
『きたああああああああ』
『うわあああああ』
二人とも絶望から脱出してきたかのような声だ。
そしてどちらも若干声が枯れている。
「お疲れ様、お前ら声枯れすぎな」
『だってええ、怖かったもん』
ひなはもしかしたら画面の奥では泣いてるかもしれない。
一方でプリームはもう何言ってるか分かんない。
「じゃあ、まあさくっとやりますわ」
一応別で用意していたデータを画面に映す。
『え?また見るのおおおお』
『いやあああああああああ』
『あら、やっとまともに見れるわね。』
プリームとひながまた泣き叫び、マナは何ごともなく冷静にその場にいる。
こんなにカオスな状況もなかなかない。
「じゃあまあやるか」
一応1章の最初からなので、20分くらいで終わったらベストか。
ストーリーも読みつつどんどん進んでいく。
『来る……………』
『ぎゃああああ』
ー泣き叫んでて草
ー耳潰れたわ
ーうるせええ
ー何も無いように進むネスイw
ーネスイは何も感じてないのがおもろい
ーマナ様もそこまで何も感じてなさそうww
「ふう、ここで中間か」
『え!?早くね!?』
『私達の自己ベスト……………』
『あなたたちそんなに叫んで近所迷惑じゃないのw』
マナは笑いながらも二人に問いかけた。
「確かに、プリームはひなの家に居るんだっけ。それでも迷惑じゃないのか?」
『最近防音室がある家に引っ越したんだ~』
『ひなの家きれいすぎてやばいよ』
『防音室ね~なら安心して叫べるね』
ー草
ーマナもこのゲーム知ってるだろwww
ーこの先だっけ、きついの
ーこっから地獄
ー初見さんは頑張って耐えて
ーちなみにネスイはノンストップで終わらせる気らしいぞ
ー終わったw
「そうか~まあ配信するなら防音室は必須だろうな」
もちろん俺の部屋も防音室だ。
設置するのに手間がかかったが、今となればあってよかった。
「さて、後半やるかあ」
この後、彼女たちがまた泣き叫び始めたのは言うまでもない。
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「よし、これで終わりか」
ーノンストップすぎて草
ーストーリー読んでなかったら普通にRTA並み
ーストーリーおもろすぎる
ーやろうかなw
ーチュートリアルしか前回やってないからここで興味持つ人多いの草
ー前回はひどかった。
『ネスイ早すぎだよおおお』
『それな』
『まあ確かにネスイは早かったなw』
「まあ、マナが裏で解説とかしてくれてよかったよ」
途中でマナがこの作品をやったことあるのが発覚した。
だから、裏でストーリー解説を行ってくれたのだった。
流石は世界1のVTuber。
話力も高い。
「さて、次の配信は何やろうか」
『ホラゲーはしばらくゴメンよ』
ひなはもうこりごりのようだ。
まあ、もうホラゲー配信しなくてもいいし、ちょっと考えるか。
『え?ネスイちゃん。私とのオフコラボは?』
『は!?!?』
「あ、プリームは聞いてないか。オフでみんなで集まろうっていう話」
『そうよ~1期生いっぱい集めるわあ』
ーネスイしか男居ないのカオスで草
ー成人女性いるから……………
ーやばいやつが居ても意味ないんよな
ー正直1期生は極端
ーなんで1期生+ネスイなのか全員突っ込まないの草
『ええ…………』
『まじかあ』
プリームだけでなく、ひなも少し驚いていた。
まあ、俺も驚きは隠せないが。
「じゃあまあその配信も考えとくか」
ーてかまずなんで次配信の打ち合わせしてんのwww
ー次配信が決まってないのHESKALって感じ
ーそれwww
ー決めてる人少数派で草
ー他企業とコラボしてほしい
ー↑同意
「あ~他企業か、また考えとくか」
確かに他のVTuber企業さんからも見てくださってくれる方がいる。
ちょっとマネージャーに頼もうかな。
『ねえねえ、ネスイ』
「何?」
『私とオフコラボはしたくないの?』
「は?」
ひなの急な打診に流石に心の声が漏れた。
ーここで打ち合わせするな定期
ーHESKALだなあ
ーネスイも染まったかw
「まあ、ちょっと考えとくか……………。」
こうしてうるさすぎる配信が終わったのだった。
[AFG公式@Zula bia
【latent kingdom】の実装日が決定しました。
是非皆さんも頑張ってください!!!!!]
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