第81話 新年一発目はゲーム配信

《あけおめ配信はゲームやろ~》


「あけおめ!こんしろ~」


ーあけおめ!

ーあけおめ~

ーこんしろ

ーこんしろ!

ーもう年明けか

ー早いよな

ーネスイを見たのは半年前だったのに


「さて、今日はAFGということで…っさむ」


ー寒すぎ

ー冬明けねえかな

ーAFGきた

ー待ってた


【AFG】とは春陽とのコラボで1度だけやったことのあるゲームだ。

VRゲームで、専用の機器を付けて遊ぶことが出来る。


前回は回避盾のジョブを選んで、色々とスキルを集めたりしていた。

ちなみに裏で何か作業をしているわけでもなく、前回配信からあまり何も変わっていない。

強いて言うなら、少しだけ装備を変えたくらいだ。


「さて……何する?」


ー決まってないんかい

ーまだ未定なのね

ー探索とか?

ー新マップやってほしい

ーいや、イベントだろ


やっぱり流石は人気ゲーム。

やり込み要素も多く、コメント欄もばらばらだ。


「ん~どうしよっかな…ん?」


すると一つ面白いコメントを見つけた。


ー神威の森は?

ーおいwww

ー神威は無理だろw


「神威の森?って何?」


ー難易度最上級

ー最恐ボス

ーAFG最難関ボスですね。

ーバカ強い

ートップランカーでも勝てない人多い

ー色々と頭おかしい

ーあれクリア者10人くらいだっけ


「そんな難しいのあるのか……やる?」


ーやろう!

ーやるしかない!!!

ークリア耐久配信しよ

ーそれでいこ

ーまた伝説起こすの?w


まあ、トップランカーでもクリア者が少ないダンジョンにチャレンジするのは楽しい。

何より強敵だと本気で戦えるから楽しいのだ。


「じゃあやるか」


とりあえず俺は神威の森の場所を調べ、早速向かっていった。


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「ここか……」


見るからには普通の森なんだが、ここが今回のダンジョンらしい。

目の前に表示されているダンジョンクエスト【神威の森】というのを受諾する。


「さて、とりあえず初見でどこまで行けるかな?」


ー結構行くか?

ーいや、初見殺しやばいから

ーてかクリアできるかも怪しい

ーまあこのダンジョン特徴がすごい

ーあ~

ーワンちゃん初戦で…


「特徴?」


そう思いつつ、ずっと進んでいる。

未だ敵が一体も出ず、開けたところまでやってきた。


「あ、…そゆこと」


ーボス戦しかないことだよ


俺は、目の前にはばかるボスを前にしてようやく理解した。


(こいつはやべえ)


まぶしい紫色の光で中心部が覆われて、それが晴れた時一人の少女が立っていた。


【ほう、童は神威。あまり見ない顔だな】


「お!?喋った」


白い髪、そして左に黒い長剣を持ち、右には別種類の剣をにぎっている。

露出の多い、漆黒の服をまとっている。

頭上には紫色の結晶のようなものも浮かんでいる。


「かっこよすぎだろ」


ー神威えぐい

ーめっちゃ人気よ

ーNPCのランキング1位

ー1位3年連続とか

ー可愛いしカッコいい

ーこれが最難関なのか


【まあよい、ここでお主の生を断ち切る!】


「お!始まった…」


いよいよ戦闘が始まった。

とりあえず相手の攻撃を見極めなければならない。


相手のHPはそこまで多くない、ただ攻撃力が化け物だ。

落ち着いていかないとすぐに死にそうだった。


「ふぉ!?」


神威は目を瞑り、少しずつ上に浮かんでいく。

そして目が開いたとき、大量の剣を浮かばせて、矛先を俺に向けていた。


【散れ】


その言葉と威圧、そして剣が一斉に歯向かってきた。


「うぁ~やばいやばい」


攻撃スピード、避ける範囲が狭すぎて、避けるので精一杯だ。

だが、神威は全く攻撃を止める気がしない。


「え、これでダメージ与えないといけないの?」


流石に考えないと無理がある。

しかも回避盾だからこそ、近づかないといけない。



「よし、いまだ!」


「短剣の加護」


回避盾の初期値を2倍、そして10秒間の無敵、この間に攻撃を与えに行く。

だが、このままじゃ神威は高い位置に居て攻撃を与えられない。


「これで行ける?」


神威がずっと撃ってきている剣に乗ってみた。

すると当たり判定があるらしく、案外上まで行ける。


ーは??

ー?????

ーそれ乗れるのwwww

ーおい、新しい発見w

ー知らなかったわw

ー普通はもう少ししたら攻撃止むんだけどなw


「いけいけ!!エターナルスラッシュ」


威力が強い、そして加護でさらに強くなったスラッシュで神威のHPも一気に削れる。


「よし、これでダメージ結構出せる」


エターナルスラッシュが思ったより攻撃力が高く、無敵時間が途切れる前にHPを半分に出来た。


「よし!ん?なんか動きおかしい」


【ほう、お主、なかなかやるの。だが、まだ終わっておらぬ。そろそろ本気を出させていただこう。】


そう言い神威の攻撃力とスピードが増した。

そして、真上から剣が降ってくる。


「は!?」


なんとか避けれたものの、あんなの初見じゃ無理だろw


「え?」


すると真上だけではなく真下からも剣が突き刺さってくる。


「いやいやいや。は?」


真上と真下で剣の位置は違う。

つまりこの2か所を確実に避けなければならない。


「え、これどうやって避けんの?」


流石にその場で対応できず、死んでしまう。


ー草

ーここ最初の難所

ーていうか正直全部難所

ー1番最初の剣が一番簡単なのがもう地獄

ーちなみに真上と真下だけで終わらないんだよなあ

ーこれは気合い

ーここで大体皆ダメージ食らう


「え、これ無理すぎん……?」


ただでさえ前半の剣を避ける奴がしんどかった。

なのにもっと難化していく。



(ちょっと燃えてきたな)



神威クリア耐久配信が始まった。



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